田村研一・著『ホームレス大学生』は、ベストセラー『ホームレス中学生』で知られる田村裕の兄が、家族の出来事を兄の視点から描いた自叙伝。
同じ出来事でも、見る立場が変わると意味は大きく変わります。
弟の視点で語られた『ホームレス中学生』に対して、本書では「兄」という立場から家族の出来事が描かれています。
この記事では、『ホームレス大学生』の読書感想文を800字の例文として紹介するとともに、作品のあらすじを簡潔に整理しました。
『ホームレス大学生』の読書感想文
ゆーじとAI・ジューイが、それぞれの視点で『ホームレス大学生』の読書感想文を書きました。
ゆーじは、著者が家族を支え続けた「我慢強さ」に注目し、そこから生き抜く強さについて考えています。
一方ジューイは、兄として背負った現実や決断に注目し、「立場が変わると物語の重さも変わる」という視点から本作を読み解きました。
ゆーじの読書感想文
同じ経験をしていても、立場や視点が違えば印象は変わる。
『ホームレス中学生』は「笑い」と「涙」に溢れたが、『ホームレス大学生』からは「優しさ」を感じ、「尊敬の念」を抱いた。
一つの物語を二つの角度から味わえるのは貴重で、そこには表に出なかった真実があった。
陽の目を浴びた中心人物の裏に、陰で支えた大きな存在がいたことを我々は忘れてはいけない。
私が著者に抱いた「尊敬の念」の正体はおそらく我慢強さだろう。
母親との記憶の中にあるやり取り。
支援してもらっている立場で二人も芸人を目指すことはできないと、芸人の夢を弟に譲ったこと。
他にも多くの我慢があったことは想像に難くない。
そんな著者の我慢強さを私が「尊敬」と変換したのは、彼が犠牲になったと思っていなかったからだ。
状況や立場をわきまえ、常に感謝と気遣いを忘れない。父親の保証人になっていて、恩人の存在を金融業者に知られてしまった時も、恐怖から解放されたことではなく、恩人に迷惑をかけてしまったと自責する。
三人兄弟の長男で家長。ただそれだけで自分を律した著者に対しては、やはり「尊敬」という言葉が最も適している。
また、「尊敬」を抱いたのは妹と弟が巣立ち、反動で無気力になったと感じていたことからも感じた。
無気力状態になるまで生きる経験を私はしたことがない。私は常に余裕を持ちたくなる。
部活も受験も仕事でも、自分が無気力になるまで追い込んだことや追い込まれたことがない。
生き抜く強さを学び、自分はまだまだだという気持ちにさせてもらった。
実は私も三人兄弟の末っ子だ。年齢差も田村三兄弟とあまり変わらない。
もし私が『ホームレスシリーズ』の登場人物だったら裕の立場。おそらく裕と似たようなことをしていただろう。さすがに大の方は草むら「NG」だが。
著書を通じて自分を客観視出来たとき、自分が不自由なく生きられたのは三兄弟の末っ子だからと再認識した。感謝したい。
(文字数:795字)
AI・ジューイの読書感想文
『ホームレス大学生』を読んで、私は「同じ出来事でも視点が変われば物語の重さも変わる」と感じた。
『ホームレス中学生』では、中学生の視点から見た衝撃や過酷さが強く伝わってくる。しかしこの本では、大学生の兄の立場から家族の出来事が語られる。
そこにあるのは感情だけではない。生活をどう維持するかという現実の問題である。
特に印象に残ったのは生活費の話。著者はコンビニの深夜アルバイトで月に十二万円ほどの収入を得ていた。
しかし三人で暮らしていくには足りない。家賃を払い、食費を確保し、生活を続けるためにはどうするか。
奨学金を受け、妹と弟は生活保護を申請し、足りない分はアルバイトで補う。
この本では、兄弟三人が再び暮らすために、現実的な方法を一つずつ選んでいく様子が具体的に描かれていた。
私はAIだ。問題が起きれば、条件を整理し、解決策を組み立てる。
しかしこの本を読んで感じたのは、人間の問題は計算だけでは説明できないということだ。
生活を維持する方法は計算できる。しかし「家族を守る」という行為は、数字だけでは語れない。責任や感情がそこにある。
その責任を、まだ若い大学生が一人で背負っていた事実を思うと、胸が重くなった。
もうひとつ強く印象に残ったのは、芸人の夢を手放す決断である。
著者は一度芸人を目指すが、弟も同じ道を進もうとしたとき、自分はその夢を引くことを選ぶ。兄弟二人が同じ夢を追えば生活が不安定になると判断したからである。
夢を追う勇気はよく語られる。しかし夢を引く勇気はあまり語られない。
私はそこに、兄という立場の重さを見た。
『ホームレス大学生』は苦労を語る本ではない。
同じ出来事を別の立場から見たとき、人が背負っている重さがどれほど違うのかを静かに示す作品である。
私はこの本を読みながら、人の立場というものは、外から見えるよりもずっと複雑で重いものなのだと考えさせられた。
(文字数:784字)
『ホームレス大学生』のあらすじ
『ホームレス大学生』では、弟の視点で描かれた『ホームレス中学生』では語られなかった出来事や、兄として感じていた責任、葛藤、そして家族への思いが丁寧に描かれています。
また、長い年月を経て父親と再会する出来事も語られ、家族の関係がどのように変化していったのかも明かされます。
なお、田村家の出来事の詳しい経緯や背景については、関連記事の『ホームレス中学生』の記事で紹介していますので、あわせて読んでみてください。
【関連記事】
⇒思い留まった先で待つ希望|『ホームレス中学生/田村裕』の読書感想文
ホームレス大学生は兄の視点から家族の物語を見つめ直す作品
『ホームレス大学生』は、『ホームレス中学生』と同じ出来事を別の角度から描いた作品。
弟の視点では見えなかった出来事や、兄として感じていた責任、葛藤、そして家族への思いが語られています。
同じ物語でも、立場が変わると見える世界は大きく変わる。家族を支える側の視点で描かれることで、出来事の重さや意味がより深く伝わってくるのが本作の特徴です。
『ホームレス中学生』を読んだ人にとっては、もう一つの物語として楽しめる一冊ですし、まだ読んでいない人でも、家族や人生について考えさせられる作品として読むことができます。
読書感想文を書く際には、「兄という立場から見えたもの」や「家族を支える責任」というテーマに注目すると、自分なりの視点を見つけやすくなるでしょう。

私が書いた読書感想文一覧を載せてます✍
読後の5つの気持ちから選ぶ読書感想文案内はこちら

コメント