「題名がうまく決まらない…」と子どもが手を止めてしまうのはよくあることです。
読書感想文の中でも「題名」は意外と悩ましいポイント。
お子さんが何を書けばいいのか分からず立ち止まってしまったとき、そばで見守る保護者の方も戸惑ってしまいますよね。
この記事では、学びをサポートするAIアシスタント「ジューイ↗」が、複数の信頼できる教育系サイトやコンクール公式情報をもとに、題名づけのポイントを整理しました。
伝わるタイトルの考え方から原稿用紙での書き方、学年別のつまずきやすいパターンまで、丁寧に解説しています。
親子で一緒に言葉を選ぶ時間が、子どもにとって「伝える力」を育てる大切な経験になるはずです。
題名でつまずくのは当たり前|読書感想文の最初の関門
読書感想文に取り組むお子さんを見て、「なかなか題名が決まらないな」と感じたことはありませんか?
それはまったく自然なことで、実は多くの子どもたちが最初の一歩でつまずいているのです。
感想文という宿題は「自由に書いていいよ」と言われながらも、自由すぎて困ってしまうこともあります。
とくに題名は、感想文全体の“顔”とも言える存在。
目立つだけに、「どう書けば正解なの?」と身構えてしまう子も少なくありません。
ここでは「題名が思いつかない」背景や、そこからどうサポートしていけばいいのかを整理していきます。
読書感想文を通じて、子どもの「伝える力」を育てるチャンスにもつながる題名づくり。
その第一歩を、この記事で一緒に踏み出しましょう。
「題名が思いつかない」と子どもが止まってしまう理由
題名を決める段階で子どもの手が止まってしまうのは、単なる言葉選びの問題ではありません。
そこには、「自分の思ったことをどう表せばいいかわからない」という戸惑いや「正解がわからないことへの不安」があります。
とくに小学生のうちは、言葉で自分の感情を表現すること自体がまだ発展途上。
「感想」と言われても、どういう形で書けばいいのかイメージが持てないのです。
そのため、「とりあえず“◯◯を読んで”と書こうかな……」と無難な表現になりがちです。
しかし、そのままでは本文も同じように表現が縮こまり、せっかくの感動がうまく伝わらない結果に終わることも。

だからこそ、「題名でつまずくのは自然なこと」「うまく言葉にできないのは、感じている証拠なんだよ」と寄り添ってあげることが、最初のサポートになります。
「伝える力」は題名づくりから育てられる
実は、題名を考えるプロセスそのものが、子どもの“伝える力”を伸ばす絶好の機会でもあります。
「どうしてその本が心に残ったの?」
「一番印象に残った場面はどこだった?」
「そのとき、どんな気持ちになった?」
こうした問いかけを通じて、子どもは自分の感じたことに向き合い、言葉にしていく力を身につけていきます。
そして、それを一言で表現しようとする中で「人に伝えるってこういうことなんだ」という気づきが生まれてくるのです。
題名は短い言葉ですが、その中にたくさんの思いが詰まっています。
親や先生が一緒になって考えてあげる時間は、単なる宿題の手伝いを超えた表現の練習の時間でもあります。
うまく言えないもどかしさも含めて、子どもが「自分の言葉」で語る経験を大切にしてあげましょう。
題名を考える前に大切な2つの視点
読書感想文の題名を考えるとき、大人が思っている以上に子どもは悩んでいます。
「タイトルを考えるだけなのに、なぜこんなに時間がかかるの?」と思うかもしれませんが、それは本当に伝えたいことがまだまとまりきっていない証拠でもあるのです。
感想文の題名は、いわば内容の“予告編”。
読む前に「どんなことが書かれていそうか」を想像させる大切な部分です。
逆に言えば、内容とずれていたり、本人の思いと結びついていないと、せっかく書いた感想文も伝わりづらくなってしまいます。
そこでまず意識したいのが、①自分がいちばん伝えたいことは何か、②その思いと本文がちゃんと合っているかという2つの視点です。
この2つをおさえておくことで、子ども自身が書いた内容と向き合いながら、納得のいく題名が見つかりやすくなります。
次のセクションでは、それぞれの視点について、具体的にどんな工夫ができるのかを見ていきましょう。
いちばん伝えたいことは何かを一緒に探す
「読んだ本について書いてみよう」と言われても、いざ書き出そうとすると子どもは手が止まりがちです。
とくに題名を考えるときは「感想って何を書けばいいの?」「何が一番大事だったんだろう?」と戸惑うことがよくあります。
そんなときは、「どこが一番印象に残った?」「読みながらどんな気持ちになった?」と、親が問いかけながら一緒に整理してみるのが効果的。
無理に言葉にさせようとせず、自由に話してもらうことが第一歩。
何気ないひとことの中に子ども自身の「伝えたいこと」の種が隠れていることも多いのです。
「この場面で泣きそうになった」「この主人公、私とちょっと似てる気がする」
そんな素直な気づきを言葉にする経験は、子どもの表現力をぐっと伸ばしてくれます。そしてその思いをギュッと凝縮したものが、題名になります。
書く力を伸ばす第一歩は自分の気持ちに気づくこと。
そのための時間として、題名づくりはとても大切な工程なのです。
本文の内容とズレない題名にするには
どんなに目を引く題名でも、本文と内容がズレてしまっては逆効果です。
たとえば「わたしの心を動かした一言」というタイトルをつけておきながら、本文ではその一言にほとんど触れていなかったとしたら、読み手は違和感を抱いてしまいます。
こうした“題名と本文のミスマッチ”は、特に最初に題名を決めてしまった場合に起こりやすいです。
実際に書き進めるうちに、伝えたいことが変わったり、別の視点に気づいたりするのは自然なこと。
だからこそ、本文が完成したあとで「この題名でちゃんと内容と合っているかな?」と見直す時間をとるのが理想的です。
また、「ちょっとカッコいい題名にしよう」と背伸びして、本人の言葉とかけ離れてしまうこともあります。
内容と題名が一致しているかどうかを確認するためには、読み終わったあとに「タイトルと本文がちゃんとつながっている?」と親子で話し合ってみるのもおすすめ。
題名は飾りではなく、感想文全体を支える柱のひとつ。

子どもの思いと読んだ内容とがまっすぐに伝わるタイトルを、一緒に見つけていけるといいですね。
読書感想文の題名づくりに役立つ5つのアイデア
題名は読書感想文の第一印象を決める大切な要素。
「おもしろそう」「読んでみたい」と感じさせる題名があると、読み手は自然と中身にも引き込まれていきます。
とはいえ、子どもにとって「自分で考える」のはなかなか難しい作業。そんなとき、ヒントになるのが題名づくりの“型”です。
ここでは、実際に多くの子どもが取り組みやすかったとされるアイデアを5つご紹介します。
どれもシンプルながら、子ども自身の感動や気づきを言葉にしやすくしてくれる方法。
親子で一緒に試しながら、子どもらしい言葉が自然に出てくるきっかけにしていただければと思います。
① 自分が主人公だったら?と想像してみる
物語の登場人物と自分を重ねて考えるのは、読書感想文ではとても有効な方法です。
「自分だったらどうするかな?」と想像することで、本の内容が他人事ではなくなり、自分の言葉で語りやすくなります。
この視点は、題名にも活かせます。
たとえば、『走れメロス』を読んだあとに「もし私がメロスだったら走りきれただろうか?」というような問いかけ型のタイトルをつけると、読み手の関心を引くことができます。
他にも「ぼくが“星の王子さま”だったら言いたいこと」のように、登場人物と自分を置き換えた表現もおすすめです。
この方法の良いところは、子どもが自然と物語の中に入り込み、自分なりの視点をもてるようになること。
題名づくりだけでなく、本文を書くときの視点が定まり、表現しやすくなります。
② 読んで感じたことをひとことで表す
感想文の題名に正解はありませんが、「この本を読んで、自分は何を感じたのか」をそのまま言葉にしてみるのは、とてもシンプルで力強い方法です。
たとえば「ありがとうって言いたくなった日」や「私はこの本で泣いた」など、素直な感情を短く表すだけでも、じゅうぶん魅力的なタイトルになります。
この方法では、飾った言い回しよりも「心に残ったこと」「自分が変わったきっかけ」をそのまま伝えることがポイント。
「やさしさって、なんだろう?」
「忘れたくない気持ち」
「ぼくも本当は弱かった」
など、感情の断片を切り取ったようなタイトルが、かえって読み手の共感を呼びます。
保護者がサポートするときは、「読んだあと、どんな気持ちだった?」「誰かに一言で伝えるとしたら、どんな言葉になる?」と問いかけてみてください。
子ども自身の“ことば”が、じわっと浮かび上がってきます。
③ 印象に残ったフレーズをタイトルに活かす
本を読んでいて「この言葉、なんだか心に残るな」と感じたフレーズはありませんか?
そうした印象的な一文を、題名の一部に取り入れるのも、とても効果的な方法です。
たとえば『星の王子さま』の中にある有名なセリフ「大切なものは目に見えない」は、多くの子どもたちの心にも響きます。
このフレーズを活かして、「目に見えない大切なことを知った日」や「“目に見えないもの”って何だろう」といった題名にすると、内容への期待感も高まります。
この方法のよいところは、「何が心に残ったのか」が題名から伝わることです。
無理にかっこいい言葉を探すより、自分が反応した言葉をそのまま使う方が、ずっと伝わりやすく、自然な仕上がりになります。
保護者としては、「読みながら線を引きたくなる言葉があった?」といった声かけをしてみましょう。
本文の中に子ども自身の“お気に入り”を見つける手伝いをすることで、表現力だけでなく、本を深く味わう力も育ちます。
④ 「なぜ?」「どうして?」の疑問形にする
問いかけの形で題名をつけると、読み手の関心をぐっと引き寄せることができます。
たとえば、「どうして主人公はあきらめなかったのか?」「私だったら、逃げていたかもしれない」といった疑問形のタイトルは、それだけで感想文のテーマを感じさせる力があります。
子どもは日ごろから「なんで?」「どうして?」といった疑問をたくさんもっていますが、読書感想文では、その疑問こそが“伝えたいこと”につながる出発点になります。
「戦争は本当に必要なの?」「あの人のやさしさは本物だったのか?」――こうした問いをそのまま題名にすることで、感想文の軸がぶれずにすみます。
大人がサポートする場合、「読んでいて、“なんでこうなったんだろう”と思ったところはある?」と聞いてみると、子どもは自分なりの疑問を語りはじめます。
疑問を持つこと自体が立派な読解の第一歩ですし、それを素直に題名に表現することは、とても良いアプローチです。
⑤ あえて目を引く意外な言葉を入れてみる
少し上級テクニックになりますが、他の人と差をつけたいときにおすすめなのが、“あえて”意外な表現を使う方法です。
たとえば、「◯◯は最低だと思った」「あの主人公、ちょっとズルい!」など、一見ネガティブにも思える言葉を使うことで、読み手の興味を引きます。
もちろん、内容がふさわしくなければ逆効果ですが、ちゃんと本文でその理由が説明されていれば、むしろタイトルのインパクトは大きな武器になります。
たとえば、『ごんぎつね』を読んで「ごんは悪いキツネだったと思う」といった題名をつけることで、「どうしてそう感じたのか」を書く本文に自然とつながります。
この方法は「こう書かなきゃいけない」という固定観念から子どもを解放してくれる点でも有効。
「自由に感じていいんだよ」ということを伝えるだけで、表現の幅が広がります。
保護者としては、まず「ちょっと思ったこと、率直に言ってみて」と促してみてください。
その中にこそ、オリジナリティのある言葉が隠れていることが多いのです。
原稿用紙に書くときのルールと注意点
読書感想文の題名が決まったら、いよいよ原稿用紙に書いていく段階です。
ここで意外とつまずきやすいのが、「題名や名前はどこに書けばいいの?」「題名が長くなったらどうするの?」といった“書き方”に関する疑問です。
大人には当たり前でも、子どもにとって原稿用紙は慣れないフォーマット。
特に低学年では、マス目の使い方や改行ルールで迷ってしまい、せっかく考えた内容がきれいに書けずに困るケースもあります。
ここでは、学年を問わず押さえておきたい原稿用紙の基本ルールに加えて、「題名が長くて2行になる場合の工夫」や、「欄外って何?」といったよくある疑問にもお答えします。

ほんの少しのコツで、読みやすく、見た目にも整った感想文になります。ぜひ一緒に確認しておきましょう。
学年別の基本ルールと注意点
原稿用紙に感想文を書くとき、最初に気をつけたいのが「題名・名前・本文の書き始める位置」です。
学校によって細かなルールが異なる場合もありますが、一般的には以下のような書き方が推奨されています。
まず、1行目の4マス目から題名を書き始めます。上の3マスは空けておくのが基本です(2マス空けで指定される学校もありますが、迷ったときは3マス空けで問題ありません)。
次に2行目に名前を書きます。右寄せで、最後のマスから1マス空けて苗字と名前を記入し、苗字と名前の間も1マス空けましょう。学校名を書く場合は、名前の上の行に1マス空けて記入します。
3行目から本文スタート。最初の1マスを空けて2マス目から書き始めるのが一般的です。高学年や中学生以上でも、最初のマスを空ける意識が抜けてしまうことがあるので、あらためて確認しておくと安心です。
題名が長いときのレイアウトと改行方法
最近は、感情や問いかけを含んだ「長めの題名」も増えています。特に子どもが自分の言葉で工夫したタイトルほど、自然と文が長くなりやすい傾向があります。
そんなときに悩むのが、「題名が1行に収まりきらなかったら、どうしたらいいの?」という問題。
無理に詰め込んで小さな字で書くと読みづらくなり、せっかくの工夫が伝わらなくなってしまいます。
このような場合は、題名を2行に分けて書くのが一般的です。1行目に収まるところまで書いたら、2行目に続けます。
ポイントは、2行目の題名部分を下詰め(右詰め)で書くこと。見た目が整い、読み手にとっても自然なレイアウトになります。
改行位置は、意味の切れ目や句読点で区切るとスムーズです。
親が手伝う際には、「ここで改行すると読みやすいね」と一緒に見ながら、子どもに判断を任せると、構成力も育まれます。
2行タイトルの書き方|読みやすく整えるコツ
2行にわたる題名を書く場合、ただ「次の行に続ける」だけでは読みやすい文章にはなりません。
整った印象を与えるには、いくつかの工夫が必要です。
まず大前提として、改行の位置にこだわること。途中で文が不自然に切れてしまうと、タイトルの意味が伝わりづらくなります。
たとえば「ぼくが泣いた/理由とは?」のように切るより、「ぼくが/泣いた理由とは?」の方が読み手には親切です。
また、2行目を右詰めにすることで、見た目のバランスが整います。1行目と2行目で左端を揃えてしまうと、だらしない印象になるため注意が必要です。
子どもにとっては難しい場合もあるので、「2行目はちょっと右に寄せて書くとキレイに見えるよ」と具体的にアドバイスするとわかりやすいです。
書き終えたら、声に出して読んでみるのもおすすめ。読みづらい箇所があれば、改行位置を見直すヒントになります。こうした細やかな工夫が、完成度をぐっと高めてくれます。
欄外に書く?枠内に書く?迷ったときの確認ポイント
コンクールなどに出す読書感想文では「題名や名前は欄外に書いてください」と指示されることがあります。
これは、原稿用紙の枠の外に自由記入欄のような形で書くスタイルです。字数制限に「題名・名前は含まない」とされる場合によく使われます。
ただし、家庭で提出する通常の宿題であれば、原稿用紙の枠内に書いてまったく問題ありません。
1行目に題名、2行目に名前、3行目から本文というのが一般的な流れです。
迷ったときは、まず学校からのプリントや先生の指示を確認しましょう。
学校ごとに独自のルールがある場合もあるため、不安なときは担任の先生に確認するのが一番確実です。
また、「欄外ってどこ?」と子どもが聞いてきたら、「用紙のどこにもマス目がない余白部分のことだよ」と教えてあげてください。
小学生にはあまりなじみのない表現かもしれませんが、一度覚えれば今後も使えます。
原稿用紙の使い方に関しては別記事に書いているのでこちらを参考にしてください。
学年別に見える「題名のつまずき」とサポートのヒント
読書感想文の題名の悩みは、実は学年によって傾向が変わってきます。
低学年では「どう言葉にすればいいのかわからない」、高学年では「うまく書かなきゃ」というプレッシャー、中高生では「自分らしい表現をしたいけど難しい」といったつまずきが目立ちます。
どの学年でも共通しているのは「感じたことをうまく題名にできない」ことへの不安や戸惑いです。
そのため、保護者が年齢に応じた声かけやサポートをしてあげることが、子どもの表現力を引き出す大きな助けになります。
ここでは、小学校低学年から高校生まで、それぞれの段階でよくある題名づけのつまずきと、具体的にどんなふうに寄り添えばいいかを紹介します。
子ども一人ひとりの成長段階に合わせて、無理なく自然に言葉が出てくるサポートをしていきましょう。
小学校低学年|まずは言葉にする経験を優先に
低学年では、そもそも「題名って何?」「タイトルと本文は別のこと?」というレベルで戸惑う子も少なくありません。
また、自分の気持ちを言葉にする経験がまだ少ないため、感想をうまく文章にまとめることが難しいのも当然です。
この時期に大切なのは、“うまく書かせること”ではなく、“話す→書く”の順序を大切にすることです。
読書のあと、「どこがおもしろかった?」「どんな気持ちになった?」と親が会話をリードすることで、子どもは自然と言葉を出せるようになります。
たとえば「わくわくした!」「びっくりした!」といった一言から、「じゃあ“びっくりした本”っていうタイトルにしてみようか?」と提案すれば、それだけで立派な題名のヒントになります。
この段階では、無理に難しい表現を教える必要はありません。
子ども自身の“そのままの言葉”を尊重することが、表現する楽しさを育てる第一歩になります。
小学校高学年|自由度の高さが逆に難しい?
高学年になると、子どもはだんだんと「もっと自分らしく書きたい」「先生に評価されたい」と思うようになります。
一方で、“自由に書いていい”と言われると、逆に「何を書いていいかわからない」と混乱してしまうことも。
特に題名は、「面白くしたい」「インパクトがほしい」と思うあまり、自分の感想からズレてしまったり、書き出せずに止まってしまったりするケースが目立ちます。
この時期の子どもには「まずは書きたいことを箇条書きにしてみよう」といった方法で整理させるのが効果的です。
伝えたいことが明確になれば、それを一言で表す題名も自然と浮かびやすくなります。
また、「長くなりそうなら2行に分けてもいいよ」「質問にしてもいいし、感情をそのまま書いてもOKだよ」といった“型”をいくつか教えることで、選択肢が広がり、自由に考えることができるようになります。
中学生|個性を出そうとして悩みやすい時期
中学生になると「自分の考えをしっかり書きたい」「他の人と違う視点で書きたい」といった意識が強くなります。これは思春期の自己表現の一環でもあり、非常に良い傾向です。
ただし、「個性的な題名にしたい」と思うあまりに、難しい言葉を使いすぎたり、抽象的すぎて何を伝えたいのかわからなくなったりすることもあります。
また、周囲の評価を気にする年ごろなので、「変に思われたらどうしよう」と迷いすぎて決められないことも。
そんなときは、「まずは素直な言葉で書いてみて、あとで工夫してみよう」と段階を分けることが大切です。
最初から完璧なタイトルを狙うのではなく、「伝えたいことが明確になったら、それに合った表現を探す」という順序を意識させましょう。
この時期は、読んだ本のテーマと自分の価値観を結びつけやすくなるため、タイトルに「問いかけ」や「主張」を含めるのも効果的です。
高校生|抽象的なタイトルになりすぎていないか
高校生になると、読書感想文そのものに慣れている子も多くなり、文章としての完成度も高くなってきます。
その一方で、題名が「思想的になりすぎる」「抽象的で中身が見えにくい」といった問題も出てきます。
たとえば、「生きるということ」「真実とは何か」などのタイトルは一見かっこよく見えますが、本文の内容がそこまで深まっていないと、題名とのギャップが目立ってしまいます。
この時期のサポートでは、「読んだ内容と自分の主張が題名に反映されているか?」を本人に問いかけるのが効果的です。
また、抽象的な言葉だけでなく、「本の中の具体的な場面」や「印象に残った言葉」からヒントを得るよう促すことで、内容との一貫性が生まれます。
高校生にとっての題名づくりは、“自分の文章を客観的に見つめ直す”作業でもあります。
大人のフィードバックがとても参考になる時期なので、できあがった感想文を一緒に読んで、「このタイトル、読みたくなるかな?」と確認してみるのもおすすめです。
まとめ|題名は「感想文の入り口」。子ども自身の言葉を信じて
読書感想文の題名は単なる飾りではなく「これからどんな感想が書かれているのか」を伝える大切な入口です。
どんなに素晴らしい内容でも、題名で興味を引けなければ、読む側に十分に伝わらないこともあります。
だからこそ、子ども自身の感動や気づきを込めた言葉で題名をつけることが感想文全体の魅力をぐっと高めてくれます。
この記事では、題名で悩むのは当たり前であること、伝えたいことを整理する視点、そして実際の書き方やレイアウトの工夫、学年別のつまずきとサポート法まで、幅広くご紹介しました。
大切なのは、“うまく書くこと”より、“自分の言葉で伝えること”。
親が少しだけ寄り添いながら、子どもが「この本を読んで、こう感じた」と自信を持って言えるようになる過程こそが、読書感想文の一番の価値だと思います。
ぜひ今回の内容をヒントに、世界に一つだけの「その子らしい題名」を一緒に見つけてあげてください。
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