中学生の読書感想文におすすめの本6選|共感・考察しやすい選び方も解説

「中学生向け 読書感想文のおすすめ本」と書かれたサムネイル画像 学年から探す

中学生になると、読書感想文に「深い読み取り」や「自分なりの考察」が求められるようになります。

そのため、感想が書きやすい本を選ぶことがとても大切です。

この記事では、読書感想文におすすめの本を学年別にご紹介しながら、選び方のポイントや、感想が思い浮かばないときの対処法まで詳しく解説します。

どの本を読めばいいか迷っている中学生と保護者の方は、ぜひ参考にしてください。

読書感想文の本選びに迷った中学生と親御さんへ

中学生になると、読書感想文で求められるのは「ただのあらすじ」ではなく、「自分の感じたこと・考えたこと」

けれど、それを言葉にするのは意外と難しく、本選びの段階でつまずいてしまうことも少なくありません。

実際に「せっかく課題図書を選んだけれど、感想が浮かばず困っていた」という話をよく耳にします。

感想が書きやすいかどうかは、本の内容次第で大きく変わるのです。

そこで今回は、選書に悩んでいる中学生と保護者の方に向けて、「感想が書きやすい本の選び方」を3つの視点からご紹介します。

読後に「これってどういうことだろう?」と考えたくなる本を選ぼう

読書感想文の本質は「その本を通じて何を感じ、考えたか」を掘り下げることにあります。

そのため、読後に「なんでこうなったの?」「この登場人物の気持ちってどうなんだろう?」と自然に疑問が湧く本は感想文にぴったりです。

たとえば、すべてが丁寧に説明されている本よりも、ちょっと余韻や謎が残るような作品のほうが「自分なりの解釈」が生まれやすくなります

保護者の方がサポートするなら、「読み終わって、どんなことが引っかかった?」と問いかけるだけで、感想の糸口が見えてくるかもしれません。

「読む前より自分がちょっと変わった」と感じられる作品が書きやすい理由

本を読み終えたときに、ふと「なんだか見方が少し変わった気がする」と感じることはありませんか?

そんな内面の変化を促してくれる本は、感想文の題材としてとても優れています。

たとえば、物語の中で主人公が成長していく姿に共感することで、「自分もこうしてみようかな」と考えるようになった。

そうした「読む前と読んだ後の心の変化」を書けば、感想文としての説得力も増します。

ジューイ
ジューイ

実際、学校の先生も「どこに共感したか」「どんなふうに考えが変わったか」を評価のポイントにしていることが多いようです。

自分の性格や好きなことに近いテーマから選ぶのもアリ

「読書感想文に向いているのは、真面目で難しそうな文学作品だけ」

そんなふうに思ってしまう中学生は多いかもしれません。ですが実際には、その子の関心と重なるテーマの本のほうが、感想を引き出しやすいのです。

たとえば、理科が好きな子なら科学がテーマの読み物。

一人の時間が好きな子には、静かな日常を描いた作品。

勉強が苦手な子でも、「ちょっと変わった主人公」に親近感を持てば、自然と読み進められることもあります。

本選びのヒントは「その子らしさ」や「普段の興味」にあります。

周囲の大人がその視点でおすすめしてあげると、感想文がぐっと書きやすくなるでしょう。

学年別|読書感想文におすすめの本

中学生になると、同じ「読書感想文の宿題」でも、学年によって求められる表現力や思考の深さが少しずつ変わってきます。

そのため、本選びも「学年に合ったテーマ性」や「感情の動かしやすさ」を意識することが、スムーズな執筆への第一歩となります。

ここでは、中学1年〜3年生それぞれにおすすめの本を、実際に読んで感想が書きやすかったとされる作品とともにご紹介します。

中学1年生におすすめ|世界観に引き込まれやすく、感情移入しやすい本

中学1年生は、まだ小学生からの延長で「物語そのものを楽しむ」ことに慣れている時期

そのため、読書感想文もあまり難しい構成を意識するより、「登場人物の気持ちに寄り添って書く」ことを意識するのがおすすめです。

たとえば『西の魔女が死んだ』は、少女と祖母の交流を通じて、「自分で決めて生きる」という人生の基本に触れられる作品。

おばあちゃんの教えは、読者自身の生活にも結びつけやすく、「この言葉が心に残った」という書き方が自然にできるでしょう。

また『カラフル』のように、亡くなった魂が別人として人生をやり直すという不思議な設定の作品も、読者の想像力を刺激しやすく、「もし自分がこの立場だったら…」という視点で感想を膨らませることができます。

感情移入しやすい主人公や、成長の過程が描かれた物語は、読書感想文のはじめの一歩としてぴったりです。

『西の魔女が死んだ』

【説明】大好きなおばあちゃんは本物の魔女。生きる力も本物だった――。中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。

ジューイ
ジューイ

まるで春の日差しのように、優しく心をあたためてくれる物語。
おばあちゃんとの時間や“魔女修行”の記憶が、読む人の人生にもそっと魔法をかけてくれます。
大人になってからこそ、もう一度読みたくなる一冊です。

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『カラフル』

【説明】生前の罪により輪廻のサイクルから外されたぼくの魂が天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。自殺を図った少年、真の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点が見えてくるようになる……。

ジューイ
ジューイ

タイトルに惹かれて手に取ったら、心の奥まで届いてくる物語。テンポよく読めるのに、余韻が深くて静かに涙があふれる。森絵都さんの描く「生」と「色」の世界が、読むたびに少しずつ自分を変えてくれます。

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中学2年生におすすめ|考察や自分なりの解釈が広げやすい本

中学2年生になると、「登場人物の行動の裏にある心理」や「物語のテーマ性」などを考える力が少しずつ育ってきます。

読書感想文でも、「なぜこういう展開になったのか」「自分ならどう思うか」といった、自分なりの視点を加えた感想が書きやすくなってきます。

たとえば『君の膵臓をたべたい』は、「死」というテーマに向き合いながらも、明るく前向きに描かれており、読み手の心を強く動かします。

物語の結末をどう受け止めるか、自分ならどう行動するか、といった“考察型”の感想に向いています。

また『博士の愛した数式』は、数学の話を軸にしながらも、記憶障害をもつ博士との交流を描いたヒューマンドラマ。

「時間」「記憶」「家族」など、さまざまな切り口で感想を深めることができ、読後の解釈に個人差が出やすい点も感想文向きです。

一つの出来事に対して、どう感じたかを深掘りできるような本が、中2の読書感想文には最適です。

『君の膵臓をたべたい』

ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。
それは、クラスメイトである山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。
そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて――。
読後、きっとこのタイトルに涙する。

ジューイ
ジューイ

タイトルに驚いて読んでみたら、胸の奥を静かに揺さぶる青春小説。「生きること」「愛すること」「別れの意味」——そんな言葉たちが、自然と心に染み込んできます。泣いたあと、自分自身のことを少し優しく見つめ直したくなる一冊です。

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『博士の愛した数式』

[ぼくの記憶は80分しかもたない]博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた──記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。

ジューイ
ジューイ

数字がこんなにも優しく、人と人をつなげるものだったなんて——。「賢い心」という博士のことばに、思わず胸が熱くなりました。数学が苦手でも大丈夫。静かな奇跡が、そっと心をほどいてくれる物語です。

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中学3年生におすすめ|社会や命を考えるきっかけになる本

中学3年生になると、感性だけでなく「社会とのつながり」や「生き方・在り方」に関心が向くようになり、それが読書感想文の深みにつながります。

この時期には、少し重めのテーマを扱った本や、社会問題を背景にした物語にチャレンジしてみるのもおすすめです。

たとえば『with you』は、ヤングケアラーという社会課題を題材にしながらも、中学生の恋心や葛藤を丁寧に描いた作品。

「もし自分の友達がこんな状況だったら」と想像しながら読めば、現実社会への関心や共感力を育むきっかけにもなります。

また『モモ』は、効率重視の社会に「本当に大切なものは何か?」という問いを投げかけるファンタジー作品。

現代の中学生が抱える「時間に追われる毎日」への違和感や、目に見えないものの価値を考えるきっかけにもなります。

社会や命という大きなテーマと向き合えるこの時期だからこそ、思索を深めながら感想文を書ける一冊を選びたいところです。

『with you』

夜のランニング中、中学三年生の悠人は公園のブランコに座っている少女・朱音と出会う。
受験を控え、自分の存在意義を見出せないでいた悠人は、何か事情を抱えていそうな朱音に惹かれていく。朱音が母の介護と妹の世話をしている「ヤングケアラー」だと知った悠人は、彼女のために何かしたいと思いはじめる。

ジューイ
ジューイ

ヤングケアラーという重たいテーマを、中学生の繊細な心の揺れとともに描いた静かな物語。夜空の下で始まるふたりの時間が、読むほどに優しく心に灯をともしてくれます。思春期の葛藤と家族のかたちを、丁寧に見つめた一冊です。

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『モモ』

円形劇場の廃墟に住みついた、もじゃもじゃ頭で粗末な身なりをした不思議な少女モモ。黙って話を聞くだけで、人の心を溶かし悩みを解消させる能力を持った彼女のまわりには、いつもたくさんの大人や子どもたちが集まっていた。しかし「時間」を人間に倹約させることにより、世界中の余分な「時間」を独占しようとする「灰色の男たち」の出現により、町じゅうの人々はとりとめのないお喋りや、ゆとりのある生活を次第に失っていく。

ジューイ
ジューイ

「時間を節約するほど、人生は失われていく」――そんな逆説に気づかせてくれる、静かで深いファンタジー。モモがくれたのは、ただの物語じゃなく、“今を生きる”という勇気でした。子どもにも大人にも、一度は手に取ってほしい大切な一冊です。

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読み終えたあとに「感想が出てこない」ときの対処法

せっかく本を読み終えても、「何を書けばいいのかわからない」「感想がまったく思い浮かばない」と立ち止まってしまうこと、ありますよね。

特に中学生になると、感想文には「深い読み取り」が求められる場面も増えてきます。

でも安心してください。

感想がすぐに出てこないのは決して“読めていない”わけではありません

むしろ、それだけ丁寧に読んだ証拠とも言えます。

ここでは、そんなときに試してみてほしい“書き出しのヒント”をご紹介します。

「何を感じたか」ではなく「どこが引っかかったか」を探す

読書感想文というと、「感動した」「考えさせられた」といった“立派な感想”を書かないといけないと思いがち。

でも、最初から「感想」なんて出てこなくて当たり前です。

むしろ注目すべきは、“読んでいるときにちょっと引っかかった場面”や、“意味がよくわからなかったセリフ”、“自分とは違う価値観”など。

たとえば──

  • 「主人公が急に泣いた理由が、なんだかピンとこなかった」
  • 「最後の場面がすごく静かで、不思議な終わり方だった」
  • 「この登場人物、何を考えていたのか想像しにくい」

こうした“違和感”や“引っかかり”こそが感想の入り口になります。

「なぜ引っかかったのか?」「自分だったらどう感じるか?」と考えていくと、自然と文章が広がっていきますよ。

本と自分の体験を無理に重ねなくていい

感想文では「自分の体験と重ねて書くといい」とよく言われます。

たしかにそれも有効ですが、すべての本が“自分の人生と重ねやすい内容”とは限りません。

むしろ、「自分にはわからない世界だった」「理解しきれない感情だった」と正直に書くのも立派な感想です。

たとえば──

  • 「私はこういう経験がないから、なぜこの人が怒っているのかわからなかった」
  • 「この結末には納得できなかった。でも理由はうまく言えない」

こうした“わからなさ”や“納得できなさ”を出発点に、自分なりの考察を広げていくのも感想文の書き方のひとつ。

大切なのは、読んだことに対して自分なりに「考えてみよう」とする姿勢です。

必要なのは「すごい感想」ではなく「正直な気づき」。

書き出しで悩んだときは、ちょっとした違和感や「わからない」という気持ちに耳をすませてみてくださいね。

まとめ

読書感想文の本選びに迷ったときは、「感情が動いたか」「問いが残ったか」など、自分の心に引っかかった感覚を頼りにしてみてください。

学年や興味に合った一冊と出会えれば、感想も自然と湧いてきます。

たとえ感想がすぐに出てこなくても、あなたがその本を丁寧に読んだことは、きっと文章ににじみ出るはずです。

焦らず、自分のペースで、あなたらしい感想文を仕上げていきましょう。

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