「読書感想文を書きたいけれど、どのように文章を組み立てればよいのか分からない」
「自分の学年に合った例文を参考にしたい」
読書感想文は、書き方を説明されただけでは、完成した文章をイメージしにくいもの。
書き出しからまとめまでの例文を見ることで、何をどのような順番で書けばよいのかが分かりやすくなります。
この記事では、小学生・中学生・高校生向けの読書感想文の例文を学年別に紹介します。
例文の構成を分かりやすく整理し、自分の経験や考えに置き換える方法も解説。
例文をそのまま写すのではなく、文章の組み立て方を参考にしながら、自分の言葉で読書感想文を書いていきましょう。

自分の学年に合った例文から、書き方の流れをつかんでみましょう!
学年別|読書感想文の例文早見表
| 学年 | 例文で確認したいポイント |
|---|---|
| 小学1・2年生 | 心に残った場面と素直な気持ちの伝え方 |
| 小学3・4年生 | 感じた理由と自分の体験をつなげる方法 |
| 小学5・6年生 | 本を読む前後で変わった考えの伝え方 |
| 中学生 | 作品から考えたことや自分の意見の深め方 |
| 高校生 | 作品のテーマを自分や社会と結びつける方法 |

- 名前:ジューイ
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読書感想文の例文は「構成」を参考にしよう
読書感想文の例文を読むときは、書かれている内容よりも、文章を組み立てる順番に注目しましょう。
多くの例文は、次のような流れで書かれています。
- 本を選んだ理由や読む前の印象
- 心に残った場面
- その場面について感じたこと
- 本とつながる自分の体験や考え
- 読んだあとの変化や今後の行動
この流れを参考にすれば、本や心に残った場面が違っても、自分なりの読書感想文を組み立てられます。
例文は完成した文章を借りるためのものではなく、何をどのような順番で書くのかを確認するための見本です。
例文をそのまま提出してはいけない理由
インターネットで見つけた例文をそのまま写しても、自分が本を読んで感じたことは伝わりません。
同じ本を読んでも、心に残る場面や登場人物への印象は人によって異なります。
例文を書いた人と同じ経験をしているとは限らないため、そのまま使うと自分の気持ちと合わない文章になってしまいます。

読書感想文は求められる正解を書くものではありません。
自分の感情を書くものです。
例文から取り入れてよいのは、文章そのものではなく、書き出しからまとめまでの流れです。
「この部分では本を選んだ理由を書いている」「ここで自分の経験につなげている」というように、文章の役割を確認しながら読みましょう。
自分の体験に置き換えるポイント
例文を自分の読書感想文に変えるには、心に残った場面と自分の生活を結びつけて考えます。
まずは、本を読みながら感じたことを一つ選び、次のように問いかけてみましょう。
- なぜ、その場面が心に残ったのか
- 自分にも似た経験がなかったか
- 自分なら登場人物と同じ行動をするか
- 以前の自分はどのように考えていたか
- 本を読んで考えが変わったことはあるか
登場人物と同じ経験をしていなくても問題ありません。
たとえば、友達を助ける場面が心に残った場合は、「自分が友達を助けた経験」だけでなく、「声をかけたいのに何もできなかった経験」も感想文の材料になります。
似た経験が思い浮かばないときは、「自分だったらどうするか」「登場人物の行動に賛成できるか」と考えてみましょう。
自分なりの答えを書けば、ほかの人とは違う読書感想文になります。
書く内容を順番に整理したい場合は、親子で書ける読書感想文テンプレートと書き方ガイドも参考にしてください。

例文と同じ経験がなくても大丈夫です。
自分ならどう考えるかを言葉にしてみましょう。
小学生の読書感想文例文
小学生の読書感想文では、学年が上がるにつれて、気持ちだけでなく「なぜそう感じたのか」「本を読んで考えがどう変わったのか」まで書くようになります。
青少年読書感想文全国コンクールの文字数は、小学1・2年生が800字以内、小学3~6年生が1,200字以内です。
ただし、学校から枚数や書き方を指定されている場合は、学校の決まりを優先してください。
ここでは、学年に合った言葉や内容の深め方が分かるように、低学年・中学年・高学年に分けて例文を紹介します。

なお、以下で使用する本の題名や登場人物は、例文のために作った架空のものです。
小学1・2年生の例文
小学1・2年生は、心に残った場面と、そのときに感じたことを素直に書くことが大切です。
難しい言葉を使おうとせず、自分が話すときの言葉で書いてみましょう。
わたしは、『あめの日のともだち』を読みました。
この本をえらんだのは、かさをさしている子ぐまのえが、かわいいと思ったからです。
子ぐまのクウは、あめの日に一人で家にかえっていました。
すると、木の下でぬれている子ぎつねを見つけました。クウのかさは小さかったけれど、子ぎつねに「いっしょに入ろう」と言いました。
わたしは、このばめんがいちばん心にのこりました。
小さなかさに二人で入ったら、どちらもぬれてしまいます。
それでも、子ぎつねを一人にしなかったクウは、やさしいと思いました。
わたしも、あめの日に友だちのかさに入れてもらったことがあります。
わたしがかさをわすれてこまっていると、友だちが「いっしょにかえろう」と言ってくれました。
二人でくっついてあるいたので、ランドセルは少しぬれました。でも、一人でかえるよりもずっとうれしかったです。
この本を読んで、やさしさは、だれかがこまっているときに声をかけることだと思いました。
こんどは、わたしがこまっている人に「いっしょに行こう」と言いたいです。

この例文では、「うれしかった」「やさしいと思った」という気持ちだけで終わらず、友達の傘に入れてもらった経験につなげています。
小学3・4年生の例文
小学3・4年生は、心に残った場面を紹介したあとに、なぜ心が動いたのかを詳しく書きます。
自分の経験を振り返り、登場人物と自分の行動を比べてみるのもよいでしょう。
わたしが『ぼくの声がとどくまで』を読もうと思ったのは、表紙にかかれていた男の子が、何か言いたそうな顔をしていたからです。
どんなことを伝えたいのだろうと思い、この本を選びました。
主人公のソウタのクラスには、転校してきたばかりのユウキがいます。
ユウキは休み時間になると、いつも一人で本を読んでいました。
ソウタは話しかけようとしますが、友達に何か言われるのが気になり、なかなか声をかけられません。
わたしが一番心に残ったのは、ソウタが一度通りすぎたあと、引き返してユウキに話しかけた場面です。
ソウタは勇気のある人だから話しかけられたのではありません。何度もまよい、どきどきしながら、やっと声を出しました。
わたしは、本当の勇気とは、こわくないことではなく、こわくても行動することなのだと思いました。
わたしのクラスにも、一人でいることが多い子がいました。
図工の時間に同じグループになったとき、その子が絵をかくのが上手だと気づきました。
わたしは「すごいね」と言おうとしましたが、急にはずかしくなり、何も言えませんでした。
もし、あのとき声をかけていたら、その子ともっと話せたかもしれません。
話しかけていやな顔をされたらどうしようと思っていましたが、何も言わなければ相手の気持ちは分かりません。
ソウタも同じように不安だったのだと思うと、声をかけなかったことが少し残念に感じました。
その後、ソウタとユウキは、好きな本が同じだと分かって仲良くなります。ほんの一言が、二人の関係を変えたのです。
わたしはこの本を読んで、友達になるきっかけは、特別な言葉でなくてもよいと気づきました。
「何を読んでいるの」「その絵、上手だね」という短い言葉でも、相手を知るきっかけになります。
これから一人でいる子を見かけたら、すぐに仲良くなろうと考えるのではなく、まずは自分から一言声をかけてみたいです。
この例文では、登場人物の行動と自分が声をかけられなかった経験を比べています。

過去の行動を振り返ることで、本を読んで気づいたことや、これから取り組みたいことにつなげています。
小学5・6年生の例文
小学5・6年生は、本を読む前に持っていた考えと、読んだあとに生まれた考えを比べると、内容を深めやすくなります。
登場人物の行動を一つの見方だけで決めつけず、別の立場から考えることも大切です。
『空色のベンチ』を読む前の私は、決められた約束は、どんな理由があっても守るべきだと考えていました。
約束を破る人を見ると、相手の事情を聞く前に「無責任な人だ」と思うこともありました。
物語の主人公ハルは、同じ班のレンに不満を持っています。
レンは公園に置くベンチを作る活動に参加していますが、何度も集合時間に遅れ、作業を休む日もありました。
ハルは、レンが面倒な作業から逃げているのだと思い、班から外したほうがよいと考えます。
私も最初は、ハルの考えに賛成でした。
みんなが時間を守って作業しているのに、一人だけ遅れたり休んだりするのは不公平だと思ったからです。
しかし、レンが遅れていた理由を知って、私の考えは変わりました。
レンは、仕事に出かける母親の代わりに、幼い弟を保育園へ送っていました。
自分から話さなかったのは、家庭の事情を説明して特別扱いされたくなかったからです。
それでもレンは、家でベンチの設計図をかき、参加できない分を取り戻そうとしていました。
この場面を読んで、私は係活動で同じ班になった友達のことを思い出しました。
その友達は話し合いでほとんど意見を言わなかったため、私はやる気がないのだと思っていました。
けれども発表の前日、その友達が一人で資料の間違いを直していたことを知りました。
人前で話すのは苦手でも、自分にできることを探していたのです。
私は、目に見える行動だけで、その人の気持ちまで分かったつもりになっていました。
レンが遅刻したことも、私の友達が発言しなかったことも、それだけを見れば「協力していない」と思えます。
しかし、表からは見えない理由や努力がありました。
もちろん、約束を守らなくてもよいわけではありません。
事情を話せるのであれば、周りに伝えることも必要です。
一方で、約束を破ったという結果だけを見て、すぐに相手を責めるのも違うと思います。
まず理由を聞き、おたがいにできる方法を考えることが大切です。
物語の最後に完成した空色のベンチは、ハルだけでもレンだけでも作れないものでした。
考え方やできることが違う人たちが、相手を知ろうとしたから完成したのだと思います。
この本を読んでから、私は誰かの行動に不満を持ったとき、「どうしてそうしたのだろう」と一度考えるようになりました。
自分からは見えていない事情があるかもしれません。
すぐに決めつけるのではなく、相手の話を聞いてから考えられる人になりたいです。
この例文では、最初に持っていた「約束は必ず守るべき」という考えが、物語と自分の経験を通してどのように変わったのかを書いています。

自分とは異なる立場にも目を向けることで、高学年らしい考えの深まりが伝わります。
学年が上がるほど、感じたことに加えて「なぜそう思ったのか」まで書くことが大切になります。
自分の経験や考えと結びつけながら、感想を深めてみましょう。
まだ読む本が決まっていない場合は、小学生の読書感想文におすすめの本も参考にしてください。
中学生の読書感想文例文
中学生の読書感想文では、登場人物の行動に対する感想だけでなく、作品から生まれた疑問や自分なりの意見まで書くことが大切です。
自分の経験を取り上げる場合も、出来事を紹介して終わるのではなく、その経験から何を考えたのかまで掘り下げましょう。
書き出しからまとめまでの例文
「多数決で決まったことなら、全員が納得しなければならないのだろうか。」
『答えのない教室』を読み終えたあと、私の中に残ったのはこの疑問だった。
物語では、学校の中庭にある古い桜の木を残すか、切るかについて生徒たちが話し合う。
桜の根によって通路が歩きにくくなり、枝が折れる危険もあるため、学校は木を切って中庭を整備する計画を立てていた。
主人公のアキラは、最初から木を切ることに賛成していた。安全に学校生活を送るためなら仕方がないと考えたからだ。
一方、同じクラスのナオは、卒業生や近所の人にとって大切な木なのだから、簡単に決めるべきではないと反対する。
話し合いをしても意見がまとまらず、クラスでは多数決が行われた。
結果は、木を切ることへの賛成が反対を大きく上回った。アキラはこれで問題が解決したと思うが、ナオは納得しなかった。
私は最初、ナオの態度をわがままだと感じた。
みんなで決めた結果を受け入れなければ、いつまでたっても話し合いが終わらないと思ったからだ。
しかし、ナオは結果を無視したかったわけではなかった。
木を残す方法を十分に調べないまま、多数決をしたことに疑問を感じていたのだ。
ナオは樹木について詳しい人に相談し、危険な枝を切ったり通路の位置を変えたりすれば、桜を残せる可能性があることを知る。
この場面を読んで、私は昨年の文化祭で出し物を決めたときのことを思い出した。
私のクラスでは、多数決によって舞台発表をすることになった。
私は賛成したが、人前に出ることが苦手な生徒もいた。その生徒たちの意見を聞く前に、「多数決で決まったから」と話を進めてしまった。
最終的には、全員が舞台に立った。しかし、練習中にほとんど発言しない生徒もいた。
当時の私は、やる気がないのだと思っていた。今考えると、自分の不安を言い出せなかったのかもしれない。
多数決は、多くの人が納得できる結論を出すために必要な方法だと思う。全員の希望をかなえるのが難しい場面もある。
それでも、数の多い意見だけが正しく、少ない意見には価値がないということにはならない。
桜の木を残したい人が少なかったとしても、その理由を聞くことで、木を切る以外の方法が見つかった。
文化祭でも、人前に立つのが苦手な理由を聞いていれば、舞台に出る役と裏方の役を分けることができたかもしれない。
物語の最後では、桜の木を残しながら安全な通路を作る計画がまとまる。
最初の多数決にはなかった選択肢が、反対意見に耳を傾けたことで生まれたのだ。
私はこの本を読むまで、多数決は話し合いを終わらせるための方法だと思っていた。
しかし今は、投票をする前に、それぞれがなぜ賛成し、なぜ反対するのかを知ることが大切だと考えている。
全員が同じ意見になる必要はない。
それでも、少ない意見を最初から切り捨てず、一度立ち止まって聞くことはできる。
次にクラスで何かを決めるときは、手を挙げた人数だけでなく、その後ろにある理由にも目を向けたい。
中学生らしい感想にするポイント
中学生らしい読書感想文にするには、作品から一つの問いを見つけ、自分なりの答えを考えます。
例文では「多数決で決まったことなら、全員が納得しなければならないのか」という問いを最初に示しました。
その後、物語の出来事と文化祭での経験を比べ、最後に現在の考えをまとめています。
感想を深めるときは、次の点を意識してみましょう。
- 登場人物の行動に賛成か反対かを考える
- なぜその人物は行動したのかを想像する
- 自分にも似た経験や反対の経験がなかったか振り返る
- 読む前と読んだあとで変わった考えを整理する
- 最初に示した疑問に、自分なりの答えを出す
登場人物に共感できない場合も、その理由を書けば立派な感想になります。
「自分ならどうするか」を考えることで、自分の価値観が表れるからです。

作品から生まれた疑問に、自分の経験を重ねて考えてみましょう。
自分なりの答えが、感想文の中心になります。
書き始め方を増やしたい場合は、中学生向けの読書感想文の書き出し例を参考にしてください。
最後のまとめ方に迷った場合は、中学生向けの読書感想文の終わり方で詳しく解説しています。
高校生の読書感想文例文
高校生の読書感想文では、作品の内容を自分の生活だけでなく、社会や将来の問題へ広げて考えることもできます。
一つの考えを正しいと決めつけず、別の立場から見た場合の利点や問題点にも触れると、考察に深みが生まれます。
書き出しからまとめまでの例文
つらい記憶だけを選んで消せるとしたら、私はその機能を使うだろうか。
『記憶を預ける町』は、人の記憶をデータとして保存し、本人が望めば思い出せない状態にできる社会を描いた物語である。
主人公のユナは、親友との関係が壊れたことに苦しみ、その出来事に関する記憶を町の管理施設へ預ける。
記憶を手放したユナは、親友の姿を見ても胸が痛まなくなり、以前のような日常を取り戻したように見えた。
私は物語の前半を読みながら、忘れることが本人を救うなら、記憶を消してもよいのではないかと考えていた。
時間がたっても消えない苦しみを抱え続けるより、新しい生活へ進めるほうがよいと思ったからだ。
しかし、ユナは親友と過ごした楽しい時間まで思い出せなくなっていた。
二人の関係が壊れた原因だけを切り離すことはできず、その出来事と結びついた大切な記憶も遠ざかってしまったのである。
さらにユナは、自分がなぜ人との約束に慎重なのか、なぜ特定の言葉に不安を感じるのかも分からなくなっていく。
感情だけが残り、その理由を説明できない状態になったのだ。
この場面から、記憶は過去を保存するだけのものではなく、現在の自分の考え方を形作るものなのだと気づいた。
私は以前、部活動の大会で大きな失敗をしたことがある。
試合の終盤で判断を誤り、チームが負ける原因を作ってしまった。
しばらくはその場面を思い出したくなくて、大会の写真や仲間とのメッセージを見ないようにしていた。
できるなら記憶ごと消したいと思ったこともある。
しかし、失敗したときの判断を振り返ったことで、自分は焦ると周囲の声を聞けなくなると分かった。
その後の練習では、状況を確認してから動くことを意識するようになった。
失敗した記憶がなければ、後悔はせずに済んだかもしれない。
一方で、自分の弱さに気づくこともなかっただろう。
だからといって、つらい記憶はすべて抱え続けるべきだとは思わない。
思い出すだけで日常生活が送れなくなるほど苦しんでいる人にとって、記憶から距離を置く技術が助けになる可能性もある。
忘れることを選ぶ本人の意思も尊重されるべきだ。
問題は、記憶を消すか残すかという二つの選択肢だけではない。
誰が記憶を管理するのか、消したあとに元へ戻せるのか、本人が十分に理解したうえで選べるのかも考える必要がある。
物語の中では、預けられた記憶が、本人の知らないところで性格や行動を予測するために利用されていた。
記憶は本人だけのものに見えるが、データになれば他人が扱える情報にもなる。
苦しみから逃れるために預けた記憶が、別の形で自分の未来を決める材料になるのは恐ろしいと感じた。
読み始めたときの私は、苦しい記憶を消せることを自由だと考えていた。
しかし読み終えた今は、消すことを選べるだけでは十分ではないと思っている。
残した場合と消した場合に何を失うのかを知り、自分で管理できて初めて自由と呼べるのではないだろうか。
人は失敗や後悔だけで成長するわけではない。
それでも、過去の出来事をどのように受け止めたかは、現在の自分につながっている。
私はあの大会での失敗を、今でも思い出すと苦しくなる。
しかし、その記憶をなかったことにするのではなく、同じ失敗を繰り返さないための経験として持っていたい。
忘れないこともまた、自分で選べる自由の一つだと思う。
考察を深めるポイント
高校生の読書感想文では、作品に対する賛成・反対だけで結論を出さず、別の立場からも考えてみましょう。
例文では、記憶を消す技術について「苦しみから救われる」という利点と、「自分らしさや情報の管理に関わる」という問題点の両方を取り上げています。
考察を深めるときは、次の視点が役立ちます。
- 作品が問いかけているテーマを短い言葉で表す
- 登場人物とは異なる立場から考える
- 便利さと危険性など、対立する面を比べる
- 自分の経験を作品のテーマと結びつける
- 個人の問題を社会全体の問題へ広げる
- 最初の考えがどのように変化したかを示す
社会問題を取り上げる場合も、一般的な説明だけで終わらせず、必ず作品中の出来事と結びつけます。
読書感想文の中心は、作品を読んだ自分が何を考えたかだからです。
また、無理に大きな問題の答えを出す必要はありません。
「今の自分はこう考えるが、別の立場から見ると違う答えもある」と整理することでも、考えた過程が伝わります。

一つの答えに急いで決めず、別の立場からも問い直してみましょう。
考えが変化した過程を書くことで、自分らしい考察になります。
読む本を探している場合は、高校生の読書感想文におすすめの本も参考にしてください。
例文を自分の読書感想文に変える4ステップ
自分の学年に合った例文を見つけたら、言葉だけを少しずつ変えるのではなく、本を選んだ理由や心に残った場面を自分のものに入れ替えます。
ここでは「失敗しても練習を続ける主人公の物語」を読んだ場合を例に、感想文の材料を整理していきます。

最初から文章にする必要はありません。
まずは4つの項目について、短い言葉でメモしてみましょう。
本を選んだ理由を置き換える
最初に、なぜその本を選んだのかを振り返ります。
例文に「表紙にひかれて選びました」と書かれていても、自分が選んだ理由が同じとは限りません。
実際に本を手に取ったときのことを思い出しましょう。
本を選んだ理由には、次のようなものがあります。
- 家族や友達にすすめられた
- 課題図書の中で題名が気になった
- 自分と同じ年齢の主人公が登場する
- 好きなスポーツや動物が題材になっている
- あらすじを読んで続きを知りたいと思った
- 表紙の絵や写真が気になった
「課題だったから」という理由でも問題ありません。
その場合は、課題図書の中からなぜその一冊を選んだのかまで考えてみます。
書き換え例
私がこの本を選んだのは、主人公がサッカー部に所属していたからです。
私もサッカーをしているので、試合に出られない主人公がどのように練習を続けるのか気になりました。

本を選んだ理由に自分の興味や経験を加えると、感想文の最初から書いた人らしさが表れます。
心に残った場面を選び直す
次に、自分の心が最も動いた場面を一つ選びます。
例文で取り上げられている場面をそのまま使う必要はありません。
同じ本を読んでも、驚いた場面や共感した人物は人によって異なります。
本を読みながら、次のような気持ちになった場面を探してみましょう。
- うれしい、悲しい、悔しいと感じた
- 登場人物の行動に驚いた
- 自分なら違う行動をすると思った
- 登場人物の気持ちがよく分かった
- なぜそのような行動をしたのか疑問に思った
- 読む前の予想と違っていた
場面を決めたら、「何が起きたのか」と「なぜ心に残ったのか」を分けてメモします。
書き換え例
心に残ったのは、主人公が大切な試合で失敗した翌朝、一人で練習を始めた場面です。
私だったら失敗を思い出すのが嫌になり、しばらくボールに触れたくないと思うからです。

心に残った理由まで書いておくと、その後の感想につなげやすくなります。
自分の体験を加える
選んだ場面とつながる自分の経験を探します。
登場人物とまったく同じ経験である必要はありません。
物語がサッカーの話でも、自分が習字やピアノ、勉強などで失敗した経験を結びつけられます。
大切なのは、出来事の種類ではなく、そのときの気持ちや考えに共通点があることです。
書き換え例
私はピアノの発表会で、練習していた部分を間違えたことがあります。
発表会のあと、もうピアノを弾きたくないと思い、次の日の練習も休みました。
そのため、失敗した翌朝から練習を始めた主人公をすごいと思いました。
同時に、主人公も本当は逃げたかったのではないかと考えました。
自分の体験を書いたあとは、登場人物との共通点や違いを考えます。

「主人公と同じように行動できた」だけでなく、「自分にはできなかった」「以前は反対の行動をした」という経験も、感想を深める材料になります。
読む前後の変化を書く
最後に、本を読む前と読んだあとで、自分の考えがどう変わったのかを整理します。
考えが大きく変わっていなくても、新しく気づいたことや、これから意識したいことがあればまとめに使えます。
次の形に当てはめると考えやすくなります。
読む前は〇〇と考えていた。
しかし、〇〇の場面を読んで△△に気づいた。
これからは□□してみたい。
先ほどの内容を使うと、次のように書けます。
書き換え例
この本を読む前の私は、失敗したら気持ちを切り替え、しばらく忘れたほうがよいと思っていました。
しかし、主人公が失敗した原因と向き合い、次の日から練習する姿を読んで、悔しいときこそ少しだけでも行動することが大切だと気づきました。
これから失敗したときは、すぐに諦めるのではなく、できなかった理由を一つ考えてから次の練習を始めたいです。
ここまで整理すると、感想文の骨組みが完成します。
- サッカーに興味があり、本を選んだ
- 主人公が失敗の翌朝から練習した場面が心に残った
- ピアノの発表会で失敗し、練習を休んだ経験を思い出した
- 失敗したときこそ少しでも行動したいと考えるようになった
あとは、それぞれの内容を文章で詳しく説明し、順番につなげていきましょう。

最初から長い文章を書こうとしなくても大丈夫です。
4つの材料を短くメモしてから、少しずつ文章にしてみましょう。
読書感想文のよくない例文と改善例
読書感想文には、正しい感想と間違った感想があるわけではありません。
ただし、感じたことの理由や本とのつながりが書かれていないと、読み手に自分の考えが伝わりにくくなります。
ここでは、読書感想文でよく見られる例をもとに、どのように書き直せばよいのかを紹介します。
あらすじだけになっている例
主人公は森の中でけがをした鳥を見つけました。
家へ連れて帰り、毎日えさをあげました。
鳥は元気になり、最後に空へ飛んでいきました。
この文章からは本の内容は分かりますが、書いた人がどこで心を動かされたのかは分かりません。
あらすじを短くし、自分の気持ちを加えます。
改善例
主人公は、森で見つけたけがをした鳥を毎日世話しました。
私が心に残ったのは、元気になった鳥を空へ返す場面です。
大切に育てた鳥と別れるのは悲しいはずなのに、鳥の幸せを考えて手を放した主人公は強いと思いました。

出来事をすべて説明するのではなく、心に残った場面を選ぶことで、感想の中心が伝わりやすくなります。
「すごい」「面白かった」だけで終わっている例
主人公は勇気があってすごいと思いました。
物語も面白かったです。
「すごい」「面白かった」という感想自体が悪いわけではありません。
しかし、何を見てそう感じたのかが書かれていないため、読み手には理由が伝わりません。
改善例
主人公が、失敗するかもしれないと分かっていても、友達を助けるために一人で先生へ相談した場面が心に残りました。
私は失敗しない人が勇気のある人だと思っていましたが、迷いながらも行動できることが本当の勇気なのだと感じました。
感想の前に具体的な場面を示し、「なぜそう思ったのか」を付け加えると、考えが伝わる文章になります。
自分の体験だけになっている例
私も友達とけんかしたことがあります。その日は話をしませんでした。
次の日に友達からあやまってくれたので、仲直りしました。
今では一緒に遊んでいます。
自分の体験は読書感想文を深める材料になりますが、体験だけが続くと、本とのつながりが見えなくなります。
改善例
主人公が自分の間違いを認め、友達にあやまった場面を読んで、私が友達とけんかしたときのことを思い出しました。
あのときの私は、友達が先にあやまってくれるのを待っていました。
主人公のように自分から気持ちを伝えていたら、もっと早く仲直りできたかもしれません。

本の場面を先に示し、自分の経験と比べることで、その体験を取り上げた理由が分かります。
まとめが前の内容とつながっていない例
この本はとてもよい本でした。
これからはいろいろなことを頑張りたいです。
前の文章で何について考えたのかが分からないため、「頑張りたい」というまとめが急に出てきたように見えます。
改善例
この本を読んで、失敗したときに大切なのは、できなかった自分を責め続けることではなく、次にできることを一つ見つけることだと気づきました。
これから失敗したときは、すぐに諦めず、まず原因を振り返ってからもう一度挑戦したいです。
本を読んで気づいたことと、これから取り組みたい行動をつなげると、感想文全体が自然にまとまります。
書き終わったら、次の点を確認してみましょう。
- あらすじが長くなりすぎていないか
- 心に残った場面が具体的に書かれているか
- 感じたことに理由が付いているか
- 自分の体験と本の内容がつながっているか
- 最後のまとめが、それまでに書いた内容と合っているか
すべてを一度に直そうとせず、足りない部分を一つずつ書き足していけば、伝わりやすい読書感想文になります。

感想を変える必要はありません。
「なぜそう思ったのか」を一つ加えて、読み手に伝わる形へ整えてみましょう。
読書感想文の例文についてよくある質問
読書感想文の例文を参考にするときに迷いやすい、コピペや文字数、あらすじの分量について回答します。
例文をコピペして提出してもいい?
例文をそのままコピーして提出してはいけません。
読書感想文は、本を読んだ本人が感じたことや考えたことを書くものです。
例文を書いた人と自分では、心に残った場面や過去の経験が異なります。
例文からは、次のような文章の組み立て方を参考にしましょう。
- どのような内容から書き始めているか
- あらすじをどの程度説明しているか
- 心に残った場面から感想をどう広げているか
- 自分の経験をどこに入れているか
- 最後にどのような考えをまとめているか
文章を少しだけ言い換えるのではなく、本を選んだ理由や心に残った場面、自分の経験を入れ替えることが大切です。

学校の勉強やテストには正解や間違いのあるけれど、読書感想文は自分が書いたものが正解になります。この機会を大切にしましょう。
各学年で何文字書けばいい?
学校の宿題として提出する場合は、先生から指定された文字数や原稿用紙の枚数に従いましょう。
青少年読書感想文全国コンクールでは、本文の文字数が次のように定められていました。
| 部門 | 対象学年 | 本文の文字数 |
|---|---|---|
| 小学校低学年の部 | 小学1・2年生 | 800字以内 |
| 小学校中学年の部 | 小学3・4年生 | 1,200字以内 |
| 小学校高学年の部 | 小学5・6年生 | 1,200字以内 |
| 中学校の部 | 中学生 | 2,000字以内 |
| 高等学校の部 | 高校生 | 2,000字以内 |
句読点はそれぞれ1字として数え、改行によってできた空白も文字数に含まれます。
一方、題名・学校名・氏名は本文の文字数には含まれません。
この文字数は上限であり、必ず最後のマスまで埋めなければならないという意味ではありません。
ただし、短すぎると本を読んで感じたことを十分に伝えられない場合があります。
いきなり文字数を増やそうとするのではなく、心に残った理由や自分の経験を詳しく説明して、内容を広げていきましょう。
あらすじはどのくらい必要?
あらすじは、感想文全体の1~2割程度が目安です。
たとえば、800字の感想文なら80~160字程度、1,200字なら120~240字程度に収めます。
ただし、作品の内容や取り上げる場面によって必要な説明量は変わるため、厳密に字数を合わせる必要はありません。
あらすじを書く目的は、本を読んでいない人にも、心に残った場面の状況を分かってもらうことです。
物語の始まりから結末まですべて説明するのではなく、感想につながる部分だけを選びましょう。
主人公のソウタは、転校してきたユウキに話しかけたいと思いながらも、周囲の目が気になって声をかけられません。
このあとに「私が心に残ったのは、ソウタが一度通りすぎたあと、引き返した場面です」と続ければ、必要な状況を短く伝えられます。
あらすじを書いたあとに、
私はこの場面を読んで、以前の自分の行動を思い出しました。
などと続け、自分の感想や経験へ移りましょう。
実際の本を使った例文でも大丈夫?
実際に出版されている本を題材にした例文を参考にしても問題ありません。
ただし、その例文だけを読んで感想文を書くのではなく、必ず自分でも本を読みましょう。
同じ作品でも、例文とは別の場面が心に残ったり、登場人物に異なる印象を持ったりすることがあります。
実在する作品について例文を書く場合は、次の点にも注意が必要です。
- 本の題名や著者名を正しく書く
- 登場人物や出来事を事実と違う内容にしない
- 例文の感想を自分の感想として使わない
- 本文の言葉を引用するときは原文を確認する
- 引用した部分と自分の文章を区別する
青少年読書感想文全国コンクールのQ&Aでは、本の文章を引用する場合、一字一句変えずに書き、かぎかっこでくくるよう案内されています。

実際の本を使った例文は、作品の読み方を広げる参考になります。
例文とは違う感想も大切にし、自分が心を動かされた場面を選んでみましょう。
引用の詳しいルールや原稿用紙での書き方は、読書感想文の引用の書き方|ルールとセリフの例文で解説しています。
まとめ|例文の構成を参考に自分の言葉で書こう
読書感想文の例文は、文章をそのまま写すためのものではなく、書き出しからまとめまでの流れを知るための見本です。
例文を参考にするときは、次の内容を自分のものに置き換えましょう。
- その本を選んだ理由
- 自分が心を動かされた場面
- その場面が心に残った理由
- 本とつながる自分の経験や考え
- 本を読む前後で変わったこと
同じ本を読んでも、どの場面に注目するか、登場人物の行動をどう感じるかは人によって異なります。
例文とは違う感想を持った場合も、それが自分らしい読書感想文の材料になります。
何から書けばよいか迷ったときは、まず本の中で最も心が動いた場面を一つ選んでください。
「なぜ気になったのか」「自分ならどうするか」と考えることで、少しずつ感想を広げられます。
例文の構成を道しるべにしながら、本を読んだからこそ生まれた気持ちや考えを、自分の言葉で伝えてみましょう。

上手な文章にしようと急がなくても大丈夫です。
心に残ったことを一つずつ整理し、自分だけの読書感想文に仕上げていきましょう。


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