読書感想文の本選びに悩んでいませんか?
「感想が書きやすい本ってどれ?」「読みやすさも重視したい」と感じる方のために、本記事では読書感想文にぴったりな本をジャンル別に紹介します。
感動、友情、実話、ユーモアなど、テーマごとに「なぜ書きやすいのか?」も丁寧に解説。
さらに、作文が苦手な子ども向けに読みやすい本の選び方や、感想文を書くときのヒントも紹介しています。
お子さんが本と出会い、自分の言葉で気持ちを表現する手助けになれば幸いです。
読書感想文に“書きやすい本”とは?
読書感想文を書くときに、いちばん大切なのは「自分の気持ちや考えを言葉にしやすい本を選ぶこと」です。
ただ面白いだけでなく、「何かを感じた」「考えさせられた」という本の方が、感想文には向いています。
ここでは、書きやすい本の特徴を3つの観点から紹介します。どんな本を選べば感想がスラスラ出てくるのか、そのヒントにしてみてください。
感情が動かされるストーリーは感想が浮かびやすい
物語を読んで「悲しかった」「胸が熱くなった」「笑ってしまった」など、心が動いた経験はありませんか?
このような感情の動きこそが、読書感想文を書くうえでの原動力になります。
感動的なシーンや思わず涙が出そうになった場面に出会うと、「なぜ自分はそう感じたのか?」と考えるきっかけになります。
この「なぜ」が言葉として自然に表現され、作文の中身を豊かにしてくれるのです。

特に、家族や友だちとの関係、夢への挑戦、命の大切さなど、読者の心に直接語りかけてくるようなストーリーは、感想文にしやすい傾向があります。
メッセージ性があると「自分の意見」が書きやすい
ただ物語を楽しむだけでなく、「この本は何を伝えたかったのか?」という問いかけができる本は、感想文に向いています。
たとえば、戦争や平和、環境問題、いじめ、命の尊さなど、社会的なテーマを扱っている本には、必ず作者からの強いメッセージがあります。
そのメッセージをどう受け取ったか、自分はどんな意見を持ったかを書けば、読み応えのある感想文に仕上がります。
大切なのは「正解」を書こうとしないこと。
たとえ自分の考えが少数派でも、感じたことを自分の言葉で書く姿勢が、感想文をより魅力的にします。
「共感」や「驚き」など、自分ごととして考えやすいものを
物語の中に出てくる登場人物の気持ちに共感できたり、「自分だったらどうするかな?」と考えられるような内容は、感想文の素材としてとても書きやすいです。
たとえば、主人公が失敗を乗り越える話や友だちとけんかして仲直りするエピソードなど、子ども自身の経験と重ねやすい話は、自然と「自分のこと」として捉えられるため、感想が書きやすくなります。
また、思いもよらない展開に「びっくりした!」「そんな考え方があったんだ」と感じた本も、感想文の書き出しに使いやすい材料になります。
こうした「共感」や「驚き」は、自分の視点を育ててくれる読書の醍醐味です。
読書感想文が書きやすい本【ジャンル別】
読書感想文を書くうえで「本の内容と自分の感じ方がつながること」はとても大切です。
そのためには、学年や文字量だけで選ぶのではなく、「どんなテーマの本が自分に合いそうか?」という視点で選ぶのもおすすめです。
ここでは、感想文が書きやすくなる5つのジャンルに分けて、本の特徴と選び方のヒントをご紹介します。
お子さんの性格や好みに合わせて、「このジャンルなら書きやすいかも」と思えるものを見つけてみてください。
感動する本|心が動く体験が書きやすい
涙が出るような感動的な物語は、読書感想文にぴったりです。
人との別れ、家族の愛、困難を乗り越える姿などを描いた本は読者の心を動かし、「なぜ感動したのか?」を自然に考えさせてくれます。
感動というのは人それぞれ違いますが、その「自分だけの感じ方」こそが感想文の核になります。
たとえば「自分だったらどうする?」「この場面で泣いたのはなぜ?」という問いかけが、作文の書き出しになります。

特に、読書感想文で「心に残った場面」や「本を通して感じたこと」を書く課題が出されている場合には、感動系の作品は最適です。
友情や家族をテーマにした本|身近な共感が得られる
友だちや家族との関係を描いた本は、子どもたちにとって身近で共感しやすく、感想が書きやすいジャンルです。
「自分にもこんな経験があった」「兄弟げんかを思い出した」など、実生活と結びつけやすいため、作文に自然な言葉が出てきます。
特に低学年〜中学生にかけては、「家族と向き合う」「仲直りの難しさ」「友情の意味」といったテーマに触れることで、相手を思いやる気持ちや自分自身の成長を振り返るきっかけにもなります。
「似たようなことがあったな」と思える体験があるほど、感想文には具体性と説得力が出てきます。

親子で一緒に読んで、話題にしやすいのもこのジャンルの魅力です。
考えさせられる本|自分の意見や問題提起がしやすい
いじめ、差別、環境問題、戦争など、重いテーマを扱った本は、一見難しそうに感じますが、感想文の内容としては非常に書きやすいこともあります。
というのも、「自分はどう思うか」「こうした問題にどう向き合うか」を考えることで、自分自身の意見を整理しやすくなるからです。
このジャンルでは、「本を通じて考えが変わったこと」「納得できなかった点」なども立派な感想になります。
たとえ感情移入が難しくても、「わからなかった」「理解できなかった」ことを書き出すことで、思考の過程を表現できるのです。
感想文が評価されるポイントのひとつに「自分の視点で考えているか」があります。
そうした意味でも、このジャンルは深みのある読書感想文を書くチャンスになります。
ちょっと笑える本|楽しく読めて書きやすい
読書感想文というと「まじめで深い話じゃないといけない」と思われがちですが、ユーモアや笑いのある作品も立派な題材になります。
楽しく読める本は読書へのハードルを下げてくれますし、「思わず笑ってしまった」「予想外の展開がおもしろかった」という素直な感想が書きやすくなります。
特に読書や作文に苦手意識がある子にとっては、笑いのある本が「読むきっかけ」「書くきっかけ」になります。
また、笑いの中にも「作者の工夫」や「伝えたいこと」が込められている場合が多く、感想文ではそうした点に気づいたことを書くのも効果的です。
難しい言葉や構成が少なく、読後の印象が強く残るという点でも気軽に選びやすいジャンルです。
実話・ノンフィクション|「事実への驚き」が書きやすい
実際にあった出来事や、実在の人物の体験を描いたノンフィクションの本は、「知る」ことの面白さと「現実への驚き」を感じられるジャンルです。
フィクションと違って「これが本当にあったなんて」と思うような事実に出会うことで、読者は自然と「自分だったらどうしたか」「この人はすごい」と考えるようになります。
その驚きや疑問、感動が、感想文の中にとても書きやすく表れてくるのです。
また、調べ学習や総合的な学習と連動しているテーマも多いため、「学びと感想をセットで書ける」という意味でも、教育現場では重宝されます。
「事実を知って終わり」ではなく、「その事実から何を学んだか」を書くことが、読書感想文の質を高めるポイントになります。
作文が苦手な子どもにおすすめの本ランキング
読書感想文に苦手意識がある子どもにとって、「読むこと」と「書くこと」の両方にハードルを感じてしまうケースは少なくありません。
そうした子には、まず「読める」「楽しめる」本との出会いが大切。
このセクションでは、特に作文が苦手な子どもでも取り組みやすい本を3つの特徴に分けて紹介します。
「少しでも楽しく読めて、感想を書きやすくなる」ことを意識した選び方のヒントをお届けします。
短くて読みやすい本【低学年にも◎】
文章量が多かったり、1冊に時間がかかる本は、作文が苦手な子にとって負担になりやすいものです。
そういった場合は、「ページ数が少ない」「章ごとに区切られていて読みやすい」といった構成の本を選ぶのがおすすめです。
短い本は「最後まで読み切れた!」という達成感が得やすく、それだけでも子どもにとっては大きな自信になります。
また、短くても心に残るメッセージや印象的な場面がある本なら、少ない言葉で感想を表現する練習にもなります。
特に小学校低学年の子どもにとっては、「文字が大きい」「ふりがながある」「1話完結型」などの条件がそろった本を選ぶことで、読書自体のハードルがぐっと下がります。
イラストや会話が多く読みやすい本
作文が苦手な子は、「文章ばかりの本=難しそう」という印象を持ちやすく、なかなか読み進められないことも。
そんなときは、イラストや挿絵が多く使われている本や、会話が中心になっているストーリーを選ぶのが効果的です。
絵があることで内容の理解を助けたり、登場人物の感情が視覚的に伝わるため、「この場面好き!」「ここが面白かった!」という気づきにつながりやすくなります。
また、会話が多い本はテンポよく読めて、内容も頭に入りやすいのが特長です。
読書感想文を書くときも「○○のセリフが心に残った」など、具体的な引用をしやすいため、作文の入り口が見つかりやすくなります。
文章に対するハードルを下げつつ、自然と感想が出やすくなる構成の本を選んでみてください。
「読んでみたい」と思えるテーマの本
読みやすさだけでなく、「この本、おもしろそう!」「なんか気になる」という気持ちを持てる本との出会いが、感想文への第一歩になります。
作文が苦手な子にとっては、「書くこと」が目的になると苦しくなりがちですが、「読みたい」という気持ちがあれば、自然と感想も浮かびやすくなるのです。
たとえば、動物、冒険、おばけ、魔法、食べ物、スポーツなど、子ども自身が好きなテーマに沿った本を選んでみるのがおすすめです。
自分の興味に近い話題なら、読書中も想像力がふくらみやすく、「これ、おもしろかった!」という気持ちをそのまま感想にできます。
また、「自分と同じ悩みを持つ主人公が出てくる本」なども共感を得やすく、気持ちを表現する練習になります。
“書くために読む”のではなく、“読みたいから読む”という順番を意識して本を選んでみてください。
【読書感想文の書き方】本を選んだあとのステップ
お気に入りの本が見つかったら、いよいよ読書感想文の準備です。
「読んだけど、何を書けばいいかわからない…」という声はとても多く、本選びよりも感想文の構成でつまずくケースも少なくありません。
ここでは、読みながらどんなことに注目すればよいか、どんな構成で書けばスムーズに書けるかといった具体的なヒントをご紹介します。
作文が得意でなくても、ちょっとした意識の持ち方で、書きやすさはぐんと変わりますよ。
読書しながら「気持ちが動いた場面」に注目しよう
感想文は「本を読んだことで何を感じたか・考えたか」を書くものです。
そのため、読書中に「おもしろい!」「悲しい…」「こんな考え方もあるんだ」といった気持ちが動いた瞬間を大切にすることがポイントです。
ページの中で心に残ったセリフや、驚いた展開があったときには、ふせんを貼ったり、ノートにひとことメモしておくのがおすすめ。
あとで感想文を書くときに、その場面から自然に書き出せるようになります。
「なぜその場面が印象に残ったのか」「自分ならどうするか」と考えることで、自分の視点を深めることもできます。

「どこで自分の心が動いたか」を見つけることが、感想文を書くうえでの一番のヒントになります。
感想文に使えるフレーズ・構成のヒント
いざ感想文を書こうとすると、最初の一文に悩んでしまうことも多いですよね。
そんなときは、あらかじめ基本の構成を押さえておくと、迷わずスムーズに書き進められます。
たとえば、以下のような「4段階モデル」は特に書きやすく、おすすめです。
- 本との出会い(選んだ理由・あらすじ)
- 印象に残った場面やセリフ
- その場面で感じたこと・考えたこと
- 読後の気づき・自分の生活とのつながり
また、「○○な気持ちになりました」「△△ということを考えるきっかけになりました」などのフレーズをいくつか準備しておくと、文章にリズムが出ます。
文章のうまさよりも、「その本をどう感じたか」が伝わることが大切。
自分の言葉で、思ったことを素直に書く。それがいちばんの読書感想文です。
もっとくわしく書き方を知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
テンプレートや例文も紹介しているので、「どこから書けばいいか分からない」という場合でも安心して取り組めます。
読書感想文が苦手な子のために、やさしく丁寧に解説しています。
まとめ
読書感想文を書くには、まず「自分に合った本」との出会いが大切です。
今回ご紹介したように、感動する本、共感しやすいテーマ、笑える話、実話に基づく物語など、書きやすさにはいろいろな種類があります。
「感想が出てこない…」と悩むときは、無理にうまく書こうとしなくて大丈夫。
まずは、「どこで気持ちが動いたか」「どう感じたか」に目を向けるだけで、立派な一歩になります。
大切なのは「感じたことを自分の言葉で表す」こと。
どんな言葉でも、その子だけの視点で書かれた感想文は、読む人の心にしっかり届きます。
焦らず、ひとつずつ。
あなたの「感じたこと」が一番の正解です。
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