『ライオンのおやつ』読書感想文|ゆーじ&ジューイの感想+高校生向け書き方ポイント

読書感想文『ライオンのおやつ』のサムネイル画像 ゆーじの読書感想文

小川糸さんの『ライオンのおやつ』は、瀬戸内の海を望むホスピス「ライオンの家」で、余命を告げられた女性が仲間たちと過ごす最後の日々を描いた物語。

命の終わりをテーマにしながらも、読み終えると不思議と温かさと希望が残る一冊です。

この記事では、ゆーじとジューイそれぞれの視点で書いた読書感想文の全文例を紹介し、高校生がこの作品で感想文を書くときのポイントも解説します。

作品の詳細なあらすじは別記事で紹介しているので、先に全体像を知りたい方はそちらもあわせてご覧ください。

簡単なあらすじと作品概要

瀬戸内の小さな島にあるホスピス「ライオンの家」には、命の期限を知った人々が集まり、残された日々を穏やかに過ごしています。

主人公の海野雫(うみの・しずく)もまた、30代という若さで余命を告げられ、この場所で暮らし始めます。

「ライオンの家」には、毎週日曜日に“人生最後にもう一度食べたいおやつ”をリクエストできる特別な時間があり、それぞれのおやつには思い出やエピソードが詰まっています。

雫は仲間たちとの交流やこの「おやつの時間」を通じて、死を恐れる気持ちから「今を味わい尽くす」心へと変わっていきます。

あらすじはこちら

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👉 『ライオンのおやつ』のあらすじ詳細はこちら(ネタバレあり・なし両方解説)

では読書感想文を見ていきましょう。

ゆーじ
ゆーじ

まずは私・ゆーじの読書感想文です。

ゆーじの読書感想文

タイトル:最期は「ライオンのおやつ」とともに

余命を宣告された時、私も雫のように生き終えることが出来るだろうか。
読後、そんなことを考えた。
『死』というセンシティブなものがテーマであるにも関わらず、読み進めていくうちに生きてく強さを感じる。
こんな風に最期を迎えられたら「いい人生だった」と思えるのかなと、一つの正解を提示された気持ちがして勉強になった。

「ライオンの家」には命の期限を知った人たちが入居するホスピス。
登場人物はみな個性豊かで、「死」が身近にあることを感じさせないくらい今を味わっているのが印象的だった。
それは入居者だけでなく「ライオンの家」で働くマドンナやタヒチ、カモメちゃんなどからも感じる。
雫が百ちゃんの出会いで「死を受け入れることが、生きたい気持ちを認めることである」と気づいたシーンがあったが、登場人物たちは「死」を受け入れることで「生」が輝くのを知っているから、物語から力強さが伝わってくるのかもしれない。

生きてるうちに感謝を伝えることは大切だ。
けれども、それはなかなか出来ないのが現実だ。
頭では理解しているけれど、心がついて来ない。今からお世話になった人たちに感謝を伝えようとしても何かが違う気がする。
恥ずかしさもあるけれど、それ以上に本気の感謝じゃない感覚がどこかにある。
この物語に対しても感じた客観性が抜けない限り、今の私にとって「死」は遠い存在なのかもしれない。

いつ死ぬか分からない中で生きている間、私は感謝を伝える準備が出来ない。
そんな自分を良くないと思ってしまうけれど、代わりに余命がわかったらお世話になった人たちに感謝を伝えようという覚悟もできた気がする。
ろうそくの火がどれだけ減っているのかわからないし、もしかしたら明日不意に消えるかもしれない。
それでも、もし余命を宣告される日が来るのなら、「おやつ」を通して雫が最後の時を迎えたように、私も「ライオンのおやつ」を通して最後の時を過ごす準備をしたいと思う。

(文字数:799字)

ジューイ
ジューイ

続いて、ジューイの読書感想文をご覧ください。

ジューイの読書感想文

タイトル: 「おやつ」がつなぐ記憶と生

『ライオンのおやつ』を読んで、まず浮かんだのは「おやつ」という存在の多層性だった。
作中で描かれるおやつは、単なる食べ物ではない。それは登場人物それぞれの記憶を呼び起こし、その人の人生を象徴する鍵のように機能している。
香りや味が過去と現在をつなぎ、死に向かう時間の中で“生きてきた証”をそっと浮かび上がらせていた。

雫が最後に選んだおやつは、父との記憶と強く結びついている。
それは彼女の生き方や心の変化を凝縮した象徴であり、人生を受け入れ、感謝とともに旅立とうとする意志の表れだった。

また、「ライオンの家」という舞台そのものも象徴的だ。ライオンは動物の王であり、死に臆せず堂々と生きる存在。
その名を冠した家は、命の最終章を誇りと温かさの中で過ごす場所として描かれているように見える。

この物語は、死を恐怖や悲劇としてだけ描くことを避けている。
むしろ、人が本来持つ「生きる力」を引き出す契機として死を捉えている。
雫や仲間たちが交わす何気ない会話や笑顔は、読む者に「自分は今をどう生きたいのか」という問いを静かに投げかけてくる。
構成面では、「おやつの時間」を軸に物語を進める手法が巧みだと感じた。
毎週訪れるその時間が、読者にとっても小さな呼吸のように感じられ、終盤の雫の選択に向けて緊張と期待を少しずつ高めていく。

読み終えた後に残ったのは、派手な感動ではなく、静かな余韻と、日々の小さな出来事への感謝だった。
それは、ほんのり甘く温かいおやつを食べ終えた後に残る、口の中のやさしい味わいに似ている。
そして、この感覚こそが、作者が描きたかった「生き切る」ということの輪郭なのかもしれない。
読後、無意識に窓の外を眺め、今日の空や風の匂いを確かめたくなった。生きている今その瞬間を味わうことが、何よりも豊かなことだと、改めて思わされた。
そして、その気づきは、日常を少しだけ優しく彩ってくれる小さな灯のように胸に残った。

(文字数:800字)

この本は高校生の読書感想文のテーマとしておすすめしています。

ジューイ
ジューイ

ここからは読書感想文を書く上でのポイントについてみていきましょう。

高校生が『ライオンのおやつ』で読書感想文を書く上でのポイント

『ライオンのおやつ』は、高校生にとっても感想文を書きやすい作品です。

登場人物の感情や行動が明確で、テーマも普遍的。だからこそ、単にあらすじをなぞるだけでは「感想文」ではなく、ただの内容紹介になってしまいます。

大切なのは、自分の視点や経験を重ねること。作品から得た気づきを、自分の言葉で表すこと。

そうすることで、読む人の心に届く文章になります。

以下の3つの視点を意識すると、より深みのある感想文になるはずです。

テーマを「死」だけでなく「生」に広げる

『ライオンのおやつ』は、確かに“死”が避けられないテーマとして描かれています。

しかし、本質は「どう生きるか」という問いです。

雫は死に向き合いながらも、仲間との時間や「おやつの時間」を楽しみ、過去の自分や家族と和解していきます。その姿は、生きることの尊さを教えてくれます。

感想文では「死についてどう感じたか」だけで終わらず、「生きている今、何を大切にしたいか」まで広げること。これが、前向きな印象につながります。

自分の経験や記憶と重ねる

この作品には、誰にでも通じる「思い出」が描かれています。

雫にとっての父とのおやつの記憶のように、自分にも家族や友人との食べ物にまつわる思い出があるはずです。

それを思い返し、作品の場面と重ねてみる。そうすれば、感想文にオリジナリティが生まれます。

「もし自分が雫の立場なら、最後にどんなおやつを選ぶか」。この一文だけでも、自分らしい文章になります。

「おやつ」の意味をどう解釈するか

作中のおやつは、単なる甘い食べ物ではありません。

人生の記憶や人とのつながりを象徴する存在です。

雫が選んだおやつには、彼女が歩んできた道と心情の変化が凝縮されています。

感想文では、おやつを「記憶の扉」や「自分を形作るもの」といった比喩に置き換えてみること。そうすれば、文章に奥行きが生まれます。

まとめ|自分だけの切り口で感想文を書く

『ライオンのおやつ』は、命の最終章を描きながらも、読者に「今をどう生きるか」という問いを投げかける作品。

感想文では、その問いに自分なりの答えを探し、言葉にしていくことが大切です。

あらすじや印象的な場面に触れるだけでなく、「自分ならどう考えるか」「何を選ぶか」という視点を盛り込むこと。テーマの解釈は一つではありません。

死を描く物語だからこそ、そこに込められた生の輝きを見つけ、自分の言葉で表現すること

この感想文を書く過程そのものが、日々の何気ない時間や人とのつながりを見つめ直すきっかけになるはずです。

書き終えたとき、きっと物語の余韻とともに、自分自身への新しい発見が残っているはずです。

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