
「読書感想文に向いている本が分からない」「最後まで読めても、感想を書けるか不安」と悩んでいませんか。
高校生の読書感想文では、読みやすさに加えて、自分なりの意見を持てる作品を選ぶことが重要です。
興味のある題材や身近な悩みと重なる本なら、印象に残った場面から考えを広げやすくなります。
この記事では、高校生におすすめの本20冊を、読書への慣れや関心に合わせて紹介。
それぞれのページ数や難易度、主なテーマ、感想文につながる問いもまとめました。
本の選び方や読後の考えを整理する方法も解説するので、自分に合った一冊を見つけたい人は、ぜひ参考にしてください。

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高校生の読書感想文におすすめの本20選【早見表】
高校生が読書感想文の本を選ぶときは、ページ数だけでなく「最後まで読み切れそうか」「自分の経験や考えと結びつけられそうか」も大切です。
ここでは、短くて読みやすい作品から、社会問題や生き方について深く考えられる作品まで、20冊を比較しました。

読みやすさは、文章の難易度やページ数、物語の構成などをもとに「読みやすい」「標準」「やや難しい」の3段階で示しています。
| 本のタイトル | 著者 | ページ数 | 読みやすさ | 書きやすいテーマ | おすすめする人 |
|---|---|---|---|---|---|
| コンビニ人間 | 村田沙耶香 | 176ページ | 読みやすい | 普通とは何か・働き方・周囲との違い | 短い小説から選びたい人 |
| 西の魔女が死んだ | 梨木香歩 | 226ページ | 読みやすい | 自立・家族・死・成長 | 読書が苦手でも心に残る物語を読みたい人 |
| ぼくは勉強ができない | 山田詠美 | 288ページ | 読みやすい | 学力と人間の価値・学校・自分らしさ | 学校生活への疑問を自分の言葉で書きたい人 |
| NASAより宇宙に近い町工場 | 植松努 | 200ページ | 読みやすい | 夢・挑戦・失敗・諦めない心 | 進路や将来について考えたい人 |
| 夜のピクニック | 恩田陸 | 464ページ | 標準 | 友情・家族・秘密・高校生活 | 自分の高校生活と物語を重ねたい人 |
| 2.43 清陰高校男子バレー部 1 | 壁井ユカコ | 280ページ | 読みやすい | 友情・部活動・挫折・成長 | スポーツや部活動の経験を生かしたい人 |
| そして、バトンは渡された | 瀬尾まいこ | 432ページ | 標準 | 家族・愛情・成長・血のつながり | 家族について感想を書きたい人 |
| ライオンのおやつ | 小川糸 | 約280ページ | 読みやすい | 命・死・人生・支え合い | 感情が動く物語から書きたい人 |
| 手紙 | 東野圭吾 | 432ページ | 標準 | 犯罪と家族・差別・罪の償い | 社会問題について自分の意見を書きたい人 |
| 白ゆき姫殺人事件 | 湊かなえ | 320ページ | 標準 | SNS・噂・報道・先入観 | SNSや情報の受け取り方を考えたい人 |
| 塩狩峠 | 三浦綾子 | 464ページ | やや難しい | 愛・信仰・自己犠牲・生き方 | 命をかけて人を助ける行動について考えたい人 |
| ナミヤ雑貨店の奇蹟 | 東野圭吾 | 416ページ | 標準 | 悩み・人生の選択・他者への思いやり | 読みやすさと感動の両方を求める人 |
| 進化しすぎた脳 | 池谷裕二 | 304ページ | 標準 | 脳・記憶・感情・自由意志 | 科学に興味があり知った驚きを書きたい人 |
| 高校生からのゲーム理論 | 松井彰彦 | 176ページ | やや難しい | 選択・人間関係・社会の仕組み | 小説以外の本で論理的な感想を書きたい人 |
| 博士の愛した数式 | 小川洋子 | 291ページ | 読みやすい | 記憶・家族・数学・人とのつながり | 優しい物語から人間関係を考えたい人 |
| クララとお日さま | カズオ・イシグロ | 496ページ | やや難しい | AI・人間らしさ・愛・家族 | AIと人間の違いについて考察したい人 |
| 暗幕のゲルニカ | 原田マハ | 512ページ | やや難しい | 戦争・芸術・表現の力 | 美術や歴史に興味があり深く考察したい人 |
| クライマーズ・ハイ | 横山秀夫 | 480ページ | やや難しい | 報道・仕事・組織・責任 | 報道する側の葛藤や責任を考えたい人 |
| 月と六ペンス | サマセット・モーム | 384ページ | やや難しい | 芸術・夢・自由・生き方 | 安定と夢のどちらを選ぶか考えたい人 |
| 車輪の下 | ヘルマン・ヘッセ | 304ページ | やや難しい | 受験・教育・周囲の期待・自分らしさ | 勉強や進路へのプレッシャーを感じている人 |
ページ数が少ない本を探しているなら、『コンビニ人間』『高校生からのゲーム理論』『NASAより宇宙に近い町工場』が候補になります。
ただし、ページ数が少なくても、内容が自分の興味から離れていると感想は書きにくくなります。
迷ったときは、表の「書きやすいテーマ」と「おすすめする人」を見ながら、自分の経験や関心に近い本を選んでみてください。
※ページ数は文庫版・新書版など、現在入手しやすい代表的な版を基準にしています。版によってページ数が異なる場合があり。
書誌情報は各出版社の掲載内容を中心に確認しています(新潮社、文藝春秋、集英社、KADOKAWA、講談社、筑摩書房)。
時間がない高校生向け|短くて読みやすい本4選
夏休みの終わりが近づいている場合や、長い小説を読むのが苦手な場合は、文章が読みやすく、テーマをつかみやすい本から選ぶのがおすすめです。
ただし、ページ数が少ないだけでは、読書感想文が書きやすいとは限りません。
短い物語の中にも、自分の経験や考えと結びつけられる問いがあるかどうかが大切です。

ここでは、比較的短い時間で読み進められ、読書感想文のテーマも見つけやすい4冊を紹介します。
『コンビニ人間』村田沙耶香
- ページ数:176ページ
- 読みやすさ:読みやすい
- 主なテーマ:普通とは何か・働き方・周囲との違い
- おすすめする人:短い小説から選びたい人
『コンビニ人間』は、36歳の古倉恵子が主人公の小説。
古倉は大学を卒業したあとも就職せず、同じコンビニで18年間アルバイトを続けています。
周囲から結婚や就職について心配されますが、本人はコンビニ店員として働いているときに、自分が社会の一部になれたと感じていました。
文庫版は176ページと短く、物語の舞台も身近なコンビニです。
難しい言葉が少なく、主人公の視点でテンポよく進むため、普段あまり小説を読まない高校生でも挑戦しやすいでしょう。
読書感想文で注目したいのは、古倉と周囲の人たちが考える「普通」の違いです。
進学すること、就職すること、結婚すること。多くの人が当然だと思っている生き方でも、すべての人にとっての正解とは限りません。
感想文では、次のような問いから考えてみましょう。
- 自分にとって「普通」とは何だろう
- 周囲に合わせることは本当に必要なのか
- 古倉はコンビニで働くことで幸せになれているのか
- 自分も周囲と違うことを隠した経験があるか
高校生も、成績や進路、友人関係などで「周囲と同じでなければいけない」と感じることがあります。
自分がこれまで疑問に思った校則や慣習、周囲から求められている進路などと結びつけると、オリジナルの感想文を書きやすいでしょう。

文章は読みやすい一方で、考えられるテーマは深い作品。
短い本でも、自分の意見をしっかり書きたい高校生に向いています。
>>『コンビニ人間』を読んでみる
『西の魔女が死んだ』梨木香歩
- ページ数:226ページ
- 読みやすさ:読みやすい
- 主なテーマ:自立・家族・死・成長
- おすすめする人:優しく心に残る物語を読みたい人
『西の魔女が死んだ』の主人公は、中学校へ行けなくなった少女まい。
まいは学校を離れ、自然に囲まれた家で暮らす祖母のもとで過ごすことになります。イギリス人の祖母は、まいから「西の魔女」と呼ばれていました。
まいは祖母から魔女になるための修行を教わります。
しかし、その内容は不思議な魔法を使うことではありません。
早寝早起きをする。食事をきちんと取る。自分のことは自分で決める。
自然の中で祖母と生活しながら、まいは少しずつ自分の心を立て直していきます。
文庫版は226ページ。
物語の展開が分かりやすく、祖母とまいの穏やかな生活を中心に進むため、長い小説が苦手な人でも読み進めやすい作品です。
読書感想文では、祖母がまいに教えた「自分で決めること」に注目してみましょう。
高校生活では、進路や人間関係、部活動など、さまざまな場面で選択を求められます。
しかし、自分で決めたつもりでも、実際には家族や先生、友人の期待に合わせていることがあるかもしれません。
まいの変化と自分の経験を重ねることで、自立とは何かを考える感想文にできます。
感想文では、次のような問いが使えます。
- 自分で決めることはなぜ難しいのか
- 学校へ行けなくなったまいに必要だったものは何か
- 祖母の教えの中で自分も実践したいものはあるか
- 大切な人と過ごせる時間をどのように使いたいか
家族との思い出や、自分で何かを決めた経験がある人は、物語と自分を結びつけやすいでしょう。

読み終わったあとの気持ちの変化も書きやすい一冊です。
>>『西の魔女が死んだ』を読んでみる
『ぼくは勉強ができない』山田詠美
- ページ数:288ページ
- 読みやすさ:読みやすい
- 主なテーマ:学力と人間の価値・学校・自分らしさ
- おすすめする人:高校生活への疑問を自分の言葉で書きたい人
『ぼくは勉強ができない』の主人公は、17歳の高校生・時田秀美。
秀美は成績がよい生徒ではありません。
しかし、自分の考えをしっかり持っており、学校の成績だけで人の価値が決まるとは考えていません。
母親と祖父に育てられ、年上の女性と付き合っている秀美は、周囲から見れば少し変わった高校生です。
学校や大人が決めた価値観に疑問を投げかけながら、自分なりの生き方を貫いていきます。
文庫版は288ページですが、複数の短い物語がつながった連作小説。
一つの話が比較的短いため、区切りながら読み進められます。
主人公も高校生なので、学校生活や人間関係を自分の経験と重ねやすいのも特徴です。
読書感想文では、タイトルにもなっている「勉強ができるとはどういうことか」を中心に考えられます。
テストで高い点数を取ることと、人として賢く生きることは同じなのでしょうか。
反対に、勉強ができないことを理由に、努力をしなくてもよいのでしょうか。
秀美の意見にすべて賛成する必要はありません。
「共感できなかった」「少し反発を感じた」という気持ちも、立派な感想文の材料になります。
次のような問いから考えてみましょう。
- 学校の成績だけで人を評価してもよいのか
- 自分が考える「頭のよい人」とはどんな人か
- 秀美の生き方に共感できる部分とできない部分は何か
- 勉強することにはどのような意味があるのか
高校生が普段感じている疑問を、そのまま感想文のテーマにできる作品です。

主人公と自分の考えを比較すると、単なるあらすじ紹介ではない感想文に仕上げられます。
>>『ぼくは勉強ができない』を読んでみる
『NASAより宇宙に近い町工場』植松努
- ページ数:200ページ
- 読みやすさ:読みやすい
- 主なテーマ:夢・挑戦・失敗・諦めない心
- おすすめする人:進路や将来について考えたい人
『NASAより宇宙に近い町工場』は、北海道の町工場でロケット開発に挑戦した植松努さんの実体験をもとにしたノンフィクション。
特別に大きな企業でも、豊富な資金を持つ研究機関でもない町工場が、周囲から難しいと思われていた宇宙開発へ挑みます。
植松さん自身も、子どもの頃から宇宙や飛行機に憧れていました。しかし、周囲から夢を否定されたり、失敗を経験したりします。
それでも好きなことを諦めず、工夫と挑戦を重ねてロケット開発を実現していきました。
本書は200ページで、著者自身の経験を中心に書かれています。
小説のように登場人物や複雑な伏線を覚える必要がなく、伝えたいメッセージも明確です。
読書感想文では、成功した結果だけでなく、夢を否定されたときの向き合い方に注目すると内容が深まるでしょう。
「諦めなければ必ず夢がかなう」とまとめるだけでは、自分の考えが伝わりにくくなります。
これまでに挑戦を諦めた経験や、人から無理だと言われた経験と結びつけてみましょう。
感想文では、次のような問いが使えます。
- 自分は誰かの夢を無意識に否定したことがないか
- 失敗と諦めることにはどのような違いがあるか
- 好きなことを将来の仕事につなげられると思うか
- 今の自分が挑戦してみたいことは何か
小説よりも実話や自己啓発的な内容の方が読みやすい人に向いています。

読後に「これから自分が何をしたいか」まで書けば、感想だけで終わらない、自分自身の成長や行動につながる文章にできます。
>>『NASAより宇宙に近い町工場』を読んでみる
高校生活や人とのつながりを考えやすい小説4選
読書感想文では、登場人物と自分の経験を重ねられる本を選ぶと、感想を具体的に書きやすくなります。

ここでは、学校生活や部活動、友情、家族、命など、高校生が自分の経験や価値観と結びつけやすい4冊を紹介します。
『夜のピクニック』恩田陸
- ページ数:464ページ
- 読みやすさ:標準
- 主なテーマ:友情・家族・秘密・高校生活
- おすすめする人:学校行事や友人関係について書きたい人
『夜のピクニック』は、全校生徒が夜を徹して80キロを歩く高校の伝統行事「歩行祭」を舞台にした青春小説。
主人公の甲田貴子は、歩行祭の間にある人物と話すことを自分だけの目標にしていました。
友人たちと歩きながら交わす会話や、長い時間を共に過ごすなかで変化していく人間関係が丁寧に描かれています。
464ページと長めですが、物語の中心は一昼夜の学校行事です。
場面をイメージしやすく、会話も多いため、ページ数ほど読みにくさは感じないでしょう。
登場人物の気持ちが変化した場面を選び、自分の経験を重ねると、内容の濃い感想文になります。
感想文では、次のような問いから考えを広げられます。
- 自分にも誰かに伝えられずにいることはあるか
- 長い時間を一緒に過ごすことで、人間関係はどう変わるか
- 学校行事だからこそ得られる経験とは何か
- 友人に支えられたと感じたのはどのようなときか
遠足や文化祭、体育祭など、自分が経験した学校行事と比較できる点が、この本の書きやすさにつながります。

青春小説らしい物語を読みながら、自分の高校生活を振り返りたい人におすすめです。
>>『夜のピクニック』を読んでみる
『2.43 清陰高校男子バレー部 1』壁井ユカコ
- ページ数:280ページ
- 読みやすさ:読みやすい
- 主なテーマ:部活動・友情・挫折・信頼・成長
- おすすめする人:部活動やチームでの経験について書きたい人
東京の強豪中学で問題を起こし、福井へ戻ってきた灰島公誓。
幼なじみの黒羽祐仁と再会した灰島は、地元の弱小バレーボール部で再び競技に向き合います。
優れた技術とバレーへの強い情熱を持つ一方、周囲に厳しい言葉をぶつけてしまう灰島。
高い身体能力がありながら、プレッシャーに弱い黒羽。
対照的な二人が衝突しながら、選手としても友人としても成長していく物語です。
バレーボールの試合だけではなく、選手同士のすれ違いや信頼関係が中心に描かれています。
そのため、競技経験がなくても人間関係の物語として楽しめるでしょう。
感想文では、次のような問いが使えます。
- 個人の能力とチームワークでは、どちらが大切だと思うか
- 相手のためを思った厳しい言葉は、本当に相手のためになるのか
- 一度失った信頼を取り戻すには何が必要か
- 自分は集団のなかでどのような役割を果たしているか
運動部に所属している人はもちろん、文化部や委員会、アルバイトなど、誰かと協力して目標を追った経験がある人にも書きやすい一冊です。

自分の部活動経験と登場人物の悩みを比較すると、あらすじだけではない、自分らしい読書感想文に仕上げられます。
>>『2.43 清陰高校男子バレー部 1』を読んでみる
『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ
- ページ数:432ページ
- 読みやすさ:標準
- 主なテーマ:家族・親子・愛情・成長
- おすすめする人:家族や身近な人との関係について考えたい人
主人公の森宮優子は、さまざまな事情から何度も親が変わり、姓も繰り返し変わってきた高校生。
現在は、血のつながっていない父親の森宮さんと二人で暮らしています。
複雑な家庭環境を扱っていますが、物語の雰囲気は温かく、重苦しさだけが残る作品ではありません。
血のつながりだけでは説明できない、家族から受け取った愛情が少しずつ明らかになっていきます。
432ページとやや長めですが、会話が多く、日常生活の場面を中心に進むため読みやすい作品。2019年の本屋大賞を受賞しています。
家庭環境が優子と同じでなくても、「自分を支えてくれた人」「言葉にされなくても感じた愛情」について振り返れば、自分の経験と結びつけられます。
感想文では、次のような問いを考えてみましょう。
- 家族を家族にするものは何か
- 血のつながりがなくても親子になれるか
- 自分は家族からどのような愛情を受け取ってきたか
- 受け取ったものを、将来誰かにどう渡したいか

タイトルにある「バトン」が何を意味しているのかを考え、自分の言葉で説明するのもおすすめです。
>>『そして、バトンは渡された』を読んでみる
『ライオンのおやつ』小川糸
- ページ数:279ページ
- 読みやすさ:読みやすい
- 主なテーマ:命・死・食べ物・思い出・人とのつながり
- おすすめする人:命や大切な人との時間について考えたい人
余命を告げられた主人公の雫は、瀬戸内の島にあるホスピス「ライオンの家」で残された時間を過ごすことにします。
ライオンの家では、毎週日曜日に入居者が希望した思い出のおやつが提供されます。
それぞれのおやつに込められた記憶に触れながら、雫は自分の人生や周囲の人との関係を見つめ直していきます。
死を題材にした作品ですが、穏やかな文章で書かれており、物語も追いやすい一冊です。
279ページなので比較的短く、普段あまり本を読まない高校生でも挑戦しやすいでしょう。
自分と同じ経験をしていなくても、「思い出の食べ物」や「大切な人と過ごした時間」から感想を広げられます。
感想文では、次のような問いが役立ちます。
- 自分が最後に食べたいおやつは何か。その理由は何か
- 限られた時間を大切に生きるとは、どのようなことか
- 食べ物が過去の記憶を呼び起こすのはなぜか
- 大切な人に今のうちに伝えておきたいことはあるか
身近な具体例から、命や生き方という大きなテーマにつなげやすい作品です。

「命の大切さ」だけで終わらせず、自分がこれから時間や人間関係をどう大切にしたいかまで書くと、深みのある読書感想文になります。
>>『ライオンのおやつ』を読んでみる

家族や社会をテーマに書きやすい本4選
家族の絆や社会の偏見、インターネット上の情報、命の価値などを扱った作品は、自分の意見を中心に読書感想文を書けます。

「自分ならどう考えるか」「今の社会にも同じ問題があるか」という視点で読むと、あらすじの説明だけではない、深みのある感想文に仕上げられるでしょう。
『手紙』東野圭吾
- ページ数:432ページ
- 読みやすさ:標準
- 主なテーマ:家族・犯罪・差別・罪と償い
- おすすめする人:犯罪加害者の家族や社会の偏見について考えたい人
弟の大学進学に必要なお金を手に入れようとして、強盗殺人を犯してしまった兄の剛志。
服役中の剛志から、弟の直貴へ毎月手紙が届きます。
しかし、直貴が進学や就職、恋愛などで新しい生活を始めようとするたびに、「犯罪者の弟」という事実が立ちはだかります。
直貴自身は罪を犯していないにもかかわらず、周囲から距離を置かれ、人生の選択を制限されていくのです。
432ページありますが、直貴が次々と困難に直面するため、続きが気になりやすい構成。
犯罪加害者本人ではなく、その家族が受ける影響を描いている点も、この作品の大きな特徴です。
読書感想文では、直貴に同情するだけでなく、被害者や周囲の人の立場からも考えることが重要です。
感想文では、次のような問いから考えを広げられます。
- 罪を犯した人の家族まで責任を負うべきなのか
- 周囲が直貴を避けることは差別なのか、それとも自然な感情なのか
- 一度犯した罪は、どのようにすれば償えるのか
- 家族とのつながりは、自分の意思だけで断ち切れるものなのか
簡単に正解を出せない問題だからこそ、自分の意見を詳しく書けます。

「差別はよくない」と結論づけるだけでなく、なぜ差別が生まれるのかまで考えると、説得力のある感想文になります。
>>『手紙』を読んでみる
『白ゆき姫殺人事件』湊かなえ
- ページ数:320ページ
- 読みやすさ:読みやすい
- 主なテーマ:うわさ・偏見・SNS・メディア報道
- おすすめする人:SNSや情報の受け取り方について書きたい人
化粧品会社に勤める美人社員が殺害され、同僚の女性に疑いの目が向けられます。
事件について語る同僚や友人、家族の証言が集められていきますが、同じ人物について話しているはずなのに、その内容は少しずつ異なります。
さらに、インターネットや週刊誌で無責任な情報が広がり、疑われた女性の人物像が勝手につくられていきます。
証言やインターネット上の書き込みを追いながら真相に近づく構成なので、ミステリーとして楽しみながら読み進められます。文庫版は320ページ。
SNSで目にした情報を共有したり、短い動画や投稿だけで誰かを判断したりした経験があれば、自分の生活と結びつけて書けるでしょう。
感想文では、次のような問いが役立ちます。
- 人によって同じ人物への評価が異なるのはなぜか
- SNSで多くの人が発信している情報は、事実といえるのか
- 確認できていない情報を広めることに責任はあるか
- 自分は人をうわさや第一印象だけで判断していないか

作品内の情報がどのように変化し、広がっていったのかを整理すると、現代のSNS社会に対する自分の意見へつなげられます。
>>『白ゆき姫殺人事件』を読んでみる

『塩狩峠』三浦綾子
- ページ数:464ページ
- 読みやすさ:やや難しい
- 主なテーマ:命・信仰・自己犠牲・他者への愛
- おすすめする人:命の価値や人のために行動することについて考えたい人
『塩狩峠』は、明治時代に北海道で起きた列車事故をもとにした小説。
主人公の永野信夫が成長し、さまざまな人と出会いながら、信仰や他者への愛について考えていく生涯が描かれています。
物語の終盤、信夫が乗った列車の客車が塩狩峠で切り離され、坂道を逆走し始めます。
多くの乗客が危険にさらされるなか、信夫は重大な決断を迫られます。
文庫版は464ページあり、時代背景やキリスト教に関する描写もあるため、ほかの3冊より読むのに時間がかかります。
一方で、「人はほかの人のためにどこまで行動できるのか」という中心テーマが明確で、読後に強い印象が残る作品です。
読書感想文では、信夫の行動を無条件に称賛するだけでなく、自分にも同じ選択ができるか、本当に自己犠牲が最善だったのかを考えてみましょう。
感想文の切り口として、次のような問いがあります。
- 自分の命と他人の命を比べることはできるか
- 人のために行動する勇気は、どのように生まれるのか
- 自己犠牲と他者への愛には、どのような違いがあるか
- 信仰を持つことは、人の生き方にどのような影響を与えるか

実際の事件がもとになっていることにも触れると、物語と現実社会の両方を考察した感想文になります。
>>『塩狩峠』を読んでみる
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾
- ページ数:416ページ
- 読みやすさ:読みやすい
- 主なテーマ:悩み・人生の選択・家族・人とのつながり
- おすすめする人:人を支えることや人生の選択について書きたい人
悪事を働いた3人の青年が逃げ込んだのは、かつて悩み相談を受け付けていた「ナミヤ雑貨店」という廃屋でした。
誰もいないはずの店内に、突然一通の相談の手紙が届きます。
それが過去から届いた手紙だと気づいた青年たちは、戸惑いながらも相談への返事を書くことになります。
相談者は、夢と家族のどちらを選ぶか、愛する人のために何ができるかなど、それぞれ異なる悩みを抱えています。
初めは軽い気持ちで返事を書いていた青年たちも、相談者の人生と真剣に向き合うようになります。
文庫版は416ページですが、複数の相談者の物語が少しずつつながっていくため、長さを感じにくい作品です。
高校生にとっても、進路や家族、夢など、登場人物の悩みを身近な問題として考えられます。
感想文では、次のような問いから考えられます。
- 悩んでいる人に助言するとき、何を大切にするべきか
- 正しい答えがない相談には、どう向き合えばよいか
- 誰かに必要とされることで、人は変われるのか
- 過去の選択を後悔したとき、どのように受け止めればよいか
自分なら相談にどのような返事を書くかを考えると、オリジナリティのある感想文になるでしょう。

複数の相談から特に印象に残ったものを一つ選び、自分の経験や進路への考えと結びつけると、内容をまとめやすくなります。
>>『ナミヤ雑貨店の奇蹟』を読んでみる
科学や人間について考察しやすい本4選
科学をテーマにした本は、内容を理解するだけでなく、「人間とは何か」「科学技術をどう使うべきか」という自分の考えを加えることで、読書感想文としてまとめやすくなります。

ここでは、脳科学やゲーム理論、数学、AIを入り口に、人間の記憶や選択、愛情について考えられる4冊を紹介します。
『進化しすぎた脳』池谷裕二
- ページ数:304ページ
- 読みやすさ:標準
- 主なテーマ:脳・記憶・意識・人間の可能性
- おすすめする人:脳の仕組みや自分の心について考えたい人
『進化しすぎた脳』は、脳研究者の池谷裕二さんが、高校生との対話を交えながら脳科学を解説した本。
私たちが見たり聞いたりしている世界は本当に現実そのものなのか、記憶はどのようにつくられるのか、脳と心にはどのような関係があるのかなど、身近でありながら答えるのが難しい疑問を取り上げています。
専門的な内容も含まれていますが、高校生から出た質問に答える講義形式で進むため、脳科学の予備知識がなくても読み進められます。
現在のブルーバックス版は304ページ。
読書感想文では、本に書かれた知識を並べるだけでなく、「自分が当然だと思っていた心や記憶への考えがどう変わったか」を中心に書くとよいでしょう。
感想文では、次のような問いから考察できます。
- 自分が見ている世界は、脳がつくり出したものなのか
- 記憶が変化するなら、自分らしさは何によって決まるのか
- 脳の能力には、まだ使われていない可能性があるのか
- 心は脳の働きだけで説明できるのか

特に驚いた実験や脳の性質を一つ選び、日常生活での経験と結びつけると、内容をまとめやすくなります。
>>『進化しすぎた脳』を読んでみる
『高校生からのゲーム理論』松井彰彦
- ページ数:176ページ
- 読みやすさ:標準
- 主なテーマ:選択・協力・競争・人間関係
- おすすめする人:人の行動や社会の仕組みを論理的に考えたい人
ゲーム理論とは、自分の選択だけで結果が決まるのではなく、相手の行動によって結果が変わる状況を分析する考え方。
この本では、恋愛やいじめ、環境問題、歴史、市場など、幅広い題材を使ってゲーム理論の考え方を説明しています。
数学の難しい計算よりも、人と人との関係や社会の問題に重点が置かれています。
176ページと短く、今回の4冊のなかでは最も読み終えやすい本です。
ただし、抽象的な説明もあるため、具体例を自分の言葉で整理しながら読むと理解しやすくなります。
学校生活にも、ゲーム理論で考えられる場面があります。
例えば、クラス全員で協力すればよい結果になると分かっていても、一人ひとりが自分の負担を避けようとすると、全体がうまくいかない場合があります。
感想文では、次のような問いを使えます。
- 自分にとって合理的な選択が、全体にとってもよい結果になるとは限らないのはなぜか
- 競争と協力のどちらを選ぶべきか
- 相手を信頼することには、どのような意味があるか
- いじめや環境問題をゲーム理論で考えると、どのような解決策が見えるか

部活動やグループ活動、友人関係などの経験を一つ取り上げ、ゲーム理論の考え方を当てはめると、独自性のある感想文になります。
>>『高校生からのゲーム理論』を読んでみる
『博士の愛した数式』小川洋子
- ページ数:304ページ
- 読みやすさ:読みやすい
- 主なテーマ:数学・記憶・家族・人とのつながり
- おすすめする人:数学が持つ美しさや人間関係について書きたい人
主人公の「私」は、家政婦として一人の数学博士の家で働くことになります。
博士は事故の影響により、新しい記憶を80分しか保つことができません。
博士にとって、家政婦は毎日初めて会う人。
それでも博士は、家政婦やその息子の「ルート」に数字の魅力を伝え、少しずつ温かな関係を築いていきます。
数学を題材にしていますが、難しい問題を解くことが中心の小説ではありません。
数字や数式が、言葉の代わりに登場人物を結びつけていきます。
数学が苦手な人でも、人間関係の物語として楽しめるでしょう。文庫版は304ページ。
感想文では、博士が教える数式の意味を詳しく説明するより、数学によって登場人物の関係がどう変化したかに注目すると書きやすくなります。
次のような問いから考えてみましょう。
- 記憶が残らなくても、人とのつながりは築けるのか
- 人を大切に思う気持ちには、記憶が必要なのか
- 数字や数式が美しいとは、どのようなことか
- 博士と家政婦親子は、なぜ家族のような関係になれたのか

苦手だと思っていた教科を、誰かとの出会いによって好きになった経験があれば、博士とルートの関係に重ねて書くこともできます。
>>『博士の愛した数式』を読んでみる
『クララとお日さま』カズオ・イシグロ
- ページ数:496ページ
- 読みやすさ:やや難しい
- 主なテーマ:AI・愛情・人間らしさ・格差
- おすすめする人:AIと人間が共存する未来について考えたい人
クララは、子どもの友達になるためにつくられた「AF」と呼ばれる人工知能搭載のロボット。
店のショーウインドーから外の世界を観察していたクララは、病気を抱える少女ジョジーに選ばれ、彼女の家で暮らし始めます。
クララは、人間の表情や行動を注意深く観察しながら、友情や愛情、孤独について学んでいきます。
一方、物語の社会では、子どもの能力を高める技術が普及し、その技術を受けるかどうかによって格差も生まれています。
文庫版は496ページと長く、世界の仕組みがすべて説明されるわけではありません。
クララの限られた視点から人間社会を読み取る必要があるため、今回の4冊では最も考察の難度が高い作品です。
その一方で、AIが急速に身近になっている現在の社会と結びつけやすく、読書感想文のテーマを豊富に見つけられます。
感想文では、次のような問いから考察できます。
- AIは人間を本当に理解できるようになるのか
- 人間と同じように振る舞うAIに、心があるといえるか
- AIが誰かを愛することは可能なのか
- 技術によって人の能力を高めることは公平なのか
- 人間の代わりをAIが務められるとしたら、人間らしさとは何か

クララと人間の違いを探すだけでなく、クララのほうが人間らしく見えた場面にも注目すると、作品の中心的な問いを深く考察できます。
>>『クララとお日さま』を読んでみる
読書好きの高校生におすすめの挑戦作品4選
読書に慣れている高校生には、長編小説や海外の古典作品にも挑戦してみることをおすすめします。
ページ数が多かったり、歴史的な背景知識が必要だったりしますが、その分だけ考察できるテーマも豊富。

作品全体をまとめようとせず、特に印象に残った人物や出来事に絞ると、読書感想文を書きやすくなります。
『暗幕のゲルニカ』原田マハ
- ページ数:512ページ
- 読みやすさ:やや難しい
- 主なテーマ:芸術・戦争・テロ・表現の力
- おすすめする人:美術や世界史、平和について考えたい人
1937年、スペインの町ゲルニカが空爆されます。
その惨状を知った画家のパブロ・ピカソは、後に反戦の象徴となる大作「ゲルニカ」の制作に取りかかります。
一方、2003年のニューヨークでは、国連本部に飾られていた「ゲルニカ」のタペストリーが姿を消。
MoMAのキュレーターである八神瑤子は、その謎を追うなかで、名画をめぐる大きな陰謀に巻き込まれていきます。
ピカソの恋人で写真家のドラ・マールが生きる過去と、瑤子が生きる現代が交互に描かれるアートサスペンス。
文庫版は512ページあり、スペイン内戦や第二次世界大戦、アメリカ同時多発テロ、イラク戦争などの歴史的背景も登場します。
読む前に「ゲルニカ」の絵を見て、描かれている人物や動物からどのような印象を受けたかを記録しておくのがおすすめ。
読後にもう一度見ると、作品に対する感じ方の変化を感想文に書けます。
感想文では、次のような問いから考察できます。
- 一枚の絵に戦争を止める力はあるのか
- 権力を持つ側が芸術作品を恐れるのはなぜか
- 芸術家には社会問題について発信する責任があるか
- 戦争の記憶を後世へ伝えるには何が必要か

小説の感想に加えて、実際の「ゲルニカ」から受けた印象を書くと、芸術と歴史の両方を扱った感想文になります。
>>『暗幕のゲルニカ』を読んでみる
『クライマーズ・ハイ』横山秀夫
- ページ数:480ページ
- 読みやすさ:やや難しい
- 主なテーマ:報道・組織・仕事・親子関係
- おすすめする人:新聞や報道の役割について考えたい人
1985年、日航ジャンボ機が御巣鷹山に墜落したとの知らせが、地元紙の北関東新聞社に届きます。
記者の悠木和雅は、事故報道のすべてを取り仕切る全権デスクに任命されます。
限られた時間と情報のなかで、どの記事を一面に載せるのか、確認できていない情報を報じてよいのかなど、次々と難しい判断を迫られます。
事故を追う報道小説であると同時に、新聞社内の対立や派閥、上司と部下の関係、悠木自身の親子問題も描いた作品です。文庫版は480ページ。
登場人物や新聞社の専門用語が多いため、最初は読むのに時間がかかるかもしれません。
ただし、事故発生後の一週間を中心に物語が進むため、状況を理解すると緊張感を持って読み進められます。
感想文では、次のような問いが役立ちます。
- 報道では速さと正確さのどちらを優先すべきか
- 社会が知りたい情報と、遺族が知られたくない情報をどう両立させるか
- 組織の方針と自分の信念が対立したら、どちらに従うべきか
- 仕事に全力を注ぐことと、家族を大切にすることは両立できるか

現在のニュースやSNSによる情報発信と比較しながら、報道する側の責任について自分の意見を書くのもおすすめです。
>>『クライマーズ・ハイ』を読んでみる
『月と六ペンス』サマセット・モーム
- ページ数:384ページ
- 読みやすさ:やや難しい
- 主なテーマ:芸術・才能・自由・家族への責任
- おすすめする人:夢を追うことの意味について深く考えたい人
ロンドンで証券会社に勤めるストリックランドは、妻や子どもと不自由のない生活を送っていました。
しかし、40歳を過ぎたある日、家族も仕事も捨てて突然パリへ向かいます。
彼がすべてを捨てた理由は、画家になるためでした。
貧困や病気に苦しみながらも、ストリックランドは周囲の評価に関係なく、自分が描きたい絵だけを追い求めます。
主人公は画家のポール・ゴーギャンを参考にしてつくられていますが、伝記ではなくフィクションです。金原瑞人訳の新潮文庫版は384ページ。
夢を追う主人公というと前向きな物語を想像しますが、ストリックランドは家族や自分を助けた人々を傷つけても、ほとんど後悔しません。
そのため、読者は彼の情熱に驚かされる一方で、その生き方を素直に称賛できないでしょう。
感想文では、次のような問いから考えられます。
- 夢のためなら家族や仕事を捨ててもよいのか
- 優れた才能があれば、他人を傷つけることも許されるのか
- 社会的な成功と自分らしい人生では、どちらが大切か
- 芸術を生み出すことと、善良な人間であることは両立するか

ストリックランドの生き方を「理解できる部分」と「受け入れられない部分」に分けて整理すると、自分の価値観が伝わる感想文になります。
>>『月と六ペンス』を読んでみる
『車輪の下』ヘルマン・ヘッセ
- ページ数:304ページ
- 読みやすさ:やや難しい
- 主なテーマ:教育・競争・期待・自分らしい生き方
- おすすめする人:勉強や進路へのプレッシャーについて書きたい人
ドイツの小さな町に暮らす少年ハンスは、父親や教師、町の人々の期待に応えようと勉強を続け、難関である神学校の入学試験に合格します。
優秀な生徒として将来を期待されるハンスですが、厳しい規則と競争に囲まれた学校生活のなかで、次第に心身の調子を崩してしまう。
学校を離れた後も、自分がどのように生きたいのかを見つけられずに苦しみます。
作品が発表された時代や国は現代の日本と異なりますが、成績や進路への不安、周囲の期待に応えようとする苦しさは、現在の高校生にも通じる問題です。新潮文庫版は304ページ。
翻訳作品らしい表現や自然描写が多いため、物語の展開だけを追うと読みにくく感じるかもしれません。
ハンスの気持ちが変化する場面に線を引きながら読むと、感想を整理しやすくなります。
感想文では、次のような問いを考えてみましょう。
- よい成績を取り、よい学校に入ることが幸福につながるのか
- 子どもの将来を期待することと、追い詰めることの違いは何か
- 教育は社会が求める人を育てるためのものなのか
- 周囲の期待と自分の希望が違うとき、どちらを選ぶべきか
- ハンスを支えるために、大人たちは何ができたのか

ハンスの苦しみを現代の受験競争や進路選択と比較すると、古典作品を現在の問題として捉えた感想文にできます。
>>『車輪の下』を読んでみる
高校生が読書感想文を書きやすい本の選び方
読書感想文の本は、有名さや評価の高さだけで選ぶ必要はありません。
大切なのは、期限までに読み切ることができ、自分なりの感想や意見を持てるかどうかです。

ここでは、高校生が読書感想文を書きやすい本を選ぶための3つのポイントを紹介します。
無理なく読み切れる長さの本を選ぶ
まずは、読書感想文の提出期限までに読み切れる長さかどうかを確認しましょう。
普段あまり本を読まない人や提出まで時間がない人には、200~300ページ程度の本がおすすめです。
読書に慣れている人なら、300~400ページ程度の作品も選択肢に入ります。
400ページを超える本は、余裕を持って読み始められる場合に選びましょう。
ただし、ページ数が少なければ必ず読みやすいとは限りません。
古い表現や専門用語が多い作品は、短くても理解するのに時間がかかります。
一方、ページ数が多くても、会話や短い章が多い小説は比較的早く読み進められます。
本を選ぶときは、書店や電子書籍の試し読みを利用して、最初の10ページほどを読んでみましょう。
次の点を確認すると、自分に合った本か判断できます。
- 文章の意味を無理なく理解できるか
- 登場人物や状況をイメージできるか
- 続きを読みたいと思えるか
- 1日に読めるページ数で期限までに読み終えられるか

例えば、300ページの本を10日間で読むなら、1日30ページが目安。
感想文を書く時間も必要なので、提出日の2~3日前までに読み終えられる計画を立てましょう。
自分の経験と結びつくテーマから選ぶ
読書感想文を書きやすいのは、登場人物の経験や作品のテーマを、自分の生活と結びつけられる本です。
高校生なら、学校行事や部活動、友人関係、家族、勉強、進路などを扱った本は、自分の経験を思い出しながら読めます。
例えば、学校行事を扱った『夜のピクニック』なら、自分が経験した遠足や文化祭について書けます。
『2.43 清陰高校男子バレー部』なら、部活動やグループで目標を追った経験と比較できるでしょう。
作品とまったく同じ経験をしている必要はありません。
登場人物の置かれた状況が違っても、次のような共通点があれば感想を広げられます。
- 誰かと意見が合わず、悩んだ経験
- 失敗や挫折から立ち直ろうとした経験
- 周囲の期待に応えようとした経験
- 家族や友人に支えられた経験
- 進路や将来について迷った経験

「自分にも似た経験があった」「自分なら違う行動を取ると思った」と書ける本を選ぶと、あらすじの説明だけではない、自分らしい読書感想文になります。
読み終わったあとに問いが残る本を選ぶ
読書感想文では、本を読んで何を考えたのかを自分の言葉で説明する必要があります。
そのため、簡単に答えを出せない問いが残る本を選ぶのがおすすめです。
例えば、『手紙』を読めば「罪を犯した人の家族も責任を負うべきなのか」という問いが生まれます。
『クララとお日さま』からは「AIに心や愛情はあるのか」、『月と六ペンス』からは「夢のためなら家族を捨ててもよいのか」と考えられます。
このように、複数の立場から考えられる本には、読書感想文の材料が豊富にあります。
本を選ぶときは、紹介文やあらすじを読んで、次のことを確認してみましょう。
- 登場人物の選択について自分の意見を持てそうか
- 賛成と反対の両方から考えられるテーマがあるか
- 読む前と読んだ後で、自分の考えが変わりそうか
- 作品から考えたい問いを3つ挙げられるか

問いに明確な正解がなくても問題ありません。
「最初はこう考えていたが、登場人物の行動を見て考えが変わった」という変化そのものが、読書感想文の中心になります。
高校生の読書感想文に関するよくある質問
高校生が読書感想文に取り組むときに疑問を感じやすい、本の長さやジャンル、途中変更、課題図書について回答します。

学校によって本の指定や提出条件が異なるため、最終的には先生から配られた案内も確認してください。
短い本を選んでも大丈夫?
短い本を選んでも問題ありません。
読書感想文では、読んだページ数よりも、本から何を感じ、どのように考えたかが大切。
200ページ以下の本でも、印象に残った場面を自分の経験と結びつければ、内容のある感想文を書けます。
短編集に収録された一つの作品を取り上げる方法もあります。
ただし、短い本は登場人物や出来事が少なく、感想文の材料を見つけにくい場合があります。選ぶ前に次の点を確認しましょう。
- 心が動く場面があるか
- 自分の経験と結びつけられるか
- 作品について考えたい問いを挙げられるか
- 指定された文字数まで考えを広げられそうか

短さだけを理由に選ばず、自分が意見を持てるテーマかどうかも確認することが大切です。
小説以外の本でも読書感想文は書ける?
小説以外の本でも読書感想文は書けます。
伝記やエッセイ、科学、歴史、社会問題を扱った新書なども選択肢になります。
青少年読書感想文全国コンクールの自由読書でも、フィクションとノンフィクションのどちらも対象です(青少年読書感想文全国コンクールの応募要項)。
小説以外の本では、内容の要約や知識の紹介だけにならないよう注意しましょう。
特に驚いた事実を一つ選び、次の順番で考えると感想文としてまとめられます。
- 本を読む前はどう考えていたか
- どの事実や説明に驚いたか
- なぜ考えが変わったのか
- 得た知識を今後どう生かしたいか

例えば、『進化しすぎた脳』なら記憶や意識について、『高校生からのゲーム理論』なら協力と競争について、自分の経験を交えながら考察できます。
読み始めた本を途中で変更してもいい?
本が自分に合わないと感じた場合は、途中で変更しても問題ありません。
無理に読み続けて内容を理解できないままにするより、興味を持って最後まで読める本へ変更したほうが、感想文を書きやすくなります。
次のような場合は、変更を検討してみましょう。
- 文章や専門用語が難しく、内容を理解できない
- 数章読んでも続きに興味を持てない
- 自分の経験や意見と結びつくテーマが見つからない
- 提出期限までに読み終えるのが難しい
ただし、提出直前の変更は、読書と執筆の両方が間に合わなくなる可能性があります。
変更する場合は、新しい本を少し試し読みし、期限までに読み切れるか計算してから決めましょう。

学校へ読む本を事前に届け出ている場合は、変更する前に先生へ確認してください。
課題図書以外の本を選んでもいい?
学校から「課題図書のなかから選ぶこと」と指定されていなければ、課題図書以外の本を選べる場合があります。
青少年読書感想文全国コンクールには、指定された本を読む「課題読書」と、自分で選んだ本を読む「自由読書」の2区分。
自由読書では、フィクション・ノンフィクションを問わず選択できます。
ただし、同コンクールでは、教科書や副読本、雑誌、パンフレット、日本語以外で書かれた本など、自由読書の対象にならないものも定められています。
また、地方審査や学校独自の条件が追加される場合もあります。
本を決める前に、次の順番で確認すると安心です。
- 学校から配られた提出要項を読む
- 課題図書限定か、自由に選べるかを確認する
- コンクールへ応募する場合は対象図書の規定を確認する
- 判断できない場合は先生に質問する

自由に選べる場合は、有名な課題図書にこだわる必要はありません。
自分が興味を持ち、意見を書きやすい本を選びましょう。
まとめ|高校生の読書感想文は自分の言葉で書ける本を選ぼう
高校生の読書感想文では、難しい本や有名な作品を選ぶことより、自分の経験や考えを言葉にできる本を選ぶことが大切です。
本選びに迷ったときは、次の3点を確認しましょう。
- 提出期限までに無理なく読み切れるか
- 自分の経験と結びつくテーマがあるか
- 読後に考えたい問いが残るか
本を読み始めたら、心が動いた場面に付箋を貼り、そのとき感じたことと理由をメモしておきます。
「自分ならどうするか」「読む前と読んだ後で考えがどう変わったか」を掘り下げれば、あらすじだけではない読書感想文を書けます。
今回紹介した20冊には、短くて読みやすい作品から、家族や社会、科学、芸術について深く考えられる作品まであります。
まずは興味を持った一冊を試し読みし、自分にも読み続けられそうか確認してみてください。
正解のような感想を書く必要はありません。
登場人物に共感できなかった気持ちや、納得できなかった場面も、理由を掘り下げれば立派な感想になります。

自分の経験と考えを、自分の言葉で伝えられる一冊を選んでみてくださいね。


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