読書感想文を書くとき、意外と迷いやすいのがセリフとかぎかっこの書き方です。
「本のセリフは改行するの?」「かぎかっこは何マス目から書く?」「句点(。)と閉じかっこ(」)は同じマスに入れてもいい?」など、原稿用紙を前にして手が止まることもあるでしょう。
結論からいうと、本の短いセリフを引用するときは、基本的に改行せず自分の文章の中に入れます。
一方、家族や友達との会話を書くときは、改行して行頭の1マス目から書き始めるのが基本です。
同じセリフでも、何を書くのかによって改行やかぎかっこの使い方が変わります。

この記事では、読書感想文におけるセリフとかぎかっこの書き方を、例文と原稿用紙の図を使いながら一つずつ解説します。心の声や本の題名に使うかっこについても確認していきましょう。
なお、本の文章やセリフを引用するときの詳しい決まりは「読書感想文の引用の書き方|ルールとセリフの例文」で解説しています。

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読書感想文のセリフは改行する?書き方の基本
読書感想文にセリフを書くときは、すべて同じように改行するわけではありません。
本に書かれた短いセリフを自分の文章に入れる場合と、自分が家族や友達と交わした会話を書く場合では、原稿用紙での書き方が異なります。
まずは、3つの基本的なパターンを確認しましょう。
| セリフの使い方 | 改行 | 書き始める位置 |
|---|---|---|
| 本の短いセリフを引用する | 基本的にしない | 自分の文章の中に入れる |
| 家族や友達との会話を書く | 原則としてする | 新しい行の1マス目 |
| セリフから感想文を書き始める | セリフを独立させる | 行頭の1マス目 |

「セリフなら必ず改行する」と覚えるのではなく、セリフを自分の文章の中に入れるのか、会話文として独立させるのかで判断しましょう。
※以下のセリフは、書き方を説明するために作成したものです。
実在する作品から引用したものではありません。
本の短いセリフを引用するときは改行しない
本に書かれた短いセリフを取り上げるときは、基本的に改行せず、自分の文章の中に入れて書きます。
たとえば、次のような書き方。
主人公の「ここであきらめたくない」という言葉が心に残りました。
「ここであきらめたくない」が本から引用したセリフで、その前後は自分の文章です。
このような短いセリフを別の行にすると、本の会話場面をそのまま再現しているように見えることがあります。
誰がどのような場面で言った言葉なのかを説明しながら、文章の中に組み込むと読みやすくなります。
何度失敗しても練習を続けた主人公が「ここであきらめたくない」と話した場面が心に残りました。
セリフだけを取り出すのではなく、その前後に場面や自分の感想を加えることがポイントです。

本のセリフは、書かれている言葉を勝手に変えず、引用する部分を「」で囲みます。
引用する文字数や回数などの詳しいルールは「読書感想文の引用の書き方|ルールとセリフの例文」で確認してください。
家族や友達との会話を書くときは改行する
本を読んで思い出した家族や友達との会話を書く場合は、会話文として新しい行から書き始めます。
たとえば、次のように書きます。
私が練習をやめようとしたとき、母が声をかけてくれました。
「ここまで続けたのだから、もう一度だけやってみたら。」
その言葉を聞いて、私は次の日も練習することにしました。
原稿用紙では、母の言葉が始まるところで改行し、開きかっこ(「)を行頭の1マス目に書きます。
通常の段落のように、最初の1マスを空ける必要はありません。
会話が終わったあとの文章も、原則として改行します。
本のセリフを引用する場合は、自分の文章の一部として使用。
一方、家族や友達とのやり取りは、実際の会話を独立した会話文として見せます。

この違いを意識すると、改行するかどうかで迷いにくくなります。
セリフから書き始めるときは行頭から書く
読書感想文は、心に残ったセリフから書き始めることもできます。
「失敗したのは、挑戦したからだ。」
この言葉を読んだとき、私は去年の運動会を思い出しました。
最初にセリフを見せることで「なぜこの言葉が心に残ったのだろう」と、読み手の興味を引きやすくなります。
セリフを一つの文として独立させる場合は、原稿用紙の行頭から書き始めます。
段落のように1マス空けず、最初のマスに開きかっこ(「)を書きましょう。
ただし、セリフだけでは、その本を読んでいない人に場面や意味が伝わりません。
次の行では、誰がどのような場面で言ったのか、なぜ自分の心に残ったのかを説明します。

セリフから始めること自体が目的ではありません。
その言葉をきっかけに、自分が感じたことや思い出した経験へつなげることが大切です。
原稿用紙でのかぎかっこの書き方とルール
原稿用紙では、かぎかっこも文字と同じように1マスを使って書くのが基本です。
ただし、会話文の始まりや終わり、行頭・行末に来たときには、通常の文字とは異なる書き方をする場合があります。
| 確認する場所 | 基本的な書き方 |
|---|---|
| 会話文の始まり | 行頭の1マス目に「を書く |
| 会話文の終わり | 句点と」を同じマスに書く |
| 会話文のあとの文章 | 原則として改行する |
| 」が行頭に来る場合 | 前の行末に入れる |
| 「が行末に来る場合 | 表現を調整して避ける |
| セリフが2行以上になる場合 | 2行目を1マス空ける方法と空けない方法がある |
原稿用紙におけるかぎかっこの使い方には、公的に統一された決まりがあるわけではありません。

ここでは、小学校の教科書や作文指導で使われることが多い一般的な書き方を紹介します。
学校やコンクールから指定されている場合は、その書き方を優先してください。
以下、生成AIで画像を作成したため一部読みにくい箇所があります。ご了承ください。
会話文の始まりは行頭の1マス目から書く
家族や友達との会話を独立した会話文として書くときは、改行して、開きかっこ(「)を行頭の1マス目に書きます。

通常、新しい段落は行頭を1マス空けて書き始めます。
しかし、会話文の始まりを表す開きかっこは、1マス空けずに最初のマスへ書くのが一般的です。
小学生の読書感想文では、上の「正しい書き方」のように、行頭の1マス目から始めると覚えておきましょう。
ただし、本の短いセリフを自分の文章の中に引用する場合は、会話文として独立させないため、改行する必要はありません。
句点と閉じかっこは同じマスに書く
会話文の終わりでは、句点(。)と閉じかっこ(」)を同じマスに書くのが一般的です。

この場合、最後の「る」を1マス、句点と閉じかっこを合わせた「。」」を次の1マスに書きます。
句点と閉じかっこを別々のマスに入れると、会話文の終わりで2マスを使うことになります。

句点と閉じかっこは二つの記号ですが、会話文の終わりでは「。」を一組として同じマスに入れると覚えておきましょう。
ただし、本のセリフを引用するときは、本に書かれている句読点も含めて一字一句変えずに書くのが基本です。
引用する範囲によって書き方が変わる場合は、元の文章を確認してください。
セリフのあとに続く文章は原則として改行する
独立した会話文を書いたあとは、原則として改行して次の文章を続けます。
私が練習をやめようとしたとき、父が言いました。
「今日できなかったことが、明日もできないとは限らないよ。」
私はその言葉を聞いて、次の日も練習してみようと思いました。
会話文が終わったあとも同じ段落が続いている場合は、次の行の1マス目から書き始めます。
新しい段落に変わる場合は、行頭を1マス空けます。
| 会話文のあとの内容 | 行頭 |
|---|---|
| 同じ場面や話題が続く | 1マス空けない |
| 場面や話題が変わる | 1マス空ける |
会話文のあとだから必ず1マス空けるのではありません。
段落が変わるかどうかで判断しましょう。
一方、本の短いセリフを自分の文章に組み込んでいる場合は、閉じかっこのあとも改行せず、そのまま文章を続けます。
主人公の「まだ終わっていない」という言葉を読んで、私は最後まで続けることの大切さを考えました。
閉じかっこが行頭に来るときは前の行末に入れる
閉じかっこ(」)は、行頭の1マス目には書きません。

セリフの最後の文字が前の行の最後のマスに入り、閉じかっこだけが次の行へ送られる場合は、最後の文字と閉じかっこを同じマスに入れます。
句点もある場合は、前の行の最後のマスに、最後の文字と句点、閉じかっこをまとめて書くか、句点と閉じかっこを欄外に書く方法があります。
大切なのは、句点や閉じかっこだけを次の行の先頭に置かないことです。

清書する前に、閉じかっこが行頭へ送られていないか確認しましょう。
かぎかっこの位置だけ先に見直すと、間違いを見つけやすくなります。
開きかっこが行末に来るときの書き方
開きかっこ(「)だけが行末にあり、セリフの最初の文字が次の行から始まると、かぎかっこと中の言葉が離れてしまいます。

そのため、開きかっこだけを行末に置くのは、できるだけ避けましょう。
開きかっこが行末に来そうなときは、清書する前に前後の文章を少し調整します。
- 前の文章を短い表現に言い換える
- 語順を入れ替える
- 不自然にならない範囲で言葉を補う
- セリフを独立した会話文にして改行する
たとえば、短いセリフを文章の途中に入れた結果、開きかっこが行末に来る場合は、文章の形を変えます。
【修正前】
そのとき、母から「もう一度やってみたら」と言われました。
【言い換えた例】
母は私に「もう一度やってみたら」と声をかけました。
原稿用紙に書いたときの文字数に合わせて、開きかっことセリフの最初の文字が離れない形に整えます。
かぎかっこの使い方には複数の考え方があるため、文章を調整できない場合は、先生から教わった方法を優先してください。
セリフが2行以上になるときの書き方
長いセリフが2行以上にわたる場合、2行目以降の書き方には次の二つがあります。
- 2行目以降の行頭を1マス空ける
- 2行目以降も行頭を空けずに書く

小学校の教科書では、会話文とそれ以外の文章を見分けやすくするため、2行目以降を1マス空ける書き方が使われることがあります。
一方、中学校の教科書や一般の書籍では、2行目以降も行頭から書く場合があります。
どちらか一方だけが間違いというわけではありません。
Z会の原稿用紙の使い方でも、2行目を1マス空ける方法と空けない方法の両方が紹介されています。
また、光村図書の解説では、小学校の教科書では1マス空け、中学校では行頭から始める表記が使われていると説明されています。

読書感想文で使うかぎかっこの種類
読書感想文では、セリフ以外にも、心の声や本の題名、強調したい言葉などにかぎかっこを使います。
使う場面によって「」(かぎかっこ)と『』(二重かぎかっこ)を使い分けましょう。
| 書く内容 | 使用するかっこ |
|---|---|
| 本のセリフや文章の引用 | 「」 |
| 自分の心の声 | 「」 |
| 本の題名 | 『』 |
| かぎかっこの中のセリフ | 『』 |
| 強調したい言葉 | 「」 |

「」は言葉や文章をほかの部分と区別するときに使い、『』は本の題名や、かぎかっこの内側にもう一つかぎかっこが必要なときに使うと覚えましょう。
※以下の書名やセリフは、書き方を説明するために作成したものです。
本のセリフや文章を引用するときは「」を使う
本に書かれたセリフや文章を引用するときは、引用する部分を「」で囲みます。
主人公の「今からでも遅くない」という言葉が心に残りました。
かぎかっこを使うことで、どこまでが本に書かれていた言葉で、どこからが自分の感想なのかが分かりやすくなります。
ただし、本の言葉を自分の都合に合わせて変えてはいけません。
漢字や句読点も含めて、引用する部分を本のとおりに書くのが基本です。
引用する文字数や回数、原稿用紙での改行、引用したセリフから感想を広げる方法は「読書感想文の引用の書き方|ルールとセリフの例文」で詳しく解説しています。

引用は、本の言葉を紹介するためだけに使うものではありません。
その言葉から何を感じたのかを、自分の言葉で続けることが大切です。
自分の心の声には「」を使う
読書感想文の中で、自分が心の中で思ったことを書く場合にも「」を使えます。
主人公が一人で出発する場面を読み、私は「本当に大丈夫だろうか」と心配になりました。
「本当に大丈夫だろうか」が、そのときに感じた自分の心の声です。
心の声は実際に口に出した会話ではないため、短い内容であれば改行せず、自分の文章の中に入れると読みやすくなります。
かぎかっこを使わず、次のように書くこともできます。
主人公が一人で出発する場面を読み、本当に大丈夫だろうかと心配になりました。
どちらの書き方でも意味は伝わります。
心の中に浮かんだ言葉をそのまま見せたいときは「」を使い、考えた内容を説明するときは、かぎかっこを使わず文章にまとめるとよいでしょう。
本の題名には『』を使う
本の題名を書くときは、『』(二重かぎかっこ)を使うのが一般的です。
私は『星を見上げた日』を読みました。
読書感想文の題名に、読んだ本の名前を入れる場合も同じです。
『星を見上げた日』を読んで
「」と『』は形が似ていますが、本の題名には『』を使うと覚えておきましょう。
なお、一冊の本の題名には『』を使い、本に収録されている短編や物語の題名には「」を使うことがあります。
私は短編集『放課後の物語』に収録されている「夕暮れの教室」を読みました。

読んだ本の題名と、自分がつけた読書感想文の題名は別のものです。
本の題名をそのまま感想文の題名にするのではなく、自分が最も伝えたいことを加えると内容が伝わりやすくなります。
かぎかっこの中のセリフには『』を使う
引用している文章の中に、さらに登場人物のセリフが含まれている場合は、内側のセリフを『』で囲みます。
本には「先生が『失敗しても大丈夫だ』と声をかけると、主人公はもう一度立ち上がった」と書かれています。
この例では、外側の「」が本から引用した文章全体を表し、内側の『』が先生のセリフを表しています。
外側と内側の両方に「」を使うと、どこでセリフが始まり、どこで終わるのか分かりにくくなります。
【分かりやすい書き方】
「先生が『失敗しても大丈夫だ』と声をかけた」
【分かりにくい書き方】
「先生が「失敗しても大丈夫だ」と声をかけた」

かぎかっこの中にもう一つかぎかっこが必要になったら、内側を『』に変えましょう。
強調したい言葉には「」を使う
自分の文章の中で、特に注目してほしい言葉や大切な考えを示すときにも「」を使えます。
私がこの本から学んだのは「続けること」の大切さです。
この場合の「続けること」は、本から引用した言葉ではありません。
自分が大切だと考えた言葉を、ほかの文章から目立たせるために「」を使っています。
ただし、強調のためのかぎかっこを何度も使うと、どの言葉が本当に重要なのか分かりにくくなります。
この本から「勇気」や「友情」、そして「あきらめないこと」の大切さを学びました。
間違いではありませんが、かぎかっこが続くことで文章が読みにくくなっています。
この本から、勇気や友情、あきらめないことの大切さを学びました。
かぎかっこを使わなくても意味が伝わる場合は、無理に付ける必要はありません。

強調のかぎかっこは、文章の中で特に大切な言葉だけに使いましょう。
使うか迷ったときは、かぎかっこを外しても意味が伝わるか読み返してみてください。
横書きの原稿用紙でもルールは同じ?
横書きの原稿用紙でも基本的な考え方は同じです。
- 会話文は「」で囲む
- 独立した会話文は改行する
- 会話文の始まりは行頭から書く
- 句点と閉じかっこは同じマスに入れる
- 句点や閉じかっこだけを行頭に置かない
- 開きかっこだけが行末に来るのを避ける
縦書きと横書きでは、文章が進む方向や記号を書く向き、マスの中での位置が異なります。
しかし、かぎかっこの使い方や改行の判断は大きく変わりません。
学校から横書き用の見本や説明を受けている場合は、その書き方に合わせてください。
学校で教わった書き方が違う場合はどうする?
学校で教わった書き方を優先しましょう。
原稿用紙におけるかぎかっこの使い方には、公的に統一された一つの決まりがあるわけではありません。
特に、次のような部分は学校や教材によって説明が異なることがあります。
- 会話文の2行目を1マス空けるか
- 会話文から書き始めるときに1マス空けるか
- 行末の句点やかぎかっこをどこに入れるか
- 引用文を改行するか
先生から説明を受けている場合や、学校から書き方の見本が配られている場合は、その方法に従えば問題ありません。
コンクールへ応募するときは、応募要項に原稿用紙や引用についての指定がないかも確認しましょう。
特に指定がなければ、この記事で紹介した一般的な書き方を参考にし、感想文の途中で書き方が変わらないように統一してください。

細かな書き方に違いがあっても、指定された方法を守り、読みやすく統一されていれば大丈夫です。
迷ったときは、清書する前に先生へ確認しましょう。
まとめ|セリフの種類に合わせて改行とかぎかっこを使い分けよう
読書感想文でセリフを書くときは、すべて同じように改行するわけではありません。
本の短いセリフを引用するときは、基本的に改行せず自分の文章の中に入れる。
一方、家族や友達との会話を書くときは、改行して行頭の1マス目から書き始めます。
また、自分の心の声や強調したい言葉には「」を使い、本の題名には『』を使うのが一般的です。
原稿用紙へ清書する前には、次の点を確認しましょう。
- 会話文の始まりを行頭の1マス目に書いているか
- 句点と閉じかっこを同じマスに入れているか
- 句点や閉じかっこだけが行頭に来ていないか
- 開きかっこだけが行末に来ていないか
- 感想文の中で書き方が統一されているか

細かなルールを覚えることも大切ですが、かぎかっこはセリフや心の声を読み手に分かりやすく伝えるための記号です。
何を表す言葉なのかを考え、読みやすい形で使い分けましょう。
学校やコンクールから書き方を指定されている場合は、その方法を優先してください。

本当に大事なのは書き方よりも内容です!
体裁よりも自分の感想を正直に書くことが大事です!


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