『星の王子さま』読書感想文800字|大人になって気づいた本当の渇き

『星の王子さま』の読書感想文を紹介するサムネイル画像。 ゆーじの読書感想文

『星の王子さま』の読書感想文(800字)を書いてみました。

この本はこれまでに何度も読み返してきたお気に入りの1冊ですが、読むたびに心に残るシーンが変わる不思議で深い物語だと感じています。

表紙は一見すると子ども向けの絵本のようですが、読んでみると「人生とは?」「大人になるってどういうこと?」という問いを静かに投げかけてくる一冊。

今回はそんな『星の王子さま』の中でとくに印象に残った“井戸のシーン”に注目して、自分の今の状況と重ねながら書いてみました。

ゆーじ
ゆーじ

また、AIにも読書感想文を書いてもらったので例文として参考にしてみてください。

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星の王子さまの読書感想文【800字】

ゆーじ
ゆーじ

まずは私の読書感想文から掲載します。

タイトル:『読む処方箋』

『僕がもし53分っていう時間好きに使えるんだったら、どこか泉の方へゆっくり歩いて行くんだがなぁ』
商人が1週間に53分の時間を節約する効果がある“渇きを抑える薬”の説明した後の、王子さまのこの言葉にハッとさせられた。
なぜなら、今の自分は渇きを抑えるための生活していたと気づいたからだ。

私はいま迷っている。
フリーランスでWEBライティングの仕事をしているが、収入が減り、このまま何もしなければ半年後にはおそらく生活出来なくなる。
生きていくためには稼がなければいけない。
そのために小さな案件に取り組み、自分の興味・関心の薄い商品やサービスの記事を書いている。
でも、これは本当にやりたいことではない。
「もっと自由に、自分の好きな事だけを深堀りした文章を書きたい」
その想いを抱えながら生活をしている。

私はいま渇きを抑えている。
そして、その状況を良しとしている。
頭の中では「もっと違うことをやりたい」と思っているのに、現実が、現実を理解している自分がその気持ちに蓋をしている。
このままでは私の余命は半年で尽きてしまうだろう。
いや、本当は半年も残されていない。いまこの瞬間もジリ貧状態で、時間が進むにつれてどんどん状態は悪化していくだろう。
人生を変えるなら今この瞬間しかない。
けれども、もしこの先へ進みたいのなら渇きを抑えるものを持ち歩くことは許さない。
それでも、その状態で“砂漠の中の井戸を探す”覚悟はあるのか。
優しくて何気ない物語なのに、厳しくて鋭い指摘を受けた気持ちになった。

『星の王子さま』は読むたびに印象に残るシーンが変わる。
ある時はバラの花のシーンに感銘し、ある時はキツネの話にハッとさせられる。
今の自分は井戸を探すシーンに心を刺されたような気持ちになった。
その時の生活環境や心の状態によって自分が何を感じどう思うかを診察する。
私にとって『星の王子さま』は自分の心を捉える“読む処方箋”のようなものだ。

(文字数:800字)

『星の王子さま』の簡単なあらすじや読書感想文を書く際にポイントになる6つのテーマについて別記事でまとめています。

もし『星の王子さま』で読書感想文を書いてみたいと思っているのなら、参考にしてください。

初めてAudibleで聴いたから書けた感想文

400字詰め原稿用紙2枚を想定して、800字以内で収めることを意識して書きました。

文字数が少ないと書けることが限られるので、読み手に十分に意図が伝わっていない可能性も。。。

例えば、“渇き”の意味はいろいろ言い換えられるし、「優しい~のに、厳しくて~」みたいな部分はもっと詳しく書いた方が親切。

でも、その辺は読み手の感覚にお任せしましょう。

今回はとある一文に注目して、そこから自分の気持ちに焦点を当てて書いてみました。

私は『星の王子さま』は何度も読み返していて、読む度に印象に残るシーンが違います。

今回は井戸のシーンが気になったのでココを中心に書きましたが、これはAudible(オーディブル)で聴いたから印象に残ったのかもしれません。

今までは紙の本で読んでいたのですが、実はこのセリフのシーンが出てくる章は1ページくらいで短いんですよね。

だから、今まではそんなに気に留めずに流し読みしちゃう部分もあった。

でも、音声だと「セリフ」と『地の文』との声質の違いを感じて、なんか引っ掛かんですよね。

この辺は音声ならではのメリットが生きた気がします。

ゆーじ
ゆーじ

Audibleの体験談に関しては別サイトで記事を書いているのでご覧ください。

AIに『星の王子さま』の読書感想文を書かせてみた

続いては「もしAIがそれぞれの年代の立場で読書感想文を書いたらどうなるか?」という実験。

小学生・中学生・高校生・社会人という4つの世代になりきって、それぞれが『星の王子さま』を読んだと想定し、ChatGPTに感想文を書かせてみました。

各世代の考え方や語彙の違い、注目するポイントの変化などにも注目しながら読んでいただければと思います。

ジューイ
ジューイ

内容や解釈はあくまでも例文として受け取ってください。

『星の王子さま』読書感想文|小学生の例文(バラのシーン)

タイトル:ぼくのとくべつなバラ

『星の王子さま』を読んで、いちばん心にのこったのは、王子さまとバラの花の話です。

王子さまは、自分の星でたったひとつのバラをたいせつに育てていました。でも、地球に来てから、たくさんのバラを見て、「自分のバラはとくべつじゃなかったんだ」としょんぼりしてしまいます。

 ぼくはこの場面を読んで、すこしさびしい気もちになりました。なぜなら、ぼくにも「これは自分だけのものだ」と思っていたものが、じつはどこにでもあるかもしれないと気づいたことがあるからです。

 でも、王子さまはキツネに会って、「じかんをかけて大切にしたものは、そのぶんとくべつになるんだ」とおしえてもらいます。その言葉を聞いて、王子さまは、自分のバラがやっぱりとくべつなんだと気づきます。

 ぼくもそのとき、「あ、そうか」と思いました。バラが何本あるかはたいせつじゃなくて、そのバラのためにどれだけじかんをつかって、気もちをこめたかが大事なんだと思いました。

 たとえば、ぼくは学校で育てているアサガオを、まいにち水をやったり、そっとはっぱをさわってみたりして大切にしています。花がさいたとき、となりの友だちのアサガオと同じように見えるけど、ぼくにとっては自分のがいちばんきれいだと思いました。それは、ぼくが自分で育てたからです。

 この本を読んで、何かを大切にするって、目に見えることだけじゃなくて、心の中の気もちが関係しているんだなと思いました。そして、自分が大切にしているものを、「ほかの人にはわからないとくべつなもの」として、大事にしていきたいです。

 これからも、何かをすぐにあきらめたり、ほかの人とくらべて「たいしたことないや」と思ったりせずに、自分の中のとくべつを大切にしていきたいと思います。

(文字数:728字)

“自分だけのとくべつ”を伝えるために考えたこと

ジューイ
ジューイ

この感想文では、小学生の視点で共感しやすい「バラのシーン」に注目しました。

理由は「たったひとつのバラを特別だと思っていたのに、地球にはたくさん咲いていてショックを受けた王子さまの気持ち」は、小学生でも「大切にしていたものが特別じゃなかった」と感じた経験に重ねやすいからです。

また、「じかんをかけて育てたものが特別になる」というキツネの言葉も取り上げ、日常生活にある具体的な体験(アサガオの世話)に結びつけました。

ここで意識したのは「小学生でも自分の経験と物語を重ねられる」ようにすることです。

言葉づかいについては、ひらがなを多めに使い、漢字も小学生が読み書きできる範囲におさめました。

「特別」や「気もち」など、意味が深くなりがちな語も、自分の体験とつなげてわかりやすく説明しています。

全体として、説明的になりすぎず、素直な気持ちを言葉にすることを大切にしました。

「あらすじ」や「教訓」を並べるのではなく、「読んで自分はこう感じた」「こう思ったからこう書いた」という心の動きを中心に構成しています。

『星の王子さま』読書感想文|中学生の例文(キツネのシーン)

タイトル:時間をかけるという約束

『星の王子さま』を読んで、ぼくの心にいちばん強く残ったのは、キツネとの別れのシーンでした。

王子さまとキツネが少しずつ仲良くなっていく時間は、ただ言葉を交わすだけでなく、目に見えない「信頼」を育てていくように感じました。

 キツネは王子さまに、「飼いならす」ということは「お互いに特別になること」だと教えます。そして、毎日少しずつ近づいて、時間をかけて関係を深めていく。その過程を通して、王子さまとキツネはただの他人ではなく、たった一つの存在になっていきました。

 ぼくはこの話を読んで、「時間をかける」ことの大切さをあらためて考えました。最近のぼくは、何でもすぐに結果が出るものばかりを求めていた気がします。スマホの動画も、すぐに面白くならないと途中でやめてしまうし、友達との関係も、なんとなく浅くなってきているように感じていました。

 でも、時間をかけて相手と向き合うことでしか生まれないものがある。この物語は、それを優しく、でもはっきりと教えてくれた気がします。キツネは「大切なことは、目には見えない」とも言います。つまり、相手と過ごす時間や、そこで生まれる気持ちは、すぐに目に見える結果にはならないけれど、ちゃんと心に残っていくんだと思いました。

 それは、友達関係にも、家族との関係にも言えることだと思います。ぼくもこれからは、何かを「めんどうだな」「早く終わらせたい」と思う前に、その時間に意味があるかもしれないと思ってみたいです。大切なのは、どれだけ時間をかけたかより、その時間の中で何を感じ、何を伝え合えたかだと思います。

 ぼくにとっては、キツネの言葉が今の自分にいちばん必要なメッセージでした。そして、これから先の人とのつながりにも、きっとこの考え方を活かしていけると思います。

(文字数:743字)

“関係を育てる時間”に目を向けて書いた感想文

この感想文では、中学生が抱えがちな「すぐに結果を求めてしまう焦り」や「人間関係のもどかしさ」に共通するテーマとして、キツネの「飼いならす」というセリフと時間をかけることの意味に注目しました。

王子さまとキツネのやりとりを「人との関係がどう深まっていくか」の比喩として解釈し、中学生の日常(友達付き合いやスマホとの関係)に置き換えて描写しています。

特に意識したのは、「読者が“自分のこととして考えられるようにすること”」です。そこで、動画やSNSなど今どきのツールとの距離感を引き合いに出しつつ、“時間をかける意味”を言葉にする工夫を入れました。

また、「感動しました」で終わるのではなく、読後に自分がどう変わりたいか(行動)まで踏み込んでいる点も意識的です。感想文としては、「気づき→共感→未来への意志」という流れを持たせ、単なる共感で終わらない構成にしています。

『星の王子さま』読書感想文|高校生の例文(井戸のシーン)

タイトル:水よりも大切なもの

 絵本のような装丁と短い章に「軽い物語かな」と思ったが、読み進めるうちに自分の内側が静かに揺さぶられるような不思議な感覚を味わった。

 特に心に残ったのは、砂漠の中で王子さまと「ぼく」が一緒に井戸を探す場面である。水を求めて歩き続ける旅は、単なる“生き延びるための行動”ではなかったように思う。夜の静けさの中で、ふたりは多くを語らずに進む。言葉が少ないのに、なぜか温かい。その空気に、私はなぜか救われるような思いがした。

 高校生活は、いつも「考えすぎること」に満ちている。勉強、進路、人間関係、自分の存在意義。それらを毎日のように考え続け、正解を探そうとしてしまう。そして気がつけば、疲れているのに休めないという矛盾に陥る。だからこそ、王子さまと「ぼく」が静かに歩きながら、何かを共有しているあの時間が、とても尊く感じられた。

 物語の中で、井戸を見つけたとき、王子さまはその水を「心にしみるもの」と表現している。ただの水ではなく、一緒に過ごした時間の記憶が溶け込んだ水。それはまるで、「答えを探すこと」よりも「誰かとともに迷いながら歩くこと」のほうが大事だと語りかけているようだった。

 私はこれまで、「どうすれば正解か」「どこへ行けば正しいか」と自分に問い続けてきた。しかしこのシーンを読んで、正解を出すことばかりを目指すのではなく、迷う時間や、何かを一緒に探す時間そのものを大切にしてもいいのだと感じた。むしろ、そのなかでこそ人は癒されるのかもしれない。

 『星の王子さま』は、問いではなく「余白」を与えてくれる本だった。井戸の水がそうであったように、ゆっくりと時間をかけて心にしみてくる一冊である。そして私は今、答えを急がずに、誰かとともに歩いていける自分でありたいと思っている。

(字数:739字)

“考えすぎて疲れてしまう心”に寄り添う感想文を書くために

この感想文では、「働き方」や「現実の生活の選択」といった社会的な視点ではなく、高校生が抱きやすい“正解を探し続ける苦しさ”や“思考疲れ”に共感を置くようにしました。

この文では「考えすぎることで疲れてしまう高校生の心」に焦点を当てています。

また、王子さまの言葉の直接的な引用は避け、“静けさ”“共有”“余白”といった象徴的なキーワードを軸にし、精神的なゆとりや共感の時間の大切さを描いています。

文体は「である調」で統一しながらも、詩的な雰囲気を大切にし、高校生らしい揺れや繊細さが伝わる語り口を意識。

最後は『星の王子さま』を“問いの本”ではなく、“余白の本”と表現することで、深読みへの入り口を開く締めくくりとしています。

『星の王子さま』読書感想文|社会人の例文(別れと星のシーン)

タイトル:見えないものを見上げる力

 『星の王子さま』の静かな言葉の一つひとつは、不思議なくらい心に深く染み込んでくる。読むうちに、自分の中のどこかが静かにゆるみ、そっと揺さぶられるような感覚があった。

 特に印象に残ったのは、物語の終盤、王子さまと「ぼく」が別れる場面である。王子さまは自分の星へ帰るために、地上に体を置いていく決断をする。その方法は、あまりに静かで残酷で、すぐには受け入れがたいものだった。だが、その別れに際して、王子さまは言う。「夜になったら空を見上げて。きっと笑い声が聞こえるから」と。

 この言葉に、胸がいっぱいになった。
 姿が見えなくなっても、思い出やつながりは消えない。むしろ、見えなくなったからこそ、人は「そこにある」と信じる力を持てるのかもしれない。別れの場面では、いつも「終わり」にばかり目を向けてしまう。退職する同僚、遠くへ引っ越す友人、そして失われた人との記憶。そうした経験の中で、残される側の寂しさばかりを見つめてきた。

 けれどこの物語は教えてくれる。別れは、関係が途切れることではなく、別のかたちで存在し続けることでもあるのだと。空を見上げれば、そこに相手の笑い声を思い出せるような、そうした“見えないつながり”が、人と人の間には確かにある。

 現実では、日々の忙しさの中で、こうした感情や感覚はつい後回しになる。効率や結果を重視していると、目に見えるものしか信じられなくなってしまう。だが王子さまは、そんな現代人に「目に見えないものの価値」をもう一度思い出させてくれる。

 『星の王子さま』は、見えないものを信じることの尊さを、優しく、けれど確かに語りかけてくる物語である。空を見上げるという、ささやかで豊かな行為を、これからも大切にしていきたい。

(文字数:726字)

見送る経験と向き合いながら書いた感想文

この感想文では、社会人としての日常の中にある「見送る経験」や「関係の変化」と、王子さまとの別れの場面を重ね合わせています。

主なテーマは、人との関係性や心のつながりに対する気づき

単に別れを悲しむのではなく、「見えなくなったものが、見えなかったものを信じる力に変わる」という発想の転換に焦点を当てています。

「終わりではなく、変化」という視点から読後の感情を整理し、社会人としての現実と物語の象徴的な言葉を自然につなぐことで、心の揺れや気づきを表現しました。

感傷的になりすぎないように注意しながら、「別れの場面」と「日常での共感体験」とが滑らかにつながるよう意識。

また、物語から受け取ったメッセージを、現実の行動──たとえば「空を見上げる習慣」──へと落とし込むことで、感想文としての内省と未来への意志が感じられる締めくくりにしてみました。

まとめ:読書感想文を書くという“問いかけ”の時間を大切に

『星の王子さま』は、読む人の年齢や人生経験によって、心に残る場面が変わる不思議な本です。

子どもにとっては「特別な存在を見つける物語」として、大人にとっては「見えないものを信じる力」や「日々の選択に立ち返るきっかけ」として、それぞれに異なる気づきを与えてくれます。

今回の記事では、私の感想文のほかにAIが書いた小学生から社会人までそれぞれの立場での『星の王子さま』を読んだ感想文を紹介しました。

どの世代の感想文にも「物語を自分の経験と結びつけ、そこから何かを感じ取ろうとする姿勢」が共通しています。

読書感想文は単なる作文の課題ではなく、自分自身に問いかけや今の心の状態を見つめ直す時間でもある。

読書を通して得た“気づき”をどう言葉にするか。そのプロセスこそが、他の誰とも違うあなた自身の「読書の意味」をつくっていく。

もしこれから感想文を書く機会があるなら、「何を書けばいいか」よりもまず、「自分はどこで立ち止まったか」「どこに心が動いたか」を意識して書くのが良いですね。

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