読書感想文って、どう書かせたらいいの?
「感想を書いて」と言っても、子どもはなかなか手が動かないもの。読書感想文は“自由なようで自由じゃない”宿題の代表格です。
とはいえ、書き方にはコツがあります。
この記事では、本ブログのAIアシスタント「ジューイ」が、10記事以上の信頼性ある情報をリサーチし、小学生〜中学生に共通する「読書感想文の型」と「視点の持ち方」について要点を整理しました。
「書けない理由」をつぶしながら、どんな本でも“自分の言葉”で書けるようになるヒントを、例文つきでわかりやすくご紹介します。
読書感想文は「型」と「視点」で誰でも書ける
「読書感想文って、どう書き始めたらいいのか分からない……」
そんなふうに戸惑うお子さんは少なくありません。実際、多くの子どもたちは「本の内容をうまくまとめなきゃ」と思って、感想文ではなく“読書報告”になってしまうことも。
でもご安心ください。
感想文には“書きやすくなる型”と、“自分らしい視点”の2つさえ押さえれば、誰でもしっかり書けるようになります。
この章では、感想文の土台となる「型」と、内容をぐっと豊かにする「視点」について解説します。
まずは書きやすい本選びから
感想文を書く第一歩は、やはり「本選び」。
ここでつまずくと、読み進めるのも感想を書くのも苦しくなってしまいます。
おすすめは、以下のようなタイプの本です。
- 子どもがすでに興味を持っているテーマ(動物・冒険・学校生活など)
- 登場人物の気持ちが想像しやすい物語
- 自分と年齢が近い主人公が出てくる話
- 「泣ける」「笑える」など感情が動くエピソードがあるもの など
また、「親がすすめたい本」と「子どもが読みたい本」が違う場合もありますよね。
そのときは、まず子どもの選んだ本を尊重し、「読みやすくて、書きやすそうだね」と共感を示しましょう。
その上で、「いくつか選んでみようか?」と一緒に図書館や書店で選ぶと、子どもも「自分で選んだ」という満足感も得られて、「親がすすめたい本」と「子どもが読みたい本」のバランスが取れた本を選べます。
書き方の基本構成【はじめ・なか・おわり】
読書感想文には、基本となる構成があります。これに沿って書けば、文章が自然とまとまりやすくなります。
構成 | 書く内容のポイント |
---|---|
はじめ | 本を選んだ理由、読もうと思ったきっかけ、読んだときの第一印象 |
なか | 印象に残った場面や言葉、そのとき感じたこと、考えたこと、自分との共通点や体験とのつながりなど |
おわり | 読んで考えがどう変わったか、これからどうしたいと思ったか、何を学んだかなど |
小学生のうちは、この「はじめ・なか・おわり」の3部構成をしっかり意識するだけでも、ぐっと読みやすい文章になります。
中学年以上のお子さんには、さらに「気づき」「問いかけ」「経験とつなげる」といった視点を加えると、ぐっと深みが出てきますよ。
「あらすじの書きすぎ」に注意!書きたいのは“感想”
感想文を書くときに、つい長くなりがちなのが「あらすじ」。
でも、あらすじが長すぎると、読書感想文というより「内容紹介」になってしまいます。
実際には「あらすじ」は全体の1~2割程度で十分。
感想文の主役は「本を読んだ自分自身の気持ち・気づき・考えたこと」です。
たとえば、
「主人公がいじめられていたことに驚きました」だけで終わるのではなく、「自分も以前、クラスで似たような場面に出くわして……」と書くと、グッと内容が深くなります。
子どもが「何を書けばいいか分からない」と言ったときは、あらすじではなく“印象に残ったこと”に話題を向けてあげると良いでしょう。
親が手伝うときのポイント【ヒントは引き出すだけ】
感想文のサポートで大切なのは「手伝いすぎないこと」。
つい親のほうが書きたくなってしまうこともありますが、あくまで主役はお子さんです。
親ができることは、子どもが“言葉にしやすいようにする”ための質問やヒントを与えること。
たとえばこんな問いかけが有効です。
- 「どの場面で気持ちが動いた?」
- 「主人公に似てるところ、ある?」
- 「あのセリフ、どう思った?」
- 「読んでから変わったこと、ある?」
こうした問いかけを通じて、子ども自身が自分の気持ちに気づき、言葉にできるようになると、感想文が「自分だけのもの」になっていきます。
学年別|読書感想文の書き方と例文
読書感想文は、学年が上がるにつれて求められる内容や構成の深さが変わってきます。
ここでは、小学生から高校生まで、それぞれの学年に合った「書き方のポイント」と「例文」を紹介します。お子さんの学年に応じて参考にしてください。
小学生低学年(1〜2年生)|まずは体験と感情を言葉に
- 難しい構成は不要。「〇〇が〇〇してすごいと思った」で十分
- 自分が似た体験をしたか、どう感じたかを書くだけでも立派な感想文になる
- 短くても「じぶんのことば」で書けることが大切
『エルマーのぼうけん』をよみました。エルマーはひとりでりゅうをたすけにいって、いろいろなけものとたたかいました。こわくてもがんばっていて、すごいとおもいました。わたしも、こわいことがあっても、がんばりたいです。
小学生中学年(3〜4年生)|印象に残った場面から広げよう
- 物語の中で一番印象に残った場面を選ぶ
- その場面で「なぜ心が動いたのか」「自分ならどうするか」を書く
- できれば自分の経験とつなげると感情の深みが出る
『魔女だったかもしれないわたし』を読んで、アディが村の人たちに「石のけんぶつはいらない」と言われたところが心に残りました。アディは自分とちがう人たちがむかしわるく言われていたことをしって、「じぶんも魔女にされたかもしれない」と思ってがんばります。わたしも、ちがう人をからかったりしないで、いっしょにわかりあえるようになりたいと思いました。
小学生高学年(5〜6年生)|考えの変化や気づきを大事に
- 本を読む前と読んだ後で「自分の考えがどう変わったか」に注目する
- テーマについて自分なりの意見を書くと、感想文に深みが出る
- 客観的な文章力も問われてくるため、「なぜそう思ったか」を丁寧に説明する
『モモ』を読んで、時間の大切さについて考えました。はじめは、毎日忙しいのは仕方ないことだと思っていました。でも、灰色の男たちに時間をうばわれていく人たちのようすを読んで、「ほんとうに大切なことに時間を使っているかな」と考えるようになりました。これからは、家族との時間や自分の好きなことに、もっと大切に向き合いたいです。
中学生|5枚でも迷わない!構成の立て方と書き出し例
- 「構成メモ」で段落ごとに何を書くか整理してから書き始める
- 「問いかけ」や「引用」で印象的な書き出しをすると、5枚でも自然に進む
- 読後の「気づき」や「価値観の変化」に焦点を当てると説得力が増す
「本当の強さとは何だろう?」この問いが、読み終わったあとも心に残っています。『走れメロス』のメロスは、裏切られるかもしれないという不安の中で、約束を守るために必死で走ります。私は、そこに“強さ”の本質があると感じました。
この感想文では、物語を通して私が感じた「人を信じる力」とは何かについて書いていきたいと思います。
高校生|深い感想文に仕上げる読後の“問い直し”とは?
- 感情だけでなく、「テーマを掘り下げた考察」を盛り込む
- 作中の出来事や言葉を“自分の文脈”で再解釈し、問い直す姿勢が大切
- 社会問題や人生観との接点を加えると、より高評価につながる
「人はどこまで自由になれるのか」。これは『1984年』を読み終えた私が最初に感じた問いだ。主人公ウィンストンのように、心の奥底では「体制に逆らいたい」と思っても、それを言葉にできない社会の恐ろしさを感じた。
この読書感想文では、自由と管理という対立から、自分の“言葉を持つ意味”について考えていきたい。
「あらすじ」「学び」「共感」を上手につなげるコツ
読書感想文で高評価を得るには、「あらすじ」「学び」「共感」の3つをバランスよく組み立てることが大切です。
どれか1つに偏ると、「ただのあらすじ紹介」「思いつきの感想」になってしまうため、次のポイントを意識して書き進めましょう。
よくある失敗パターンとその改善例
感想文でつまずきがちな失敗例を、よくあるパターンごとに紹介します。改善のヒントもあわせてチェックしてみてください。
失敗例 | 内容 | 改善ポイント |
---|---|---|
あらすじだけになっている | 「○○が××をして、最後は△△になる」など内容の説明だけ | あらすじは全体の1〜2割にとどめ、そこから「自分はどう思ったか」を中心に展開する |
「すごいと思いました」で終わっている | 感情表現が1文だけ、理由や背景が書かれていない | なぜすごいと感じたのか、どんな経験とつながったのかを書き足す |
いきなりまとめから始まっている | 書き出しが「この本はとてもよかったです」で終始している | 「きっかけ」や「問いかけ」などから入り、読み手の興味を引く |
改善例の具体パターンや、親の問いかけでサポートする方法は、下記でも紹介しています。
→ 「伝わる」がわかる!小学生の読書感想文の書き方サポートガイド
読書感想文に役立つ魔法のフレーズ集
感想を言葉にしづらいときに役立つ「書き出しフレーズ」「深掘りの問いかけ」などをいくつかご紹介します。
- 「〇〇を読んで、心に強く残った場面があります」
- 「読み終えて最初に浮かんだのは、〇〇という思いでした」
- 「主人公の〇〇という行動を見て、自分のことを思い出しました」
- 「なぜその場面に心が動いたのかを考えてみると……」
- 「もし自分だったら、どう行動しただろうと思いました」
- 「この出来事が、実は私の〇〇という経験とつながっていて……」
- 「この本を読む前は、正直〇〇と思っていました」
- 「読み終わった今では、〇〇の見方が変わりました」
- 「これからの生活の中で、〇〇を意識していきたいと思います」
これらのフレーズは、テンプレートではなく「気持ちの道しるべ」として活用することをおすすめします。
表現力がぐっと上がる!例文テンプレート活用法
「何から書けばいいかわからない」と悩むときは、テンプレートを使うのも有効です。
ただし、そのまま使うのではなく、“自分の言葉”に置き換えることで本当の力になります。
パート | テンプレート例文 |
---|---|
【読んだきっかけ】 | 👉 この本を読もうと思ったのは、〇〇だからです。 |
【印象に残った場面】 | 👉 とくに心に残ったのは、〇〇の場面です。 |
【自分との共通点や考えたこと】 | 👉 私も〇〇な経験があって、主人公の気持ちがよくわかりました。 |
【学んだこと・これからの自分】 | 👉 この本を読んで、〇〇という考え方を持つようになりました。 |
テンプレートを使うことで、「最初の一歩」がとてもスムーズになります。

お子さんが迷ったときに一緒に確認しながら、少しずつ“自分のことば”に書き換えていけると良いですね。
清書前に見直したいポイントと原稿用紙の使い方
読書感想文が書き終わったら、「はい、おしまい!」ではありません。
提出する前に、ちょっと立ち止まって以下のチェックをしておくことで、読みやすさや印象がぐっと変わります。
チェック項目 | 内容・確認ポイント |
---|---|
誤字・脱字がないか | 👉 音読すると、意外なミスに気づけます。 |
「あらすじ」ばかりになっていないか | 👉 感想・気づき・考えがしっかり入っているか確認を。 |
「思いました」だけで終わっていないか | 👉 その理由や背景も書けているかを見直してみましょう。 |
段落ごとのまとまりがあるか | 👉 1つの段落に複数の話題が混ざっていないかもチェック。 |
タイトル・名前・句読点の使い方は正しいか | 👉 原稿用紙のルールに沿っているかを最後に確認。 |
読書感想文ならではのチェックポイントとしては「原稿用紙の使い方」も挙げられます。
この点についてもう少し詳しくみておきましょう。
原稿用紙の使い方は学年別にチェックしよう
特に小学生では、原稿用紙の使い方のルールも感想文の評価に関わるポイントです。
とはいえ、すべてを一から教えるのは大変。そんなときは、以下の記事を一緒に確認するのがおすすめです。
この記事では、以下のようなポイントを図つきで解説しています。
- 題名・名前・改行・句読点の配置ルール
- 小さい「っ」「ゃ」「ょ」の書き方
- 会話文やカギかっこの使い方
- 小学校低学年〜高学年で注意すべき違い
感想文そのものの内容が良くても、書式が整っていないと減点対象になることも。
清書の前に一度、親子でチェックしてみてくださいね。
まとめ|読書感想文は「書き方」と「気づき」でグッと深まる
読書感想文は「型」に沿って書くことで誰でも書けるようになります。
しかし、本当に伝わる感想文にするためには、「何を感じたか」「どこに気づいたか」といった視点を意識することが欠かせません。
本を読んで印象に残ったこと、自分との共通点、疑問に思ったこと――そうした“心が動いた瞬間”こそが読書感想文のいちばん大切な材料です。
学年によって書き方のポイントや表現力には差があって当然ですが、どの年代にも共通して言えるのは、「感想は正解を探すものではない」ということ。
自分なりの受けとめ方を、できるだけ素直な言葉で書くことが、読む人の心にも響く文章につながります。
もし書いていて手が止まったら、「この本を読んで、自分はどう変わったか?」と問い直してみてください。
そこに、あなただけの読書感想文の芯があるはずです。
感想文はただの宿題ではなく、「伝える力」を育てるきっかけになります。
今回ご紹介した例文や構成を活用して、ぜひ自分らしい読書感想文にチャレンジしてみてくださいね。
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