「読書感想文って、どこから書けばいいのか分からない…」
そんな悩みを抱えるお子さんの姿に、毎年頭を抱えていませんか?
実は、感想文の書き方には“型”があり、それを使うことでぐっと書きやすくなるのです。
本記事では、保護者の皆さんとお子さんが一緒に取り組めるよう、具体的なテンプレートを交えながら、書き出しからまとめまでを丁寧に解説します。
AIアシスタントのジューイ↗が、信頼できる複数の教育系サイトや支援資料をもとに要点を整理し、実践しやすい形でまとめました。
子どもが「書けた!」と自信を持てる感想文づくりに、ぜひお役立てください。
読書感想文の書き方に「テンプレート」は効果抜群
読書感想文が苦手なお子さんにとって、「何を書いたらいいかわからない」という悩みはとても一般的です。
特に小学生では、感情を言葉にすること自体がまだ難しく、自分の考えを順序立てて文章にする力も発展途上です。
そこで大きな助けになるのが「テンプレート」という型です。
テンプレートを使うことで、「この順番で書けばいいんだ」「まずはこの質問に答えればいいんだ」と、子どもが考えるべきポイントが明確になります。
ただ自由に書くのではなく導かれるようにして感想文を書き進められるので、苦手意識がある子ほど効果的です。
また、保護者にとってもテンプレートがあることで「どうサポートすればよいか」が明確になり、声かけや手伝い方に迷いがなくなります。
作文の基本的な構成力も自然と身につくので、「テンプレートから始めて自由な表現へ」というステップは非常に実践的です。
読書感想文が苦手な子どもにこそ「型」が必要
「読書感想文は自由に書いていい」と言われても、実はその“自由”こそが子どもにとって最大のハードルです。
何を書けばいいかわからず、最初の一文が出てこないまま手が止まってしまう…という経験は、作文が苦手な子どもに限らず、多くの家庭で見られる現象です。
そこで役立つのが「型=テンプレート」です。
たとえば「①本を選んだ理由→②あらすじ→③印象に残った場面→④自分との関わり→⑤まとめ」というように、あらかじめ順序が決まっていれば何をどこで書けばいいかがはっきりします。
これはまるで、白紙のパズルに少しずつピースをはめていくような感覚。
完成のイメージが持てることで、書くことに対する不安がぐっと減ります。
「文章を書くって楽しいかも」と感じられる第一歩として、テンプレートは大きな力を発揮してくれます。
テンプレートを使うと親のサポートもしやすい
読書感想文のサポートは保護者にとっても頭を悩ませるポイント。
「どこまで手伝えばいいの?」「うまく聞き出せない…」と困ることも少なくありません。しかしテンプレートがあると、親子で共通の足場ができ、自然な流れで声かけができるようになります。
たとえば「まずは、この本を選んだ理由を思い出してみよう」「どんなところが一番心に残った?」と、テンプレートの項目に沿って会話を進めていくことで、子どもの考えを引き出しやすくなります。
親がすべての文章を考えるのではなく、子どもが“言葉にする”お手伝いに徹することができるのも大きなメリットです。
さらに、こうした対話を通じて、子どもは自分の考えを言語化する力を育てていくことができます。テンプレートは、親が一方的に教える道具ではなく、親子で一緒に考えるためのガイド役としても非常に有効です。
すぐ使える!読書感想文テンプレート見本
ここでは、小学生から高校生まで幅広く使える感想文の基本構成テンプレートを紹介します。
さらに例として、佐野洋子さんの名作『100万回生きたねこ』を題材に、各ステップの書き方を具体的に解説していきます。
構成をなぞるだけでも形になるため、まずは真似しながら練習してみるのがおすすめです。
① 本の紹介と選んだ理由
感想文の書き出しに迷ったら、まず「どんな本を読んだのか」と「その本を選んだ理由」から始めましょう。
この導入部分は、自分の読書体験を相手に伝える入り口になります。
学校の図書室で偶然見つけたのか、先生や友だちにすすめられたのか、本屋でタイトルにひかれたのか。
きっかけを書くことで読み手も親しみを持って読んでくれます。
【例文】
ぼくは、佐野洋子さんの絵本『100万回生きたねこ』を読みました。この本を選んだのは、図書室でタイトルを見て「100万回も生きたネコって、どんなネコなんだろう?」と気になったからです。表紙の絵もインパクトがあって、手に取ってみたくなりました。
このように、子ども自身の素朴な興味や直感をそのまま書くだけで十分な導入になります。

中学生以上であれば、さらに「読む前にどんな印象を持っていたか」「予想とどう違ったか」といった視点を加えると深みが出ます。
② あらすじ(簡単に)
感想文であらすじを長々と書いてしまう子も多いですが、全体の1〜2割にとどめるのが鉄則です。
ここでは「誰が・何をした・どうなった」という基本構造に沿って、簡潔にまとめましょう。
読む人に内容の全体像を伝えることが目的なので、細かい描写や感情は次のパートにとっておきます。
【例文】
この本は、100万回も生き返ったネコが、いろいろな人のもとで暮らしながらも、誰にも心を開かずに生きてきた話です。ところが、最後に出会った白いネコのことを本当に好きになって、初めて誰かのために涙を流し、そのまま静かに死んでしまいます。
小学生なら、このくらいのボリュームでOKです。

中学生や高校生であれば、「なぜこの物語の流れが印象的だったか」「構成の工夫」などを加えてもよいでしょう。
③ 心に残った場面とその理由
感想文で一番大切なのは、この「自分の心が動いた場面」を丁寧に言葉にすることです。
どの場面に共感したか、何に驚いたか、何を考えたか。それはどうしてなのか。ここをしっかり書けると、読書感想文全体に厚みが出てきます。
【例文】
ぼくが一番心に残ったのは、ネコが白いネコと暮らしていたときの場面です。それまでのネコは、何度死んでも泣かなかったのに、白いネコが死んだときだけは初めて泣きました。大好きな相手を失うことが、こんなにも悲しいことなんだと感じて、胸がいっぱいになりました。
こうした具体的な気持ちの動きを書けると、文章に説得力が出ます。

中学生以上であれば「なぜその場面が物語全体の中で大切か」「どんなテーマが表れているか」にもふれると、より高評価につながります。
④ 自分の経験や考えとつなげる
感想文をより印象的にするためには、「本の中で感じたこと」と「自分自身の体験」や「日常の考え方」とをつなげることがとても効果的です。
自分の経験と重ねることで感想にリアリティが生まれ、書いた人にしか書けない文章になります。
ただ「感動した」や「かわいそうだった」と書くだけでは表面的な感想で終わってしまいます。
なぜそう思ったのか、自分の過去の出来事や気持ちと照らし合わせてみましょう。
たとえば、大切な人やペットとの別れの記憶、信頼関係の変化など、共感や反発を引き起こすような瞬間を思い出してみると、言葉が出てきやすくなります。
【例文】
ぼくは、白いネコが死んだときに100万回生きたネコが泣いた場面を読んで、おばあちゃんのことを思い出しました。ぼくが小学生のときに亡くなったおばあちゃんは、いつも優しくて、いっしょにごはんを食べたり散歩に行ったりしました。亡くなったときは本当に悲しくて、気持ちがふさぎこんでしまったけれど、今はおばあちゃんとの思い出が心の中に残っています。この本を読んで、大切な人がいなくなっても、その人への気持ちは消えないんだとあらためて感じました。
このように、自分の出来事と結びつけて考えると、文章に説得力が増します。

中学生・高校生なら、「社会の中での出来事」や「他の本との比較」などを入れて考察を深めるのもおすすめです。
⑤ 感想のまとめ・今後の気持ち
最後の締めくくりは、「本を読んで自分がどう変わったか」「これからどうしていきたいか」といった“未来に向けた気持ち”を書くパートです。
この部分がしっかりしていると、読み終わったあとに「この感想文はまとまっていてよかった」と思ってもらいやすくなります。
ここでは、次にどんな本を読みたいか、あるいはこの本で学んだことを日常生活にどう活かしたいかなど、前向きな視点でまとめましょう。
「本の考え方に共感できなかった」という場合でも、自分の立場からなぜそう思ったのかをしっかり書けば立派な感想になります。
【例文】
この本を読んで、「誰かを大切に思うこと」の意味について深く考えることができました。大好きな人と過ごす時間は当たり前じゃなくて、すごく貴重なんだと思いました。これからは、家族や友だちとの時間をもっと大事にしたいです。そして、また心に残るような本に出会って、いろいろな気持ちを知っていきたいです。
このように、感想文の最後は「行動」や「考え方の変化」で締めると、文章全体に成長の物語が生まれます。

高校生であれば、他者との関わりや社会問題と結びつけて、より広い視野での感想を述べるのも良いでしょう。
学年別に見るテンプレート活用のポイント
テンプレートを使えば、どの学年でも読書感想文がぐっと書きやすくなります。
ただし、子どもの発達段階によって書ける内容やサポートの仕方が異なるため、年齢に合った活用法を知っておくことが大切。
このセクションでは、「小学生(とくに4年生前後)」「中学生」「高校生」の3つの段階に分けて、それぞれの特徴とポイントをご紹介します。
親御さんのサポートにも役立つヒントを含めてまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
小学生は「会話しながら引き出す」がカギ
小学校低学年から中学年では、まだ自分の気持ちを言葉にする力が育ちきっていない段階です。
特に4年生ごろまでは、「感動した」「かわいそうだった」といった感情はあっても、それを文章にするのが難しい場合が多いです。
そこでおすすめなのが、「親がインタビューしてあげる」という方法です。
たとえば「どの場面がいちばん印象に残った?」「どうしてそう思ったの?」と聞きながら、子どもの言葉をメモしていきましょう。
そのメモをもとに、テンプレートの各項目を一緒に埋めていくと、子どもも「書けた!」という達成感を得られます。
また、小学生向けの感想文では、絵本や児童文学のようにわかりやすく感情移入しやすい作品を選ぶと子ども自身の経験とつなげやすくなります。
今回例に挙げた『100万回生きたねこ』は、まさにその好例です。
中学生は「自分の考えを深めるステージ」
中学生になると、読解力がつき、作品のメッセージや作者の意図について考える力が育ってきます。
そのため、テンプレートを使う際は「なぜそう思ったのか」という理由を、より丁寧に書くことが重要です。
たとえば感動した場面について書く場合、「自分の体験と似ていたから」だけでなく、「相手の気持ちを想像して悲しくなった」「普段は気づかなかった家族のありがたさに気づいた」など、もう一歩踏み込んだ理由を書くように促しましょう。
比喩表現やことわざ、他の作品との比較などを少しずつ取り入れると、文章に深みが出ます。
テンプレートはあくまで「思考の土台」として活用し、自分なりの意見や発見を付け足していく感覚で取り組むのが理想です。
高校生は「多面的な視点」で社会とつなげる
高校生の場合、読書感想文は単なる「感情の記録」ではなく、自分の価値観や社会への問いかけを含んだ論考のような位置づけになります。
テンプレートを使うときも、事実を要約したり、他人の意見を引用したりと、よりアカデミックな要素が求められます。
たとえば『100万回生きたねこ』を題材にする場合、「生と死の意味」や「愛する存在との別れ」などの哲学的テーマに踏み込み、自分の考えを他の文献や出来事と結びつけて考察すると説得力が増します。
また、文章構成や論理展開の明確さも評価対象になります。
テンプレートは「構成の骨組み」として活用しつつ、書き手の独自の視点が表れるような工夫を加えていくことが、差のつく感想文につながります。
まとめ:テンプレートで「書ける」体験を子どもに
読書感想文は、多くの子どもにとって「むずかしい」「面倒」と感じやすい課題です。
ですが、実は「何を書けばいいか分からない」だけであって、伝えたい思いや感情はすでに子どもの中にあるもの。
その思いを引き出し、形にする手助けとして、「テンプレート(型)」の活用は非常に効果的です。
特に小学生では、親子の会話を通じてテンプレートを埋めていくことで、「書けた!」という達成感や言葉の力を自然と育むことができます。
中学生や高校生になれば、自分の考えを深めたり、他者の視点と比較しながら広く物事を捉えるステップへ進むことも可能。
まずは今回ご紹介したテンプレートを一度試してみることをおすすめします。
「型」を知ることは自由な表現の第一歩。
お子さんが自信を持って書けるよう、親御さん自身も楽しみながらサポートしていきましょう。
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