「読書感想文は“構成”を知るだけで、グッと書きやすくなります。」
「うちの子、読書は好きなのに感想文はなかなか書けない…」そんな悩みをお持ちの保護者の方は多いのではないでしょうか。
読書感想文は単なる宿題ではなく、「思いを整理する力」「自分の考えを表現する力」を育てる貴重な機会です。
でも、「あらすじばかりになってしまう」「そもそも何を書けばいいかわからない」という壁に、親子で苦戦することもしばしば。
本記事では、大手教育サービスや学習支援サイトによる指導記事など、10サイト以上の信頼ある情報を読み込んだうえで、AIアシスタントのジューイが小学生の保護者向けにわかりやすくポイントをまとめました。
構成の基本から書き方5ステップ、NGサポートや声かけのコツまで、「親子で無理なく書き上げる」ための具体的なヒントが満載です。
感想文を通して、「思いを伝える力」を親子で一緒に育ていきましょう。
読書感想文が苦手な子どもが多い理由とは?
読書感想文が苦手な子どもが多い理由は、大きく2つに分けられます。
★ひとつは【「読むこと」と「書くこと」がまったく別の力】であること。
★もうひとつは【「自由に書いていい」というお題の曖昧さ】が、逆に難易度を上げている点です。
たとえば、読書自体は楽しめても、その内容を言葉にして伝える力や、感じたことを整理して文章にする力はまた別のスキル。
しかも読書感想文は、単にあらすじを書くものではなく、自分の考えや感じたことをまとめて書く必要があるため、頭の中を整理して言葉にする力が求められます。
また、「自由に書いていいよ」と言われても、逆に何を書けばいいのか分からなくなってしまう子どもも多いです。
大人でも「なんでもいい」と言われると困ってしまうように、具体的な指針がないと子どもは余計に迷ってしまうもの。そういった背景から読書感想文に苦手意識を持つ子どもが多くなるのです。

ここから先は、そんな子どもたちをサポートするために親が知っておきたい構成や手順をわかりやすくご紹介していきます。
本を読むことと書くことはまったく別の力
「うちの子は本をよく読むのに感想文はまったく進まない」というケースは珍しくありません。
これは、本を読む「読解力」と読んで感じたことを文章にする「表現力」は、まったく別の力だからです。
読書をすることで心が動いても、それを言語化して構成を立て、読み手に伝わるように書くには、一定のトレーニングが必要です。
読書が好きな子ほど「自分の中で感じて完結する」傾向もあり、それを他人に説明するという習慣がないことも原因になります。
ですから、『読書ができる=感想文が得意』というわけではないという前提で、子どもを見守ることが大切。
親が「なんで書けないの?」と責めてしまうと、余計にプレッシャーを与えてしまいます。
自由すぎるお題が逆にむずかしい理由
読書感想文には「自由に書いていいよ」「感じたことを書こう」といった曖昧なお題がつきもの。
しかし、それが子どもたちにとってはかえって難しいのです。
子どもは「何を書けばいいのか」「どう書けばいいのか」がはっきりしていると、取り組みやすくなります。
しかし、読書感想文では「自由に書いてOK」と言われた途端、「正解がわからない」「自分の感想に自信が持てない」と感じてしまい、手が止まってしまうのです。
特に学校ではテストやドリルなど明確な答えがある課題に慣れているため、「何を書いてもいい」という読書感想文は、答えのない問いに取り組むような感覚になり、不安になってしまうことがあります。
このようなとき、親ができるのは「自由=なんでもいい」ではなく、「自分が感じたことに意味がある」ということを伝えてあげることです。
ガイドとなる構成や例を示すことで、自由度の中にも安心できる枠組みを与えることができます。
親が知っておきたい「読書感想文の構成」とは?
読書感想文をスムーズに書けるようになるためには、「構成」を親がしっかり理解しておくことが欠かせません。
子どもが「何から書いたらいいのか分からない」「途中で話がごちゃごちゃになる」とつまずくのは、書く順番やパーツの役割が曖昧だからです。
逆に、構成を知っていれば、子どもは安心して自分の考えや感想をのびのびと書けるようになります。
構成とは、読書感想文の“設計図”のようなもの。建物を建てる前に図面が必要なように、感想文にも全体の流れを見渡す「型」が必要なのです。
この章では、「基本の3部構成」「4つの章モデル」「原稿用紙の分量配分」について解説。
保護者がその違いや活用法を理解しておくことで、子どもとの会話の中でも的確にフォローできるようになります。
構成の理解は、単に書きやすさだけでなく、子どもが「伝える力」を身につける第一歩でもあります。
次のセクションで、構成の具体的な中身を順に見ていきましょう。
基本は「はじめ・なか・おわり」の3部構成
読書感想文の基本的な型は、「はじめ」「なか」「おわり」の3部構成。
これは作文全般に共通する流れでもあり、子どもにとっても理解しやすい枠組みです。
構成 | 書く内容 | ポイント | 例 |
---|---|---|---|
はじめ | 本を選んだ理由/読む前の印象 | 読者に「なぜこの本を選んだのか?」を伝える | ・表紙が気になった ・主人公が自分と同じ年だった |
なか | 心に残った場面+自分の考え・気持ち | 感想文の中心。なぜそう思ったのか理由も書く | ・感動した場面を紹介し「なぜ心が動いたのか」を言葉にする |
おわり | 読んだ後の気持ち・これからどうしたいか | 日常と結びつけて、前向きな気持ちで締めくくる | ・周りの人を大事にしたいと思った ・自分も〇〇してみたいと思った |
まず「はじめ」では、本を選んだ理由や読む前の印象を書きます。
たとえば「表紙が気になった」「主人公が自分と同じ年だった」など、どんな小さなきっかけでも構いません。この部分では、読者(=先生や家族)に「なぜこの本を選んだのか?」を伝えることが目的です。
「なか」では、本の中で心を動かされた場面を取り上げ、それについての自分の感じたこと・考えたことを深掘りして書きます。
感想文の核となる部分で、構成全体の7〜8割ほどの分量を占めます。
「感動した」「びっくりした」といった感情に加え、「なぜそう思ったのか?」という理由まで書くことで、説得力のある内容になります。
最後の「おわり」は、読んでみてどうだったか、これからの自分にどうつなげていきたいかを書く部分です。
たとえば「これからはもっと周りの人を大事にしたいと思った」など、日常生活に引き寄せた表現が望ましいでしょう。
この3部構成を親子で共有しておくだけでも、感想文へのハードルはぐっと下がります。

次はさらにイメージしやすい「4つの章モデル」をご紹介します。
構成をイメージしやすくする「4つの章」モデル
読書感想文を書く際に、より具体的に構成をイメージできるのが「4つの章」モデル。
これは、3部構成をもう少し細かく区切って考える方法で、特に小学生にとってわかりやすいとされています。
親子で話し合いながら章ごとに内容を整理できるため、文章の流れを見失いにくくなるのが特徴です。
第1章は「本との出会い」。
ここでは、その本をどうやって見つけたか、なぜ手に取ったかを簡単に書きます。
「図書館で見つけた」「友だちにすすめられた」「表紙の絵にひかれた」など、子ども自身の視点を大切にしましょう。
また、読む前の予想や印象を書くことで、後半の「印象の変化」と対比できる土台もできます。
第2章は「あらすじと印象に残った場面」。
本の全体像を簡単に紹介したあと、心を動かされた場面を1~2つ取り上げます。このとき、「どこが」「なぜ」印象に残ったのかをメモしておくと、次の章が書きやすくなります。
第3章は「感じたことと自分の体験」。
選んだ場面について、自分の生活や体験とつなげて考えを深めます。
たとえば、「主人公が友だちを助けた場面を読んで、自分が困っている子に声をかけたときを思い出した」といった書き方。感想文らしい個性がもっとも出る章ですね。
第4章は「読んで変わったこと・これから」。
本を読み終えて、考え方や気持ちにどんな変化があったか、これからどうしたいと思ったかをまとめます。
自然な締めくくりになるように、「この本を読んで、私は〜と思いました」で始めるとまとめやすいです。
この「4章モデル」は、内容が整理しやすく、段落分けの目安にもなります。
子どもが書き進めやすいように、保護者の方もこの型を頭に入れておくと安心ですよ。

次は原稿用紙の分量配分について具体的に見ていきましょう。
原稿用紙の枚数ごとの目安配分
感想文を書くうえで「どれくらいの分量を書くべきか」は、多くの子どもにとって大きな悩み。
特に原稿用紙の枚数指定がある場合、「何文字ぐらい書けばいいの?」「どこまで書いたら終わり?」という不安が出てきます。
そこで、あらかじめ構成に対する文字数の目安を保護者が把握しておくと、子どもへの声かけやアドバイスがぐっとしやすくなります。
以下に、原稿用紙2枚(約800字)で読書感想文を書く際の構成と文字数配分の目安を表形式で整理しました。
章構成 | 書く内容の例 | 文字数目安 | ポイント |
---|---|---|---|
序章 | 本を選んだ理由/読む前の印象 | 150〜200字 | 「なぜこの本を読もうと思ったのか?」を具体的に。些細な動機でもOK。 |
中章① | あらすじの一部/印象に残った場面の紹介 | 250〜300字 | 心が動いた場面を取り上げ、「何が起きたか」と「どう思ったか」を丁寧に。 |
中章② | 自分の体験と重ねた感想 | 250〜300字 | 「自分ならどう思うか」「似た経験があるか」など、読んだこととの接点を深める。 |
終章 | 読後の気づき/これから自分がどうしたいか | 150〜200字 | 学びや変化を前向きにまとめて締めくくる。日常へのつながりを意識する。 |
仮に3枚(約1,200字)であれば、各章を1.3〜1.5倍のボリュームにして調整します。
中学生やコンクール応募を見据えた2,000字クラスでは、中章に複数の場面や視点を入れて厚みを持たせると良いでしょう。
また、子どもが「書く場所の目安」がつかめるように、構成ごとに原稿用紙の範囲をざっくり線で区切ってあげるのも有効です。
「この部分は2行くらい書こうね」など、視覚的に捉えると子どもの抵抗感が減ります。
構成と分量が明確になることで、「どこまで書けばいいのか」が分かり、途中で迷うことが少なくなります。
これは、文章を書くことへの自信にもつながる大切なポイントです。

次のセクションでは、実際の書き方ステップについて解説していきます。
読書感想文の書き方5ステップ【親子で一緒にできる】
読書感想文をスムーズに進めるためには、「本を読む→感想を考える→文章にまとめる」という3つの工程を、より細かいステップに分けて考えることがポイントです。
特に小学生のうちは、ひとつひとつのステップに時間がかかるのは当たり前。
そのプロセスを親子で一緒に確認しながら進めることで、子どもにとって負担が軽くなり、感想文を書くことが楽しくなります。
この章では、親子で取り組みやすい「5ステップ」を紹介。それぞれの段階で、保護者がどんなふうにサポートできるかにも触れていきますね。
① 子どもが読みたいと思える本を選ぶ
読書感想文の第一歩は、本選びから始まります。
とはいえ「どんな本でもいいよ」と言われると、子どもはかえって迷ってしまうもの。
親が「おすすめ本」を一方的に決めるのではなく、子ども自身が「読んでみたい」と思える本を選ぶことが大切です。
本を選ぶときは、以下のような視点を参考にしましょう。
- 興味のあるジャンル(動物、冒険、魔法など)
- 学校で読んだことのあるシリーズの続編
- 主人公の年齢や性格が自分と似ている など
「この本、読んでみたい!」という気持ちが、感想文を書くモチベーションにつながります。
本のタイトルや表紙、あらすじを親子で一緒にチェックしながら選ぶと、自然と会話も生まれて楽しい時間になりますよ。
② 読みながら「気持ち」をメモする習慣をつける
本を読み始めたら「どんな場面で気持ちが動いたか」を意識してメモを取るように声かけしましょう。
とくに印象に残ったセリフや場面、共感したキャラクターの行動などは、あとで感想文を書くときのヒントになります。
メモのとり方に決まりはありません。付箋を貼ったり、簡単なメモをノートに書きとめたり、口頭で「ここ好きだった!」と話すだけでもOKです。
親が「どこが気になった?」と聞いてあげることで、子どもが自分の感じたことを言葉にする練習になります。
感想文の素材は「心が動いた瞬間」にあります。その気持ちを逃さないようにするには、「気づいたときにすぐ記録する」ことがコツです。
③ 感想文の骨組みを親子で一緒に作ってみる
本を読み終えたら、すぐに原稿用紙に書き出すのではなく、まずは感想文の「骨組み」を作ってみましょう。
いきなり清書を始めてしまうと、話の流れが途中でわからなくなったり、言いたいことがうまく伝わらなかったりする原因になります。
骨組みとは、いわば「文章の設計図」。
4つの章モデルや3部構成に沿って、「何をどこで書くか」をメモにして整理するのがポイントです。
たとえば、以下のような質問を親子で一緒に考えるのがおすすめ。
- 本を選んだ理由は?(導入)
- どんな場面が印象に残った?(あらすじ)
- どんな気持ちになった? なぜそう思った?(感想)
- この本を読んで何を考えた?(まとめ)
骨組みができれば、あとはそれに肉付けするだけで自然と文章が仕上がっていきます。
構成を一緒に考えることで、子どもも「書けそう」という気持ちになります。
④ 書くときの言葉選びをサポートするコツ
子どもが感想文を書く際、「言いたいことはあるけど、どう書けばいいか分からない」と悩む場面があります。
そんなときは、保護者が言葉選びのヒントを出してあげるとスムーズです。
たとえば、感情を表す言葉を一緒に探すと良いでしょう。
「うれしい」「かなしい」「ドキドキした」「すごいと思った」など、感情の言葉カードや一覧を使ってみるのも効果的です。
また、「主人公が◯◯したとき、どんな気持ちだった?」と具体的に問いかけてあげると、子どもは言葉にしやすくなります。
「~のように感じた」「~な気がした」など、比喩や感覚表現を使って広げてあげると、より生き生きとした文章になります。
注意点は「こう書いたほうがいい」と大人の正解を押しつけないこと。

子どもの言葉を尊重しながら、一緒に表現を探していく姿勢が大切です。
⑤ 書いた後の「読み返し&仕上げ」も大事
文章が書き終わったら、それで終わりではありません。仕上げとして「読み返し」の時間をとることで、より完成度の高い感想文になります。
チェック項目 | 内容・目的 | ポイント・アドバイス |
---|---|---|
① 音読してみる | 親子で声に出して読むことで、読みづらい箇所や言葉のくり返しに気づける | 流れが自然か、聞いて確認するのが◎ |
② 誤字脱字の確認 | 文字の間違いや漢字の使い方をチェックする | 小学生は気づきにくいため、親が一緒に見ると安心 |
③ 原稿用紙の確認 | 段落のあけ方・題名の位置・句読点の使い方など基本ルールをチェック | 書き直しになる前にチェックを |
④ 清書の準備 | すっきり丁寧に清書し、読みやすい文字で仕上げる | 鉛筆の濃さ・行間も整えて |
⑤ 声かけで励ます | 「よくがんばったね」「ちゃんと気持ちが書けてるね」など、達成感を与える言葉をかける | 自信や次回への意欲につながる |
まずは、親子で声に出して読んでみましょう。
読みづらいところや、同じ言葉が繰り返されていないかなどを確認できます。また、内容の流れが自然かどうかも、音読によって把握しやすくなります。
次に、誤字脱字や漢字の間違いをチェックし。小学生の場合、本人が気づきにくいので、親が一緒に見てあげると安心です。
最後に、清書の前には原稿用紙の使い方も確認しましょう。
段落のあけ方や題名の書き方など、基本的なルールを守ることも大切です。

感想文の完成後、「よくがんばったね」「伝えたい気持ちがちゃんと書けてるよ」と声をかけることで、子どもは達成感を持ち、次回への自信にもつながります。
親がやってはいけないNGサポートとは?
親として「なんとか手伝ってあげたい」と思うのは自然なことですが、読書感想文のサポートには“やりすぎ”が禁物です。
ついつい良かれと思ってしてしまう行動が、子どもの学びや自立を妨げてしまうケースも少なくありません。この章では、特に注意したい3つのNG行動について解説します。
子どもの読書感想文は、完成度の高さよりも「自分の気持ちで書けたか」が大切。
正解を押し付けるのではなく、子ども自身が感じたことを引き出せるような関わり方を心がけましょう。
「あらすじばかり書く」はNG
よくある失敗例として、「あらすじばかりで終わってしまった感想文」があります。
特に、親が感想文の構成を考える段階で「とりあえず話の流れを書いてごらん」と促すと、子どもは物語の説明ばかりになってしまうことがあるのです。
感想文は物語の要約ではありません。
大切なのは「その話を読んで、どんな気持ちになったか」「なぜその場面が心に残ったのか」といった、自分の感情や考えを書くこと。あらすじは簡潔に、1〜2段落程度で留めておくのが理想です。
保護者が先回りしてあらすじを書いてしまうと、子どもは「じゃあ、これでいいや」となり、自分の感じたことを深めようとしなくなります。
サポートするなら、あらすじは短く、印象に残った場面に焦点を当てて「どんな気持ちになった?」と対話するのが効果的です。
「代筆」は子どもの学びにならない
「時間がないから」「うまく書けていないから」と、つい親が子どもの代わりに感想文を書いてしまう——これは絶対に避けたいNG行動のひとつです。
一見、きれいに仕上がって提出できたとしても、それは子ども自身の力ではありません。
読書感想文は、考える力・伝える力・表現する力を養うための貴重な機会です。自分の言葉で悩みながらも書き上げる経験こそが、今後の学習や自己表現に生きてきます。
親がサポートできるのは、「書く前の整理」「書いたあとの見直し」「表現を引き出す声かけ」などにとどめましょう。
たとえば「ここ、もう少し詳しく書けそうだね」と問いかけることで、子どもが自分で考えるきっかけをつくることができます。
「正解」を押し付けず、気持ちを引き出す
読書感想文に「こう書くべき」という絶対的な正解はありません。
ところが、「もっと感動したって書いたほうがいいよ」「この登場人物のほうが人気だよ」などと、親の価値観を押し付けてしまうケースもあります。
感想文はあくまで、子ども自身の心が動いたことを表現する場。保護者が評価や見栄を意識してしまうと、子どもは自分の素直な気持ちを出しにくくなってしまいます。
「なんでその場面が気になったの?」「それって、どんな気持ちだった?」など、子どもの気持ちに寄り添いながら問いかけることで、本音を引き出しやすくなります。

親は“良き聞き手”として、子どもが自分の感じたことを安心して言葉にできるような雰囲気づくりを心がけましょう。
文章が苦手な子でも書けるようになる!声かけ例つきミニワーク
文章を書くのが苦手な子にとって、「いきなり書き始める」のはハードルが高く感じられます。
そんなときは、親の声かけひとつでグッと書きやすくなることも。
ここでは、実際に使える声かけ例を交えながら、子どもの“書く力”を引き出すミニワークをご紹介します。
共感を引き出す魔法の質問「どこが気になった?」
感想文を書くとき、多くの子どもが最初に迷うのが「何を書けばいいのか分からない」という壁です。
この壁を取り払う鍵が「共感の種」を見つけること。その出発点として、「どこが気になった?」というシンプルな質問がとても有効です。
この質問は、子どもにとって感情のアンテナを立てるきっかけになります。
「この登場人物の言葉が気になった」「この場面がドキドキした」など、答えは何でも構いません。
大事なのは、その子にとって「引っかかった部分」をまず言葉にしてみること。
たとえ一言のつぶやきでも、それを拾って「どうして気になったの?」「似たようなこと、自分にあった?」と広げていくことで、自然と感想の材料が集まっていきます。
感想文は、この“心の動き”を掘り下げていく作業なのです。
「なぜそう思ったの?」を深める親子の対話術
子どもの感想が「楽しかった」「面白かった」で止まってしまうのはよくあること。
ここで「どうしてそう思ったの?」と問いかけるだけで、内容が一段深まります。大人のインタビューのように、「5W1H」を意識した質問を使うのも効果的です。
たとえば「いつそう感じたの?」「どの登場人物が好き?」「どうしてそのセリフが響いたの?」など、会話のキャッチボールを通して、子どもは“自分の考え”に気づきはじめます。
この対話を感想文に落とし込むと、自然と説得力が生まれ、「自分のことばで書けた」実感にもつながります。
親が一歩引いて、子どもの思考の道案内役に徹する姿勢がとても大切です。
実際の会話例(低学年・高学年それぞれ)
【低学年の例】
親「どのシーンが一番おもしろかった?」
子「〇〇が××したところ!」
親「どうしてそこがいいなと思ったの?」
子「△△みたいで、わたしもやってみたいと思ったから」
【高学年の例】
親「最後の場面、どう感じた?」
子「ちょっと悲しかったかな」
親「何が悲しかったの?」
子「主人公があんなにがんばったのに、報われなかった気がして…」
このように、会話を通じて「自分なりの視点」に気づかせることが、読書感想文の第一歩です。
正解を求めすぎず、感情の“芽”を丁寧に拾ってあげることが、子どもの表現力を育てます。
まとめ|構成を知れば、感想文はもっとラクになる
読書感想文が難しいと感じる理由のひとつは「どう書けばいいかがわからない」こと。
ですが、親が基本の構成やステップを理解しておくだけで、子どもは一気に書きやすくなります。
感想文に正解はありませんが、“書くための道筋”を用意してあげることで、子どもは迷わずに取り組めるようになるのです。
「はじめ・なか・おわり」の三部構成、4つの章モデル、読書しながらのメモ、骨組み作りなど、今回ご紹介した方法は、どれもシンプルで再現性のあるものばかり。
さらに、親がやってしまいがちなNGサポートを避け、適切な声かけや対話を心がければ、文章が苦手な子でも自分の力で感想文を完成させることができます。
感想文を書くことは、単なる宿題以上の意味を持っています。
子どもが「思いを整理して言葉にする力」を育てる絶好の機会です。この力は、将来の学びや社会生活にも直結する大切なもの。
だからこそ、保護者が構成やサポートの方法を知っておくことが、子どもにとって大きな支えになります。
焦らず・詰め込まず・正解を求めすぎず、子ども自身の「心の動き」を見守る。
そんなスタンスで、今年の読書感想文を親子で一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。
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